ヨガや瞑想では、必ず「目を閉じて、自分の身体を感じ、呼吸する」というルーティンを行います。これはなぜでしょう。
このシンプルなルーティンが、自分の今の状態に気づかせてくれるからです。何にストレスを感じているのか気づくことができれば、それを取り除くことができます。気づくという行為は、自分の力で状況を変えることを可能にしてくれるのです。
それでは、今していることを一旦止めて、目を閉じて・・・呼吸に意識を向けてみましょう。
今、どのくらいストレスを感じていますか? 「かなり感じている」という方も少なくないかもしれません。最近のギャラップ社の調査 (英語) によると、アメリカ人の 55% が一日の大半にストレスを感じているそうです。この数字は他の国々よりも高いものですが、今やストレスはアメリカだけでなく世界的な問題です。
忙しい現代社会では、大きな波にのまれるように感じることも多々あります。自分では状況を変えられないという無力感は、ストレスの主な原因のひとつ (英語記事) であり、そうなると、幸福度も健康度も生産性も下がってしまいます。
では、状況を変えるにはどうすればよいのでしょうか。2020 年度下半期が始まった今、ストレスを減らし、コントロールを取り戻し、目標達成を阻む障害物を取り除くために、何ができるでしょうか。
自分の内側にフォーカスする
人はとかく悪いニュースにフォーカスしがち (英語記事) です。実はこれは当然で、なぜなら人間の脳は危険を察知して回避するように発達してきたからです。そのため、私たちは常に自分の中で何が起こっているかよりも自分の周りで何が起こっているかに注意を向けています。
たしかに世界全体を変えることはできないかもしれません。しかし、私たちは自分が考えているよりもはるかに、自分の生活、つまり直接自分に影響する要因を変える力を持っています。コントロールを取り戻すには、まず自分に変えることができないものを手放すところから始めましょう。そして、自分で変えられるもの、つまり自分自身にフォーカスを向けます。
残念なことに、多くの人がネガティブな状況を変えようとすら思わず、諦めて見て見ぬふりをしています。特に健康状態、経済状態、キャリアの 3 つの領域に関しては、変えたいという気持ちがあっても変えられないと思い込んでいる人が多いようです。しかし、実はこの 3 つの領域こそが、行動を起こして変えられる余地が最も大きな領域なのです。
大切なのは、今日小さな一歩を踏み出すことです。自己を認識し、成長し、目標を達成する道のりは今この瞬間から始まります。どの道を進むか選んだら、深呼吸をして早速始めましょう。
ストレスを減らしたいのは :
健康状態に関するヘトレスを減らす

毎年、年が明けると、体重を減らす、禁煙する、禁酒する、もっとエクササイズする、といった健康に関する新年の豊富(英語記事)を耳にします。誰もが今よりも健康になりたいと願っているのに、新年の抱負の 92% が失敗に終わってしまうのはなぜなのでしょう。
問題は、設定している目標が曖昧すぎる (英語記事) ことにあります。
そして、それは自分をコントロールする力に影響します。目標を明確にしなければ、達成したかどうかもわかりません。曖昧な目標では何をしたらいいかわからず、変わるのは無理だという気持ちが湧いてきてしまいます。そうなるとストレスで気分も塞ぎます。さらにストレスのせいで体内のコルチゾールが増え (英語記事)、他の要因と共に食欲を増進させるので、つい食べすぎてしまいます。こうなると悪循環です。
具体的な目標でコントロールを取り戻す
具体的な目標とはどのようなものでしょう? 「体重を減らす」は具体的ではありません。「7 月 1 日までに 5kg 減らす」というのが具体的な目標です。はっきりと定義し、できるものは数値化すると、目標に向かって進みやすくなります。
では、今すぐ始められることをいくつかご紹介します。
- Evernote の健康づくりテンプレートを使って、エクササイズと栄養管理の進捗をトラッキングしましょう。行動ログをつけることは、多くの人にとって非常に効果的で、コメディアンのジェリー・サインフェルド氏 (英語記事) もこの方法を使っていたことで知られています。
- ジャーナルをつけて、ストレスを感じた出来事と、それに対する振り返りを記録しましょう。深呼吸と同じように、ジャーナルを書くことにより自分の健康に悪影響を及ぼしているストレスのパターンに気づき(そして変える)ことができます。
- Web クリッパーを使って、オンラインで見つけたヘルシーなレシピを保存しましょう。材料や料理のジャンル、シーン別にタグをつけておけば、後から探すのも簡単です。
- Evernote で一週間分の献立と買い物リストを作成しましょう。
使いこなしのヒント: 「健康づくり」テンプレートの公開リンクを作成して、家族や友人に共有しましょう。進捗を褒めてもらったり、辛い時に励ましてもらったりできます。
経済状況に関するストレスを減らす

