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「仕事効率化と情報共有に役立っています」――堀江賢司さんの Evernote 活用法

今回、お話を伺ったのは「Evernote 仕事効率化アンバサダー」の堀江賢司さん。7月20日に”業務用プリンターが使える世界一ワクワクする印刷工場”「HappyPrinters」正式オープンを控える堀江さんにとって、Evernote はどのように役立っているのでしょう。 氏名:堀江 賢司(ほりえ けんじ)(左) 所属:堀江織物株式会社・HappyPrinters Twitter: @kenji904 blog:東京ノマド 営業所 前回のインタビュー: 「Evernote でアナログとデジタルを一括管理」――製造業ノマドワーカー・堀江賢司さんの Evernote 活用術     「紙類をもらったらすぐにスキャンしています」 ――堀江さんには昨年、このブログでインタビューさせていただきました。あれから1年経って、Evernote の使い方に変化はありましたか? 堀江「基本的な使い方は変わっていません。ScanSnapを使った名刺管理や、ウェブクリップ、インターネットFAXを自分のGmailに送信することで自動的に Evernote に入るよう転送設定をしています。それにScanSnapの小さいモデルをいつも持ち歩いて、紙類をもらったらすぐにスキャンして Evernote に入れるようにしています。」 ――以前ですと紙の手帳も使われていましたが……。 堀江「最近、手帳を持たなくなったんですよ。以前は資料集を持ち歩いていたのですが、結局それは参照に使うだけなので、それならiPadでいいやと。オフラインノート(※プレミアム機能)を使えば布の原価表などを入れてどこでも持ち運べますからね。」 「店舗マニュアルや打ち合わせの議事録を共有しています」 ――7月20日に原宿で「HappyPrinters」というお店をオープンされるそうですね。 堀江「はい。デジタルインクジェットプリンターが主役の”世界一ワクワクする印刷工場”『HappyPrinters』を仕事仲間のデザイナーとOPENします。モノづくりを楽しみたいMakerな人たちと印刷会社の新しいつながり方ができる店、”作る工程”を楽しめる店をつくっていこうと思っています」 ――お店をオープンする過程で Evernote Business をお使いいただいたとか。 堀江「お店づくりは店長の杉原さんと進めていったのですが、そこで Evernote Business が役立ちました。たとえば、店舗の運営マニュアルが必要なので、事前に資料を作って Evernote で共有するとか。また、お店のオープンから時間が経ってプリント実績が増えてくると、ノウハウを広く共有した方が便利です。そのときは誰が何を印刷したのかをまとめて、リンクを公開するといったことも考えています。杉原さんと打ち合わせをした後、『HappyPrinters打ち合わせノート』にお互いがメモした議事録も書き入れて共有しています。」 ――Evernote Business を使ってみた感想はいかがですか。 堀江「Evernote Business は個人のノートブックが茶色、他の人と共有しているビジネスノートブックがグレー、と色違いでパッと見てわかるのがいいですね。よくあるグループウェアのように、使いたい機能が何度もクリックしないと見つけられないこともありません」 ――堀江さんの Evernote Business の共有ノートブックを拝見すると、『HappyPrintersネタ帳』や『HappyPrinters領収書・保証書』など、HappyPrinters関連のノートをさらにジャンル分けしていますね。 堀江「最初に細かくジャンルを分けてノートブックを作っておくことにしているんです。その方が”何を入れたらいいのかわからない”という状況に陥らなくて済みますから」 ――具体的にどんなノートがあるか教えていただけますか。 堀江「そうですね、たとえば『HappyPrinters機材関連情報』なら、プリンターやインクジェットのカタログをスキャンしたものだったり、説明資料やガイダンス、お役立ち情報などが一覧できます。『HappyPrintersネタ帳』にはウェブを見ていて気になった記事や、HappyPrintersに関係ありそうなネタを色々と入れている感じです。『HappyPrinters名刺入れ』はHappyPrintersに関係する方の名刺を店長と私でどんどん入れるノートブックです。名刺にはその方とどのイベントで名刺交換したのかがわかるように、イベント名でタグ付けしています。それ以上細かいタグづけは面倒なだけであまり意味がないですから。Evernote Business は、店長と二人で持ち寄った情報が入ったナレッジマネジメントのツールになっています」 ――SkitchやEvernote Clearlyも引き続き使っていただいているのですね。 堀江「ええ、クリップする際、サイトのデザインがごちゃっとしているときはClearlyを使っています。Skitchはデザインの修正案を店長とやりとりするときに使っています。たとえばこの画像は元々ワードで注釈を入れているファイルなんですが、そこにさらに新機能の『スタンプ』を使ってコメントを入れています。あと最近だとiPadでPenultimateも使い始めました。意外とサクサク書けるのが気に入っていて、ウェブサイトや製品のコンセプトをサッと書くのに使っています」 「Evernote と他のツールを使い分けています」 ――Evernote の他に仕事の効率化を図るために使っているツールはありますか? 堀江「私は Evernote での共有は”見てくれたらいいなぁ”くらいの感覚で使っていて、共有したことを積極的にお知らせしたい場合はFacebookを使うことにしています。そこは使い分けですね。ウェブの記事を後で読むのにはPocketを使っています。Evernote にもクリップはするのですが、ニュースや仕事に関係のない単に面白い記事などはPocketで読み、Evernote に入れるのは仕事やHappyPrintersに関係した情報です」 ――最後にアンバサダーとして、Evernote を始めようと思っている人にアドバイスをいただけますか。 堀江「Evernote

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アニメーション監督・新海誠さんの Evernote 活用法

