桜の季節が過ぎ、鮮やかな新緑や青空に次の季節の訪れを感じる時期となりました。新年度から新しいスタートを切った皆さまは「少しずつ、今の生活や仕事にも慣れてきた」という方も多いことでしょう。
この数ヶ月を振り返ってみて、「予定どおりできている」という方も「当初の計画とちょっと違う」という方もいらっしゃると思います。いずれにせよ「残りの期間を有意義に過ごしたい」と皆さま感じているのではないでしょうか。
今回の記事では、目標を達成し「なりたい自分になる」ための方法を、3 つのステップでご紹介します。
ステップ 1:立ち止まって「振り返る」
何かと忙しい日々のなかで、私たちはつい「目標に向け、前に進むこと」だけを考えがちです。しかし、目標の実現のためには、ときに立ち止まってみることも必要です。
グロービス経営大学院大学が、社会人大学院に通うさまざまな年齢・性別・職位のビジネスパーソン 32 名に行った調査によると、成果を出している人々は共通して「取り組んだことに対する客観的な振り返りの時間を持っている」ということが分かりました。(参考文献:志を育てる|東洋経済新報社|2011 年)
「振り返り」で大切なのは、一度、立ち止まって自分がやってきたことを見つめ、そこから得られる教訓(継続すること、改善すること、など)を抽出し、教訓を活かすための具体的な次の行動に落とし込むことです。
「振り返り」には、さまざまな手法があります。Evernote のテンプレートにも、振り返りのために使えるノートが用意されていますので、それらを活用することもできます。
また、Evernote プレミアム/Business をお使いの方はオリジナルのテンプレートを作成することもできるので、自分で作成した振り返り用のノートをテンプレートとして登録しておくこともできます。

私たちは、目標への道程を「頂上へと通ずる、まっすぐな一本道」と捉えがちです。しかし、実際は「実行」と「振り返り」を行ったり来たりしながら登っていく「曲がりくねった登山道」だと言えるかも知れません。
ステップ 2:目標を「掲げる」
壁に掲げられた目標を指さし「あと少しだから、みんな頑張ろう」とリーダーが発破をかける ー そんなシーンを映画やドラマで見かけることがあります。
現実においても、目標を目に見える場所に掲示しておくことが達成のために効果的です。
個人で設定した目標も、例えば PC やスマートフォンの壁紙にする、手帳の見えるところに書いておく、紙に書いて自室に貼っておくというように、いつでも目に見えるようにしておくと良いでしょう。
Evernote の「ホーム」画面では、特定のノートがいつでもすぐに見られるよう、固定表示することができます。

ノート画面からも、固定表示の設定を行うことができます。

ホーム画面はウィジェットの並び順をカスタマイズすることもできるので、ノートの固定表示を見やすい位置に変更することもできます。

自分が目指す目標やなりたい姿、そして、振り返りで設定した「次にやるべき具体的な行動」を掲示し、折りに触れて見返すことで、達成に向けたモチベーションを保つことができます。
ステップ 3 :行動を「習慣化」する
「ダイエットのため毎朝散歩しようと思ったが、いざ朝になってみたらやる気が起きずに続かなかった」というご経験がある方もいらっしゃるかも知れませんが、自分を責める必要はありません。
Apple や Google、Facebook など、数々の有名企業でアドバイザーを務めるコンサルタントのグレッグ・マキューン氏は、著書「エッセンシャル思考(かんき出版|2014 年)」の中で、本当にやるべきことをやるためには「習慣化」が大切だと説いています。
習慣化の要素は ①トリガー ②行動 ③報酬 の 3 つに分けられます。
「ダイエットのために散歩する」ことを習慣化したいのであれば、「朝起きたら、枕元に置いておいたジャージに着替える」というように、まずは行動を起こすための ①トリガー を用意します。
「ジャージに着替える」というトリガーにより散歩という ②行動 が引き起こされます。行動の結果、「涼しい朝に近所を散歩するのは気持ちいい」という ③報酬 を得ることができます。この 3 つが何回も繰り返されることにより、脳の中で習慣が形成されていきます。
逆に、「夜更かししてしまう」というような悪い習慣を断ち切りたいのであれば、例えば「寝るときベッドへスマートフォンを持って行く」というような、悪いトリガーを止めることが重要です。
もし、振り返りのために「毎日、日記を書く」ことを習慣にしたいのであれば、毎晩決まった時刻にリマインダーをセットしておくことがトリガーにできるかも知れません。
Evernote はノートの一つ一つにリマインダーをセットすることが可能です。例えば、日付を題名にしたノートを一つ作り、リマインダーをセットします。その日の夜、リマインダーをトリガーに日記を書いたら、次の日の日付で新たにノートを作り、次の日のリマインダーをセットします。

こうすることで、既に日付の入ったノートが毎晩決まった時刻に自動で呼び出され、日記をスムーズに書き始めるためのトリガーとすることができます。
書籍「エッセンシャル思考」では、『プロのスポーツ選手は、厳しい練習や試合の前の精神統一を当たり前の「習慣」としているからこそ、意識せずとも実行できる』というエピソードが紹介されています。
「一流」と呼ばれる人たちは「強固な意志の力」によって目標達成をしていると思いがちですが、むしろ、習慣化することによって普段は力を節約し、やるべきときにのみ意志の力を集中しているのです。
「気持ち」ではなく「仕組み」で目標に近づく
目標への道のりがまだ遠いと感じたとき、「次から頑張ろう」「また明日から努力しよう」といった言葉は、自分を奮い立たせてくれます。
しかし、いくら気持ちを奮い立たせても、それだけでは上手くいかないことがあります。それは「気持ちが弱い」からではなく、達成のための「仕組みが整っていない」からではないでしょうか。
目標達成に向かうため大切なことは、自分を責めて自己肯定感を下げることではなく、たとえ「気持ち」がどんな状態であっても実行できる「仕組み」を作り、改善を重ねていくことです。
1 年の残りを有意義なものにするために、振り返りと習慣化による「仕組み作り」をぜひお試しください。