お金が諸悪の根源なのかどうかは議論の余地がありますが、ストレスの大きな原因であることは確かでしょう。どうやら収入がいくらあったとしても、お金の心配はなくならないようです。
年収が 200 万円の人に「ストレスフリーの生活をするにはいくら必要か」と尋ねれば、「1,000 万円」という答えが返ってくるかもしれません。しかし、年収が 1,000 万円の人に同じ質問を尋ねれば「2,500万円」という答えが返ってくるでしょう。これだけ高額の年収を稼いでいる人でも、それより多い金額が必要だと言うのです。
驚くべきことに、調査によると (英語記事) 実際の金額はそれほど重要ではないそうです。もちろん、最低限必要な衣食住に困っている場合は当てはまりませんが、基本的な衣食住が満たされている場合、鍵となるのは (英語記事) 「幸福や満足を感じられることに収入を使えるかどうか」です。言い換えれば、自分でコントロールして、自分の好きなようにお金をつかえるかどうかということです。
どこにお金を使うか決めることでコントロールを取り戻す
経済的な自由へは長い道のりです。しかし、収入の高低にかかわらず、今自分がどれだけ使っているかを把握することが自由への第一歩です。どこにお金が出ていっているかが分かれば、自分にとって大切なものとそうでないものを分け、使い道を自分で管理できるようになります。
では、今すぐ始められることをいくつかご紹介します。
- Evernote の貯蓄計画テンプレートを使って、毎月決まった額を貯蓄もしくはローンや借金の精算にまわしましょう。
- 支払いなどお金関連のタスクにリマインダーを設定して、忘れないようにしましょう。
- スマートフォンのカメラを使って請求書や領収書の写真を撮り、Evernote に保存しましょう。支出項目別にタグを使って整理すればさらに便利です。
- Evernote で表を作成して、価格を比較しましょう。店ごとの価格を並べて比較すれば、どこで買うべきか一目瞭然です。
使いこなしのヒント:「貯蓄計画」テンプレートを配偶者や家計を共にしている人と共有して、目標に向けて認識を揃えましょう。
キャリアに関するストレスを減らす

新しい仕事を探すストレスは人生の中でも非常に大きなものです。オンラインでの応募から採用担当者とのやりとり、面接や給与交渉の準備など求職活動に伴う不安(英語記事)は万国共通です。
ここでもストレスの元凶は「自分には変えられない」という無力感にあります。履歴書は無事に届いただろうか? 他の応募者はどんな人たちだろう? 仕事が決まらなかったらどうしよう? こうした答えのない質問は、自分自身の将来を自分で決められないという気持ちを引き起こします。
今、仕事をしている場合でも、それは同じです。事実、アメリカ人の 60% (英語記事) が、週のうち 3 日以上仕事関連のストレスを感じており、自分の時間や優先事項が他の人に支配されているように感じています。ホスピタリティ産業に従事している人も、ジャーナリストも、重役も、誰もが (英語記事)「責任が重すぎる」あるいは「権限が少なすぎる」と不満を持っています。
そのどれもに共通するのは、日々の活動をほとんど、あるいはまったくコントロールできないと感じている点です。それが求職活動であれ、現在の職場であれ、自分の自由が束縛されているように感じられるのです。
先回りすることでコントロールを取り戻す
では、今すぐ始められることをいくつかご紹介します。
- Web クリッパーで、LinkedIn の投稿や採用担当者からのメール、応募先企業の Web ページなど、求職活動に関する情報をクリップしてすべて一ヶ所にまとめましょう。
- 面接で聞かれそうな質問 (英語記事) をノートにまとめて、面接当日に備えましょう。
- その日にやるべきことのうち、最も重要なものを一番上に書いた ToDo リスト (英語記事) を作成しましょう。最初に重要なタスクを完了することで達成感を味わうことができ、一日の残りの時間をすっきりした気持ちで過ごすことができます。
- 自分が積み重ねてきたことを振り返れるように(英語記事)、達成したことをトラッキングしましょう。誰かに仕事を褒めてもらったり、形のある成果を出せたりしたときは、そのことをノートにメモするようにします。
使いこなしのヒント: 「達成したこと」ノートは、転職しても止める必要はありません。毎年書き続けて読み返すようにすれば、自分のキャリアに自信が持てます。
新年度が始まってしばらく経った今、少し立ち止まって自分の状況を確認してみましょう。今、無力感を感じているとしても、自分の中に状況を変え、ストレスを減らす力があることを認識してください。小さな一歩を積み重ねることが大きな成果につながります。そして、その勢いで是非 2020 年度の残りも素晴らしい時間にしてください。