学生さんや研究者、ミュージシャンの方など、Evernote は様々な職業の方にご活用いただいています。今回ご紹介する Evernote ユーザーは、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『秒速 5 センチメートル』『星を追う子ども』といった数々の傑作を世に送り出し、5 月 31 日に最新作『言の葉の庭』が公開になるアニメーション監督の新海誠さん。日本を代表するアニメーション監督の Evernote 活用術に迫ります。 氏名:新海 誠(しんかい まこと) 公式サイト:Other voices-遠い声- 『言の葉の庭』公式サイト:言の葉の庭 Twitter: @shinkaimakoto   「『今日、映画の初日で辛い』とか書いてます(笑)」 ――さっそくですが、Evernote との出会いを教えていただけますか。 新海「はっきりは覚えてないのですが、iPhone を買ってからなので2011年の4月くらいでしょうか。複数のデバイスで同期してくれるメモアプリがほしくて探していたら、たぶんウェブの記事で Evernote のことを知って、それから使っています。すごくシンプルで、そこが良かったですね」 ――Evernote の前はどんなソフトを使われていたのでしょうか。 新海「僕は Mac ユーザーなのですが、それまでは MacJournal というパッケージソフトを使っていました。ライフログというほどでもないのですが、主に日々の記録とか、考えた内容などを書いていたんです。ただ、自宅とスタジオと出先、それぞれから同じようにアクセスできないことが単純に不便でした」 ――現在はどのような使い方を? 新海「大きく分けて2つ、プライベートと仕事ですね。プライベートではまず、ツイエバを使って Twitter のログを記録したり、それとは別にプライベートの日記的な使い方をしています。MacJournal で書いていたものも入れているので、ここ10年分くらいが入っていることになります。内容は……たとえば『誰々と飲んだ』とか、『今日、映画の初日で辛い』とか(笑)。毎日書いているわけではないですけどね」 ――お仕事では? 新海「アイデアを思いついたときにメモするのと、制作中の記録、資料のクリップなどですね。本を読んでいて気に入ったフレーズを書き留めたり。単に考えていることを入れているだけとも言えますが、大げさに言えばそれこそが創作の秘密とも言えるかと思います。ちょうど『言の葉の庭』という作品を1年くらい作っていたのですが、その脚本のひな形や企画書も入れていますよ。アニメの制作が終了すると今度は講演やイベントが増えてくるので、そのレジュメなども入れてますね。執筆中の小説版『言の葉の庭』も Evernote で書いています。iPhone では FastEver というアプリを主に使っています。起動が早いですし、タイムスタンプを入れやすいので」 ――他のスタッフとシェアするような使い方はされますか? 新海「していないですね。本当にプライベートの引き出しという感じです。シェアしたいときは GoogleDoc などを使います。アニメの制作ではまず企画があって、次に絵コンテ、そして映像制作に入るのですが、絵コンテ以降は画像・映像の専門ツールが必要になるので、Evernote はそれ以前の段階で使います。具体的な話をすると、スケッチなどは Photoshop で描いてファイルとして管理、絵コンテのファイルは Mac の Finder と Dropbox で管理、ロケハンの写真は Aperture というアプリで、という具合です」   「Evernote と iPhone の組み合わせで生活が変わりました」 ――作品制作の流れだと、最初と最後の段階で使っていただいているのですね。 新海「もちろん進捗メモなどのテキストについては、並行して Evernote を使いますけどね。僕にとって

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「二人で”交換日記”のように使っています」――大学院生、大砂さん・石川さんの活用法

人の記憶が十人十色であるように、どんなものでも記憶しておけるEvernoteの使い方も本当に人それぞれ。仕事にも学業にもプライベートにも使えるツールとして、多くの方がEvernoteを自分流に使いこなしています。今回お話を伺ったのは、明治大学大学院で生命科学を専攻する大砂まるみさんと石川晶雄さん。インタビュー時に就職を控えていたお二人は、Evernoteをどのように活用しているのでしょうか。 氏名:大砂まるみ/石川晶雄 所属:明治大学大学院 農学研究科   「論文を書くための資料を一元管理しています」 ――まずはお二人がEvernoteを使い始めたきっかけを教えてください。 大砂「1年前に海外インターンを広める活動をしていたのですが、そのとき知り合った人がインターン生に『Evernote面白いよ。世の中変わるよ』と話していたので、使ってみようと思いました」 石川「私はEvernoteのことは知らなくて、大砂さんから教えてもらいました。最初は何が便利なのかわからなかったんですが、ChromeにEvernoteのエクステンションを入れてウェブクリップするようになってから面白いなと感じました」 ――お二人ともクチコミということですね。大砂さんはEvernoteをどう活用されていますか? 大砂「Evernoteには色々入っていますが、たとえばレシピです。ネットで見つけたレシピ記事をクリップして『夜ご飯』というタグをつけて保存しています。それにもうすぐ教育系に就職するので、今の教育事情について書かれたニュース記事だとか使えそうな記事もクリップしています。」 ――ウェブクリップ以外は? 大砂「研究論文を書くため、資料を集めてEvernoteに入れています。最近、これまでの研究の集大成になる論文である学位論文を作ったのですが、これを書くためには他の論文を読んだり、整理しておく必要がありました。以前は論文を整理するための専用ソフトを使っていたのですが、その場合は論文整理しかできないんです。Evernoteだと論文もウェブからの資料もまとめて一元管理できてとても便利です」 ――Evernoteを使う前は、論文以外の情報はどのように管理していたのでしょうか。 大砂「管理は……していませんでしたね。メモしておく程度でした。今までこういうソフトがなかったので、重宝しています」 ――Evernote内の情報はタグづけして管理されているのですね。 大砂「そうですね。ノートブックは自分で使っているものがひとつだけで、タグを振り分けて管理しています。もう一つノートブックがあるのですが、これは石川さんとの共有ノートブックです」   「共有ノートブックを”交換日記”のように使っています」 ――共有ノートブックにはどんな情報を入れていますか。 大砂「石川さんはネットの面白い記事をよく見ているんです。その内容を私も知りたかったし、逆に私が知った情報も石川さんに伝えたいと思っていました。情報を共有できる方法はないのかなと思って調べたら、Evernoteに共有機能があることに気づいて」 石川「ウェブの記事以外にも、二人で『交換日記』のようにして使ってもいます」 ――交換日記? 石川「たとえば『今日の取材でどんなことを話そうか』といった相談ですね。あらかじめEvernoteを使ってやりとりしておくんです」 大砂「私が黒字で、彼が赤字でそれぞれノートに書き込んでいきます。お互い好きな時間に書いておけるのがいいですね」 ――共有ノートブックを連絡手段として使っているわけですか。 大砂「交換日記もそうですが、Evernoteの便利なところは時間を後ろにずらせるということですね。クリップしたものや保存したものを、どこにいても後からアクセスして見られるので便利です。スマホやタブレットも研究用も含めると4台くらいあるので、USBメモリを持ち歩かなくていいのは助かります」 ――他には……ポストイットの写真が入っていますね。 大砂「これはポストイットを使って論文構成を考えている過程です。論文に入れるエッセンスをポストイットに書き込んだ後、並べ替えて流れを考えていくんです。でもこのままずっと置いておくわけにはいかないので(笑)、要所要所で写真を撮って残しておきます」 石川「ポストイットを使うと二人で相談しやすいんですよ。相談しながら論文の流れを簡単に入れ替えられますし」 ――たしかにこの方法だと情報の流れが整理しやすいですね。   「Evernote は小さなコミュニティで情報をシェアするのに適しています」 大砂「実はここにくるまでの間、二人で話していたことがあって、それは『EvernoteとFacebookは何が違うんだろう』ということなんですが」 石川「EvernoteはFacebookよりもさらにクローズドなんですよね。たとえばウェブの面白いページをシェアするとき、Facebookだとフレンド全員に公開になりますが、Evernoteだと彼女だけに確実にシェアできる。もちろんFacebookでメッセージを使って伝えるという手もありますが、そこまでやるほどでもないんです(笑)。そういうとき、Evernoteの共有ノートブックに入れておくという距離感がちょうどいいと感じます」 大砂「研究室とかサークルとか、同じ情報を必要としている小さなコミュニティでシェアするなら Evernoteの方が適しているのかなと思います」 ――情報をシェアするという視点でEvernoteを捉えているわけですね。お二人は今後、Evernoteをどのように活用していきたいですか? 石川「本好きの友人に今読んでいる本をよく聞くので、それをAmazonページか何かでクリップし、共有してもらうと面白いかなと思っています」 大砂「もうすぐ就職なので、そうするとまた使い方が変わるかと思います。どう変わるかが自分でも楽しみです」

「Evernoteを使うと一人でブレストができます」――川添祐樹さんの活用術

ビジネスにおける Evernote の活用法といえば、名刺管理や議事録の保存といった記録としての使い方がポピュラーです。しかし、使い道次第ではさらにクリエティブにも使えるのが Evernote の奥の深さ。今回は、次世代の人材育成やコンサルティングを手がけるナレッジネットワーク株式会社に勤務する川添祐樹さんに、ビジネスシーンにおける Evernote の利用法について伺いました。 氏名:川添祐樹(かわぞえ ゆうき) 所属:ナレッジネットワーク株式会社 Facebook:http://www.facebook.com/kawazoezoe   「Evernoteを使い始めたのは、分散する情報を一元管理したかったから」  ――まずは川添さんのお仕事について教えてください。 川添「ナレッジネットワーク株式会社で、人材育成をベースにソーシャルメディアやクラウドなどあらゆる手法を用いてトータルに営業活動をお手伝いする仕事をしています。Evernote の講習会も過去に10回ほど開催しています」 ――Evernote との出会いはいつ頃? 川添「3年前くらいからでしょうか。最初は無料版を使っていたのですが、使い方としてはアイデアをメモする程度でしたね」 ――現在は多彩な使われ方をされているとのことですが、どういった経緯でそこに至ったのでしょう。 川添「私は当時、会社員をしながらNPO活動もしていて、仕事を二つ持っているような状況だったんです。すると、どうしても情報が分散してしまうんですよ。それを一元管理したいという課題意識から、Evernoteに情報を集積するようになり、何でも入れておくようになりました」 ――具体的にはどのような使い方を? 川添「名刺管理や、仕事で使えそうなウェブの記事のクリップ、後はお客様を訪問する際の訪問メモですね。今すぐは必要でないけどいつか必要になるものや、面白いなと直感的に思ったものはすぐさま入れるクセがついています。また、今は法人営業をしていまして、SkitchやPenultimateも使っています」 ――デバイスは何をお使いですか? 川添「WindowsとiPhone、それに営業先ではiPadですね。仕事柄、ウェブサイトのプロデュースなどもするのですが、打ち合わせの際にお客様のウェブサイトのキャプチャを取り、それをSkitchで開いてスタイラスペンで直接書き込んでいきます。終わったらEvernoteに取り込んで、そのままお客様宛てにメールを送って共有したりしています」 ――議事録としての使い方ですね。 川添「そうですね。これまでだと、打ち合わせした内容を帰社してからテキストでまとめ直さなければならなかったのですが、その場でビジュアルで共有した方が絶対に速いですからね。弊社がお客様に対して伝えたいことの一つに”経営活動をスピーディーに”ということがあるのですが、お客様にも形式張ったやり方よりもすぐに共有した方が情報が新鮮だと仰っていただけています。ツールを使って時間短縮することで生み出されるものがありますから」   「EverShakerを使うと一人でブレストができます」   ――Evernoteに入れた情報を後から引き出すことはありますか? 川添「最近よく使うのが、EverShakerというアプリです。これはEvernoteの中に蓄積されている情報を検索キーワードに紐づけてシャッフルして表示してくれるアプリです。たとえば通勤などの隙間時間に、ポスターや広告などで目についたキーワードをEverShakerに入れてみるんです。そうすると思いもよらぬノートが出てきたりして、そこから新しい企画が生まれることもあります。今までだと人を集めてブレストしていたところが、EverShakerなら一人でブレストできてしまうわけです。落語の三題噺みたいなものですね」 ――なるほど。これまでの情報の蓄積があるからこそ、そういったクリエティブな使い方ができるわけですね。 川添「他には、企画立案のアウトラインもEvernoteを使って行なっています。たとえばプレゼンの内容を3つの大きな流れで構成するとします。その際、ノート内に1、2、3と見出しをつけて、それぞれの内容に必要な情報を各ノートからコピペし、さらに追記しながらざっくりアウトラインを作ります。それをパワーポイント等に落としこんで仕上げるわけです」 ――必要な情報をEvernoteで一元管理していると、アウトラインの作成もスピーディーですよね。ノートブックとタグの使い分けはどのようにされていますか? 川添「タグはクライアント訪問の際に使っています。お客様にお伝えしたいニュースや企画内容を日頃からEvernoteに入れているのですが、それぞれは各ノートブックに分散して保存しているんですね。それを一時的にまとめるのにタグを使います。たとえば11月27日に訪問する際に必要な情報には『*1127』というタグをつけておくわけです。アスタリスクを使うのは、タグの一番上に表示させるためです。こうすることで、訪問日に必要な情報が浮き上がってくるのです。訪問が終了して役割を終えたら、そのタグは解除します。イメージとしては各事業部からメンバーを集めて、プロジェクトチームを組むような感じですね。ノートブックが事業部、タグはプロジェクトチームです」 ――わかりやすく明確な使い分けですね。 川添「それと、ノートの内容の重要度を表すのにもタグを使います。★と☆と※という記号で情報の価値付けをしていますね」   「検索で思わぬ情報が出てくることも。それが仕事のアイデアにもつながります」   ――最後に、プライベートでの使い方も教えていただけますか? 川添「プライベートですと、妻のアカウントとノートブックを共有していて、ライフログや買い物リストなどを共有していますね。休日に子どもとスーパーに行ったりするときに、これまでは妻に買い物リストをメモで渡されていたのですが、それをEvernoteでリスト化すると便利です」 ――紙の節約にもなりますね。 川添「面白かったのは、たまたま”エクレア”というキーワードで検索したときに、昔ファミリーマートで買った男性向けスイーツ『俺のエクレア』のパッケージが出てきたんですよ。筆のようなフォントで縦書きされたパッケージだったのですが、それがEvernoteのOCRでちゃんと認識されたんです(笑)。先ほどEverShakerの話をしましたが、ビジネスとプライベートを分けて管理しているつもりでも、ふとしたときに両者が有機的に結びつくのが面白いし、仕事のアイデアにもつながりますね」 ――ありがとうございました。

「Evernoteのおかげで本棚がひとつ空に」――魚類研究者・宮正樹さんの活用法

千葉県立中央博物館で魚類に関する分子進化系統学を研究されている宮正樹さん。海外からも注目を集める研究者の宮さんにとって、Evernoteは仕事でもプライベートでも必須と呼べるツールなのだとか。いったいどんな使い方をされているのでしょうか。 氏名:宮 正樹(みや まさき) 所属:千葉県立中央博物館 ブログ: This is life!   「EvernoteとScanSnapの連携で論文の執筆が楽になりました」 ――お仕事とプライベートの両方でEvernoteを活用されているそうですね。 宮「ええ。まず仕事での用途からご説明します。もっともよく使うのは『メディア』というノートブックに、研究成果が載った記事をクリップする使い方ですね。新聞や雑誌でしたら切り抜きをスキャンして保存、ウェブニュースでしたらSafari(Macの標準ブラウザ)でクリップして保存しています。昔ですとスクラップブックを作っていたと思うのですが、それがEvernoteとScanSnapと組み合わせることで、保存先はEvernoteひとつ。紙のノートを探す手間やどこにいったかわからなくなる、ということがなくなったというのが大きいですね」 ――たしかに紙ものはすぐなくなりますし、何年も経つとボロボロになってしまいますよね。 宮「他にも自分の記事に対するネットの反応などをクリップすることもあります。たとえば今ノートブックの中を見てみると……以前、坂本龍一さんが私の研究についてTwitterでコメントされていたページをクリップしたりしていますね」 ――坂本教授ですか! それは確かに残しておきたくなりますね。 宮「Twitterに限らず、ネットのページは後から探そうとしても難しいことが多いですし、ページそのものがなくなってしまったりもしますからね」 ――お仕事柄、紙や書籍に触れる機会は多いと思いますが、Evernoteはどう活用されていますか? 宮「書籍はScanSnapで電子化してローカルに保存してあるのですが、電子化するとキーワードで検索できるので、必要な部分をコピーしてからEvernoteにペーストしていきます。こうすると、今まではいちいち手でやっていた引用が楽にできるんですよ。特に大きいのは古典を扱うときですね。私は魚類の進化を研究しているのですが、たとえばこの分野の古典であるダーウィンの本なんかは今は電子化されていてPDFでダウンロードできるんですよ。昔だとなかなか手に入らなかった貴重な古典がネットで手に入り、そこから関連する部分を検索してEvernoteに保存するという流れで、論文の執筆はかなり楽になりました」   「仕事で使うソフトのハウツーを保存しておくと便利です」 ――なるほど。他には「ミーティング」というノートブックがありますね。 宮「これは研究チームの学生のレポートだったり、会議の資料などを入れているノートブックですね。こういった資料は紙で配布されるのですが、それをスキャンして入れているわけです。本当は会議のたびに人数分コピーして配るっていうのは紙の無駄遣いなので、PDFで配ってiPadで見ればいいと思うんですけどね」 ――データを紙に印刷して、それをスキャンしてまたデータにするという流れを考えると確かにデータのままでいいですよね。 宮「あとは仕事で使うソフトの使い方やマニュアルを保存したり、記録をとってあります。しょっちゅう使うわけじゃないコマンドなどは忘れてしまうんですよ。Excelの関数やイラストレーターのハウツーなどもここに入れています。テキストだけではなく、画面をそのままキャプチャして保存することもあります。こういった情報はネットで検索すれば出てくるのですが、先ほども言った通りページがなくなることも多いですからね。昔はブックマークするしかなかったのですが、Evernoteでクリップするようになってからは便利になりました」   「プライベートでは旅行とワインの記録として活用しています」  ――プライベートでの使い方も教えていただけますか。 宮「海外旅行が趣味なのですが、そこでEvernoteをよく使っています。Eチケットや、行きたい場所の情報、後はレンタカーのレシートを入れたりします」 ――レンタカー……ですか? 宮「海外でアパートとレンタカーを借りて、毎日自炊するというスタイルで旅行するんですよ。アパートはHomeAwayというサイトで探して、あとはオーナーと直接交渉するのですが、その際にトラブルにならないよう、レシートや予約票をEvernoteに入れておくと便利ですね。もちろん念のために紙でも持っていくのですが」 ――Evernoteでバックアップしておくと安心ですね。 宮「この旅行のスタイルはオススメですよ。旅行で一番高くつくのは食事代と宿代ですが、それがかなり安くなりますからね。また、海外ではよくワイナリーを訪問してワインを試飲するのですが、その際にワイナリーの資料をウェブからクリップして入れておくことが多いですね。他にもインターネット通販で購入したワインの記録や、次に行きたい地方のワインの資料なんかも入れています」 ――ご自宅にワインセラーをお持ちなほどのワイン好きと伺いましたが、Evernoteは宮さんのワインの記録としても役立っているわけですね。 宮「他にプライベートで役立っているといえば、『リフォーム』ノートブックですね。震災を機に自宅をリフォームしたのですが、業者にお願いすると高いので、自分で断熱フィルムや壁紙をはったんですよ。そのフィルム、壁紙の購入記録や、どうやってはったのかという手順、それにサイズなどを保存してあります。もう一度同じことをやろうとしたときにまた採寸しなくていいですし、手順をネットで探す手間がなくなりますからね」 ――たしかにリフォームのようにめったにやらない作業はマニュアル化しておきたいですよね。 宮「マニュアルといえば、家電の取扱説明書なども入れていますね。本の自炊と合わせて、自宅の紙類はかなり減りました。本棚をひとつ空にできたくらいです。研究者には、本に囲まれていたいタイプと、そうでないタイプの2種類あるのですが、私は後者です。これからも紙はどんどん電子化していきたいですね」 ――ありがとうございました!   ◆ 研究での Evernote の活用法について、宮さんが執筆された記事 「ペーパーレスで築く効率的な研究環境 その3:Evernote の紹介」(PDF)がとても分かりやすくまとまっています。ぜひご覧ください。(掲載許可済み)

「使い始めてから、とにかく紙が減りました」──森美術館館長・南條史生さんの活用法

アートと Evernote。一見遠い存在に見えがちですが、アート分野でも Evernote を使って自分の仕事や創作に役立てている人がいらっしゃいます。六本木ヒルズ・森美術館館長の南條史生さんはさらりと自分流に使うその一人。海外を飛び回り、慶應義塾大学講師も務めるなど、多忙を極める日々の中で Evernote がどんな役割を果たしているのか、南條さんにお話を伺いました。 氏名:南條史生(なんじょう ふみお) 所属:森美術館   「紙類は全部スキャナで取りこんで Evernote に上げています」 ――南條さんはお仕事とプライベート、どちらで Evernote をお使いですか。 南條「仕事でもプライベートでも使うけど、どちらかといえば仕事ですね。海外へ行くことが多いので、出張のノートブックを作って、そこに飛行機のチケットや旅のスケジュール、現地の情報など必要なものをどんどん入れておきます。このノートブックをオフラインノートとして設定しておいて、インターネットにつながらない旅先でも自分に必要な情報を確認しています。旅行や出張が終わったら、それが旅のアーカイブになるわけです。写真だけは Flickr と Picasa を使ってますけどね」 ――なるほど、旅の準備と記録を同時に Evernote で行えるわけですね。 南條「プライベートだと、レストランの情報を入れてますよ。これから行きたいレストランの情報とか、一度行ったレストランのショップカードとか。雑誌で気になったお店があれば、ページをスキャンして保存しています。日本と海外でノートブックを分けて整理していますね」 ――仕事で世界中を飛び回る南條さんならではの使い方ですね。 南條「他には、送られてきた展覧会のチラシとか招待状も保存していますね。紙ものは全部スキャナで取り込んでそのまま Evernote に上げています。仕事柄、とにかくデスクに紙が多いんですよ。デスクの横幅が 2メートルくらいあるんですが、すぐ書類やファイルが積み上がってしまいます。一番困るのは大きな会議やプロジェクトの報告書で、捨てるわけにもいかないけど、1 冊あたり 数十ページあるので、全部とっておくと、とんでもないことになる。そういうときはスキャンして、Evernote に上げ、現物は処分しています。同じように本も、月に 50冊くらいはスキャンして電子化しているんです。もっとも、アート関係の本は裁断するのがもったいないのもあるので、そういうものは残しますけどね」 ――Evernote を使うことで紙を減らすことができたのですね。 南條「Evernote を使い始めたこの 1 年で紙は相当減らしたと思いますね。とはいえスキャンして減る量より増える量の方が多いから、毎日戦ってますよ(笑)」 「Evernoteのいいところは、うろ覚えでも情報を引き出せること」 ――お仕事柄、それは仕方ないことかもしれませんね(笑)。そもそも南條さんがEvernoteを使い始めたきっかけは? 南條「最初は名刺の処理をするために使っていたんですよ。それから違う使い方も考え始めて、邪魔な紙類はスキャンするようになりました。名刺は今でもスキャンして入れていますよ。実は名刺のノートブックは秘書と共有して使っているんです。これなら秘書の方で名刺が必要になったとき、いちいち私が名刺を探して伝えなくても秘書が自分で検索して探せますからね」 ――南條さんは慶應義塾大学で講師もされていますが、講義にも役だっていますか? 南條「講義の資料やメモは Evernote に保存していますね。その(Evernoteの)ノートを、講義の直前にアシスタントにメールで送って、配布用資料をプリントしてもらいます。講義の概要はもうできているので、毎年それを手直しして、現状にあったものに改訂して使っていくわけです」 ――そういう、”あとから使うもの”を入れておくと便利ですよね。 南條「そういう意味では、アーティストの情報とか、そのうち行きたい展覧会の情報なんかも入れていますね。Evernote のいいところはあとから検索できること。たとえば水戸美術館で展覧会があったなってときに、タイトルがはっきりしなくても『水戸』とかで検索すれば出てきます。うろ覚えでも構わないのが強いですね。アーティストも同じで、名前を覚えていなくても、『上海のギャラリーで会った』とか、そういう断片的なキーワードから情報を検索で引き出せるのが便利です」 「バックアップは、むしろクラウドの方が信頼性が高いです」 ――名刺にしてもアーティスト情報にしてもそうですが、ずっと覚えておくほどでもないけど、完全に忘れるわけにはいかない情報の倉庫として使われているんですね。 南條「そうですね。それにバックアップの意味もあります。実は一度、仕事で撮りためてきた写真がハードディスクの故障で消えてしまったんですよ。そのときは別のハードディスクにバックアップをとっておいたから助かったのですが、そうやっていちいち複数のハードディスクにバックアップする作業も大変だし、だったら大切なものはクラウドに上げておけばいいやと」 ――Evernote に限らず、クラウドサービスを仕事で使うとなると、セキュリティを気にされる方も多いです。 南條「セキュリティの心配もわかりますけど、コンピュータに入れた時点でどうしたって漏洩する危険性はありますからね。ハードディスクが飛んだ事件があってからは、むしろクラウドの方が信頼性が高いという結論に至りました。もちろん自分でハードディスクでバックアップしておくことも大切なんですが、加えて Evernote を使うといいですよね。私にとって Evernote は、バックアップと整理整頓、そして仕事の管理をするための重要なツールなんです」 ――ありがとうございました。

「Evernoteを使えば仕事で楽をできるんです」── 株式会社クシタニの活用例

レザースーツをはじめとするバイク用品の製造販売を手がけ、世界中のバイク乗りに愛されているブランド KUSHITANI を展開する株式会社クシタニ。全国のショップ展開やバイクイベントの活動を行うクシタニ社内では、Evernote が業務に欠かせないツールなのだとか。仕事の現場でどんな使われ方をしているのか、クシタニの広報担当 櫛谷さんにお話を伺いました。   氏名:櫛谷 信夫(くしたに のぶお) 所属:株式会社クシタニ ブログ:KUSHITANI PRO SHOP BLOG Twitter:@kushitani Facebook:Kushitani  YouTube:KUSHITANI PERFORMANCE CHANNEL      「全員が Evernote のアカウントを持っています」 ―― Evernote を導入されたのはいつ頃からでしょう? 櫛谷「2年半くらい前からだと思います。当時、社内のインフラ整備でグループウェアを使うことになったのですが、その責任者が私でした。何を使おうか模索した結果、最初は他のソフトウェアを使うことにしたんです。ところがそのソフトウェアは、スケジュールやスレッド管理は楽だったのですが、ファイルの管理が難しかった。添付できるのは画像だけで、Word や Excel ファイル、Zip ファイルも添付できませんでした。そんなとき、弊社の役員が見つけたのが Evernote でした。最初は2人でファイルのやりとりに使い始めて、それから本格的に導入することにしました」   ―― 具体的にどのように業務で使われているのでしょう? 櫛谷「たとえば、弊社はバイクウェアを作っているのですが、その中でもレザースーツなどはほとんどがオーダーでの注文なんです。お客さんが好きなように色やデザインを決めて作るのですが、その際に試着用のサンプルスーツを作ってフィッティングしてもらうんですね。その試着スーツが色もサイズもバラバラにあるので管理しにくい。そこで Evernote に『サンプルスーツ』という共有ノートブックを作って、全国の店舗の担当者と共有し、サイズや配色を記録するようにしました。何百着もあるのですが、お客さんの希望が Mサイズだったら M で検索して、出てきた中から色を選んで見た頂いたりすることもあります。スーツは全国に散らばっているんですが、店舗名も記録しているので、どの店舗にどのスーツがあるかはすぐわかるようになっているんですよ」 ―― 全国の店舗で使っていただいているのでしょうか? 櫛谷「今は全員がアカウントを持っていますね。各店舗から報告書が上がるのですが、それを Evernote に上げてもらっています。一つの店舗で起きた事例は他の店舗でも起こりうることですから、情報を共有しておくことは大切です」 ―― なるほど。多くの店舗を持つクシタニさんならではの使い方ですね。 櫛谷「他の使い方としては、走行会の業務連絡などを開催ごとにノートブックにして社員と共有していますね。日程や運営のスケジュール、参加不参加の情報などを Evernote に上げていくわけです。とりあえず Evernote を見れば最新の状態がわかるので、これはメールよりも圧倒的にやりやすいんです」 「Evernoteの導入を決めたときは、本を買って社員に渡しました」 ――「ミーティング」というノートブックがありますが、ここにはどんな情報を入れているのでしょう? 櫛谷「ミーティングは何でも入れるノートブックですね。今年の4月に新東名高速道路のNEOPASA清水内にショップ『KUSHITANI PERFORMANCE STORE』をオープンしたのですが、その時も道路情報や出店のやりとり、現場の写真やプレゼン資料などを全部入れて共有をしました。新しいショップに関する情報などもここに集約されているので、関係者で共有するときもやりやすいです」 ―― 社員の方にはどのように Evernote を勧められたのでしょう? 櫛谷「関東圏の店舗で導入を決めたときは、Evernote の解説本を買って社員に配布しました。出勤簿にも使っているし、ある程度の重要なデータもアップしているので、Evernote は使わないわけにはいかない状況です」 「プライベートでは自分の出勤表を妻と共有しています」 ――お仕事ではかなりヘビーに使われていますが、プライベートではいかがですか? 櫛谷「個人では使ってなくて、仕事だけですね。ただ、家のデスクトップでもログインできるようにしているのですが、妻が私の出勤表を見るのに使っています。今は出張が多く流動的なのでスケジュールはEvernoteの出勤表を見てもらっています。うちでは Evernote のことを象さんって呼んでます(笑)」

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製造業ノマドワーカー・堀江賢司さんの Evernote 活用術

幟、旗、幕など布への印刷を行う、のぼり製造業の堀江織物株式会社に勤務する堀江賢司さん。愛知にある本社ではなく、東京で独りノマド営業所としてコワーキングスペースを点々とする堀江さんのワーキングスタイルに Evernote はなくてはならない必須ツールなのだとか。のぼり製造業というアナログな業界の中でデジタルツールをどのように活用されているのか、お話を伺いました。 氏名:堀江賢司 (ほりえ けんじ) 所属:堀江織物株式会社 Twitter: @kenji904 blog:東京ノマド 営業所 「ノマドという働き方と Evernote の相性は非常にいいと感じています」 ――堀江さんは東京でノマドワーカーとして働かれていると伺いました。その中で Evernote が役立っているとか。 堀江「ええ、私は愛知県に本社がある堀江織物株式会社という会社で働いています。といっても本社勤務ではなく、東京で“独りノマド営業所”としてコワーキングスペースやクライアント先にいることが多いです」 ――なるほど。最近ノマドスタイルが流行していますが、堀江さんの場合はフリーランスではなく、伝統的な業種の中で現代的な働き方をされているというところがとても面白いですね。 堀江「そうですね、東京では新規事業開拓をやっています。もちろん本社との行き来ややりとりも頻繁に行いますし、そうした自分のスタイルと Evernote というツールとの相性は非常にいいと感じています」 ――具体的にどんな使い方をされているのでしょうか。 堀江「まずは一般的な使い方ですが、名刺管理ですね。1週間か2週間分に一度、まとめてScanSnapで取り込みます。愛知の本社に月のうち1週間ほど戻るので、そのときに上司が溜めている名刺も取り込みます。FastEver Snap で取り込んでもいいのですが、数が多い場合は ScanSnap の方が楽ですね。それに ScanSnap だと裏表を一気に取り込めますよね。これが便利です」 ――というと? 堀江「名刺管理の方法は僕のやり方を @ushigyu さんがブラッシュアップして、ブログでまとめてくれていますが、表裏を両方スキャンした上で一つのファイルにしてくれるんですよ。こうするとEvernoteに取り込んだ後のサムネイルが、常に名刺の表の面で表示されるんです。すると名刺のサムネイルだけザッと眺めるときに見やすいのです」 ――なるほど! 後から検索で探したりすることも? 堀江「もちろん、検索も使いますよ。というよりも検索ばかり使うので、タグ付けをほとんどしないんです。つけるとしたら「名刺」というタグではなく、その人とお会いしたイベント名などですね」 ――Evernote には OCR 機能があるので後からでも探しやすいですよね。 堀江「そうですね。それだけではなく、私はよく検索する方の名刺には、名前などの情報をテキストでも入れて、検索の精度を上げています。スキャンしたときにも OCR 情報を埋め込み、自分でもテキストで入力し、Evernote 自身の OCR 機能も使う。そうやって保険をかけてより探しやすくしているんです。といっても名刺交換してその後まったく連絡を取らないことも多いので、基本的には“名刺を 2 回探したら、そのついでに名前を入れる”という方針ですね」 ――全部の名刺データに名前を入力するのは手間ですから、それが一番効率のいいやり方ですね。 堀江「あとは、その方のメールの署名も入れますね。実は名刺よりも署名の方が情報量が多かったりするんですよ。それに署名ならテキストなので絶対に検索で出てきますし、コピーできるから自分で打たなくて済みますし」 ――署名ですか! 言われてみればたしかにその通りですね。他にEvernoteに保存しているものはありますか? 堀江「ウェブクリップとか、クックパッドのレシピとか、子どもの絵を写真で保存したりとか、RSS を飛ばしたりとか……。仕事では注文書や資料、見積もりなどの書類等々、紙物を取り込むことが多いです。基本的にタグは使わず、ノートブックで細かく分類をしています。クリップするときは、Clearlyを使うと、サイトのメニューなど余計なものを省いたスッキリした形で保存できて気に入っています。あとはインターネット FAX ですね」 「インターネット FAX を使って書類を Evernote に自動送信しています」 ――インターネット FAX ? 堀江「たとえば出先で書類をいただくとします。それを FAX をお借りして自分宛にインターネット FAX で送信するんです。すると Gmail に FAX のデータが届くので、そのメールをさらに

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プロダクトデザイナー久下さんに聞く、Evernote & Skitch 活用術

東京/渋谷にオフィスを構え、家電製品や情報機器のデザイン開発、サービスモデルのデザイン、コンセプトメイキングなどを手がける、tsug.LLC(合同会社ツグ)。同社代表であり、プロダクトデザイナーとして活躍されている久下 玄さんは、EvernoteとSkitch for Androidを使いこなすヘビーユーザーでもあります。プロダクトデザインという仕事でEvernoteとSkitchがどう役立っているのか、久下さんに伺いました。   氏名:久下 玄 (くげ はじめ) 所属:tsug.LLC Twitter: @kugehajime   「Evernoteが消えたら僕は仕事ができなくなります(笑)」 ――EvernoteとSkitchをかなりヘビーに使われているとか。 久下「そうですね、Evernoteが消えたら僕は仕事ができなくなります(笑)。それくらい仕事用のファイルをほぼすべて入れてありますね。逆にプライベートではあまり使わないかも。写真を撮っても放置しちゃってるし。Amazonの注文番号とか、振込先の口座番号とか、そういった情報メモとしては使ってますけどね」 ――完全に仕事特化なんですね。ノートは何でもどんどん入れていくタイプですか? それとも一つのノートを編集して更新していくタイプですか? 久下「後者ですね。とにかく追記と加筆を繰り返します。ビジネスモデルを作るコンセプチュアルな仕事が多いので、概念を図表化してそれを取り込むことが多いですね。さらにミーティングでの会話を録音したファイルや手打ちでテープ起こししたテキスト、そういうものをプロジェクトごとにまとめて一つのノートに保存しています」 ――そのノートを見ればすべて入っているというのはわかりやすくていいですね。 久下「風呂でアイデアを思いついたときなどは、タブレットを風呂のふたの上に置いて、Skitchで図を描いてそのまま取り込んだりとか。とにかく思いついたらすぐに描いて保存。思いついたことって、5分と覚えてられないんですよ。風呂から出る頃には忘れてしまう(笑)」 ――それ、わかります(笑)。普段はどんなデバイスでEvernoteやSkitchを使われますか? 久下「iPhoneも持っていますが、Android端末で使うことが多いですね。Androidの一番いいところは、インテント機能でどのアプリからでもEvernoteに保存できるところです。iOSの場合はアプリに連結の仕組みが入ってないとダメですから。だからタブレットもiPadじゃなくてGALAXY Noteを使っているんですが、ペンもついていて僕には合っています。打ち合わせなんかだと、タブレットでSkitchを起動したまま会話中にどんどん図表や絵を描いていくんですよ」(と、話ながらさっと書いて頂いた図が、下の写真にある車のスケッチと概念図です。)   「Evernoteの良さはファジーであること」 ――打ち合わせ中にSkitchを使われるんですね。 久下「そうなんです。もちろん紙に手書きすることも多いですよ。ただ、紙とペンは自由で速いのですが、それだけに“書けすぎてしまう”ので、考え方が複雑になりがちなんです。Skitchとスタイラスなら、自由度はあるんだけどあまり細かくは書けないし、イラストも抽象化せざるを得ない。だからこそ自分の脳をシンプル化できるんですよね。たとえば概念を示すためにあえてレゴブロックを使う人がいますが、それのもっと柔軟なバージョンです」   ――なるほど、最終的に細かくてちゃんとした資料を作るにしても、アウトラインを作る段階ならそれくらいで充分ですよね。 久下「それにスピードもぜんぜん違います。たとえばアプリの遷移図を作るときに、最初からすごく綺麗に画面を作って1週間かかるよりも、手書きでもいいからすぐ返答できる方がいいですよね。速さって大事ですから。そういうときにもSkitchはすごく便利です」 ――SkitchならEvernoteへの保存も速いですしね。 久下「Skitch以外にもドローソフトって色々と出てきているんですが、Evernoteがデバイスを問わずそれらの入れ子になっているというのは面白いですよね。僕はEvernoteの良さって、デジタルアナログ関係なく、ファジーであることだと思っているんです」 ――というと? 久下「先ほどプロジェクトごとに何でも入れていると言いましたが、Evernoteにはそういう風に“ぐちゃぐちゃでも許される感じ”があるじゃないですか。僕はノートブックを社内のデザイナーと共有して資料のやり取りをしているんですが、かっちりしないといけない感がない。これがパワーポイントやキーノートだと、ちゃんと書かなきゃってなるんですけど、それが必要ないのでスピード感が出るんですよね。『お世話になっております』っていちいちつけるのは、やっぱり面倒なんですよね(笑)」   「Evernoteは一向に完成しない“Nevernote”」 ――たしかに、Evernoteはいわば「自由帳」のようなものですからね。 久下「あとは“終わらない”というのが個人的に重要だったりします。ノートは縦スクロールで、いくらでも追記できますよね。それがタイムラインの概念を生んでいて、情報の構造化ができる。紙だと書いたら消せないし、ページをどんどん付け足していくってことができませんからね。僕にとってEvernoteは一向に完成しないノート、いわば“Nevernote”なんです」 ――すばらしいキャッチフレーズ、ありがとうございます! ところでEvernoteで何をしていいかわからず挫折してしまう方もいるのですが、久下さんはそういうことはなかったですか? 久下「挫折したことはないですね。ノートを綺麗に整理しようとしたことがないからかも。全部を整理するのは限界があるし、カテゴライズするだけで疲れてしまいます。整理する機能はEvernoteが持っているので、そこはやってもらおうという考え方ですね」 ――なるほど。 久下「そういえばEvernoteって一つ面白い現象がありますよね」   「意図的にカオスを作り出せるシステムがクリエティブな発想を生む」 ――面白い現象? 久下「更新日で並び替えたときに、更新していないノートでも、カーソルが入っただけで更新されたと認識して上がってくることがあるんですよ。たまたま見ただけのファイルが上にくるという仕組みがユニークだなと」 ――こんなノートあったあった! って懐かしくなったり驚いたりすることはありますよね。掃除中に昔の写真アルバムを見つけたみたいな(笑)。 久下「そういう“意図的にカオスが作り出せるシステム”って面白いんですよ。何かをクリエイションするとき、あらかじめ用意されたフォーマットの中に入れ込んでいく作業からは新しいものが生まれないんです。だからタグを眺めているだけで、昔クリップして忘れていたノートとの偶然の出会いがあったりする。たとえば今見ると……『脳波』っていうタグがありました(笑)。脳波セットをクリップしてますね。たぶん、これを買おうと思っていたんでしょうね」 ――そうやって見直すだけでも面白いですね。 久下「ミーティングで特にフォーカスすることがないときなんかは、こうやってEvernoteを見るだけでいくらでも話題が出てきますよね。他にも語句で検索をかけたときに、OCRでぜんぜん関係のないノートが引っかかって、そこから新しい発想が生まれることもあります。これがEvernoteの面白さの一つですね」 ――ありがとうございました!

少数民族言語学研究者・児倉徳和さんが語る Evernote の意義

日本学術振興会特別研究員として、少数民族の言語学の研究をされている児倉徳和さん。フィールドワークや大学の講義、さらにはプライベートでのライフログなど、あらゆる場面でEvernoteをフル活用されているとか。お話を伺う中で、Evernote上級者ならではのテクニックも教えていただきました。 氏名:児倉徳和 (こぐら のりかず) 所属:日本学術振興会特別研究員   「現地でのフィールドワークや大学の講義にEvernoteを活用しています」 ――児倉さんは少数民族言語学の研究をされているそうですね。その調査にEvernoteが役立っているとか。 児倉「ええ。私が研究しているのは、中国新疆ウイグル自治区に居住する民族が話すシベ語という言語です。シベ族は18世紀中期に国境警備のため中国の東北地方から派遣され定住した人々の子孫で、現在シベ語を話す人口は3万人ほどです。私は毎年1回くらいの頻度で現地を訪れてシベ族の人々にインタビューし、書き取った手書きのノートや音声ファイルなどをEvernoteに保存しています」 ――いつ頃からEvernoteを活用されるようになったのでしょう。 児倉「フィールドワークでは2010年から使い始めました。音声ファイルだけでなく、書き起こしたテキストも一緒に入れてあり、後から赤い文字でコメントを書き加えたりもします。他にもちょっとしたビデオクリップやフィールドワークの風景を写した写真なども入れていますね。Evernoteには50MB(注:プレミアムアカウントの場合。無料アカウントは25MB)のファイル制限があるので、その点には注意しています」 ――大学の講義でもEvernoteを使われているのですか。 児倉「大学で音声学を教えているのですが、学生に教材として聞かせる音声のサンプル(クリックで再生)を入れています。使うときはAndroidケータイやタブレットとスピーカーを直接つないで再生していますよ。「教材」というタグをつけて管理しているのですが、Androidの場合、特定のノートやタグへのショートカットをホーム画面に置くことができるので、非常に重宝しています。こうしておけば、関連ノートへワンタッチでアクセスできるわけです」 ――Androidならではの機能ですね。他にはどんなものを保存されていますか? 児倉「何でも入れていますね。いただいた名刺だとか、年賀状だとか、ウェブで公開されている論文だとか……もともと何でも取っておいて溜め込むのが好きなタイプなんですよ。でも紙類っていざ見返そうと思ったときに出てこないですよね。これじゃ取っておく意味がないなと思っていたのですが、スキャンしてEvernoteに入れるようにしてからは捨てていいやって。もちろん捨てられないものもあるんですが、Evernoteでいつでも見られるとなれば、しまい込んでしまえますからね(笑)」 ――たしかに、物をしまい込むとしても、「いつかまた出さないといけないかも」というのと、「もう出さなくてもいい」というのではかなり意識が違いますよね。 児倉「そうなんです。あとは重要なメールをEvernoteアドレスに転送したり、レシートも入れてますよ」 ――レシートは家計簿の補助として使われているのでしょうか? 児倉「最初はそう思ったんですが、それは直接別のソフトに打ち込んだ方が早かったです。ただ別の効果がありまして……」   「Evernoteにレシートを入れていたことで、思わぬ効果がありました」 ――というと? 児倉「以前、妻と化粧品を買いに行ったのですが、そのときに「前に買ったのはこれだったっけ?」と尋ねられまして、試しにお店の名前とだいたいの日付けでEvernote内を検索してみたんですよ。そうしたら前に入れていたレシートが見事に引っかかったんです。Evernoteってすごい!と思いました(笑)」 ――それはEvernoteというよりも、児倉さんのマメさがすごいのでは……(笑) 児倉「そうやって後から検索すると色々わかることもあって面白いです。スターバックスで検索するとレシートがどさっと出てきて、だいぶお金使っちゃってるなとか(笑)経年の変化が見られるのも興味深いです。」 ――レシートって自分の行動記録そのものですよね。話は変わりますが「保存された検索」機能は使いますか? 児倉「使っていますよ。その機能はですね、Evernoteに入れたノートを整理するときに使います」 ――ノートの整理ですか? 児倉「私は一週間に一度、Evernoteを整理するのですが、そのときタイトルやタグをつけずに保存した未整理のノートに、後からタイトルやタグをつけていくという作業をします。「保存された検索」機能を使うと、この作業をかなり効率化できるんです」   「“保存された検索”機能を使うことで、ノートの整理を効率化しています」 ――具体的にやり方を教えていただけますか。 児倉「まず携帯電話で撮った画像つきのノートを検索します。自分でタイトルをつけずにEvernoteに入れると「無題のノート」や「スナップショット」といった仮のタイトルになるので、そのキーワードでタイトル検索します。するとタイトルを付け忘れたノートが抽出されるので、これに「昼食 サンドイッチ」など自分ルールに基づいてタイトルを入れていきます。スキャンした文書についても同じようにします。ここまで終われば、あとは流れ作業です」 ――なるほど……。 児倉「次はin title、つまりタイトルの文字列で検索をかけ、出てきたものに指定のタグをつけていくのです。先ほど「昼食」というタイトルをつけたノートには「昼食」のタグをつけ、「朝食」というタイトルをつけたノートには「朝食」のタグをつけていきます。ここを流れ作業にすることで、整理にかかる労力を減らすことができるわけです。特に私はタグをたくさん使っているのですが、タグはノートブックと違って複数付けられるので便利です。」 ――「保存された検索」の一覧を見ると、かなり細かく指示が書いてありますね。 児倉「この「保存された検索」を上から順番に見ていくだけで、未整理のノートがどんどん整理されていくという仕組みになっているわけですね」 ――「保存された検索」を使った応用テクニックですね。 児倉「Evernoteのおかげで仕事もプライベートも整理が楽になりました。今となってはEvernote以前の生活は思い出せないくらいですが、昔は資料はバラバラに保管していたはずだし、海外に長期出張するときは資料を抱えて行ったものです。今はネットさえつながればいいわけですからね。でも本当に役立っているのはデータのバックアップかもしれません。昨年の震災時、私はこの部屋にいたのですが、調査ノートは置いてハードディスクだけを持って家路についたんです。でも家は遠く、途中で何があるかわからない……そういうとき、Evernoteにバックアップがあるというのは心強いと思いました」 ――たしかに貴重な資料などが震災や津波、火災などで失われることは多いですよね。 児倉「そう、どんなに大切に保管していても、たとえば東京がなくなってしまったらすべて消えてしまいます。たとえば、かつてある先生が書いた博士論文が空襲で焼けてしまったという出来事もありました。特に少数民族言語の場合、調査記録がなくなったらその言語そのものがなくなってしまうという状況もありうるわけです。また、EvernoteのCEO・フィルさんはEvernoteを100年続く企業にしたいと仰ってますから、我々の研究をずっと残すためにもぜひがんばってほしいですね」