秋晴れの空が気持ちいい紅葉の季節。古くは唐の時代の中国で「灯火親しむべし」と詠まれたように、読書をはじめとした「学問」に良い季節になりました。この秋に、何か新しく学んでみようという方もいらっしゃることでしょう。
何かを学ぼうとするとき、従来は「学校へ通って授業を受ける」「図書館へ通って書籍を読む」といったアナログな手法が一般的でした。もちろんこれらは現代でも重要な学びの方法ですが、一方で電子書籍やオンライン講座のようにデジタルを活用して「いつでも・どこでも学ぶことができる」という機会も近年増えています。
そこで今回は学びの手法の中でも「デジタルな方法」に着目して、効率よく情報を整理し学びを深めていくための Evernote 活用法をご紹介します。
電子書籍 × Evernote
収納スペースを気にせず、たくさんの本をどこへでも持ち運んで読むことができる電子書籍はとても便利です。代表的なものは Amazon の「kindle」ですが、使ったことがある方も多いことでしょう。
読書を仕事や生活に活かすためには「読書ノート」を作って、本からの学びを書き留めることがおすすめです。kindle と Evernote を使って「デジタル読書ノート」を作りましょう。
まずは、読んだ本のノートを Evernote に作成します。Web クリッパーの機能を使うと、Amazon のページをクリップする際には専用の形式を選ぶことができ、書影や本の要約などから、必要な情報を選んで簡単にノートが作成できます。

これで、メモを書き留めておくためのノートが作成できました。続いて、実際に本を読んで気になった部分を、このノートにメモしていきます。
kindle では、読書中に気になった箇所にハイライトを入れることができますが、「kindle cloud reader」 のページにアクセスすると、自分がハイライトした部分を一覧表示することが可能です。
コピーして先ほど作成したノートにペーストすれば、本のフレーズを引用して保存しておくことが簡単にできます。(※出版社による電子書籍への制限により、ハイライトした全文が表示されない場合があります。)

最後まで読み終わった後に、感想をメモしましょう。長文でなくても、数行の箇条書きでも構いません。本の内容を SNS で誰かに紹介するようなイメージで、自分の言葉で書くことがポイントです。

なお Kindle では、パブリックドメインの書籍が無料で配信されていますので、大人になった今だからこそ名作を読んでみるのもおすすめです。
オンライン講座 × Evernote
インターネットにつながるデバイスがあれば、どこでも授業を受けることができるオンラインの講座やセミナー。Schoo や Peatix などのサービスを使えば、仕事で使える実用的なものから趣味のものまで、多種多様なオンライン講座を見つけることができます。
オンライン講座からの学びと、さまざまな周辺情報を一緒に保存しておける学習ノートを、Evernote で作りましょう。
まずは講座が始まる前に、Web クリッパーの機能を使い、イベントページから講座の概要や講師の情報をメモしておきます。ページの中で、必要な部分だけを選択して保存することも可能です。

これで、講義メモを書き留めておくためのノートが作成できました。講座が始まったら、先ほど作成したノートに直接テキストのメモを打っても良いですし、手書きのメモを後でスキャンして保存しても良いでしょう。

スクリーンショットの撮影が許可されている場合は、スライドの画像を一緒に保存しておくのもおすすめです。
資料がデータで配布されたら、一緒に添付して保存しておきましょう。PDF データの場合、編集ソフトを持っていなくても Evernote の注釈機能を使ってデータに直接注釈を書き込むこともできます。
Evernote で「デジタル学習ノート」を作成する利点
Evernote を使って「デジタルな方法で学んだ内容をデジタルに保存する」ことには、次のようなメリットがあります。
まず 1 つ目は、整理がしやすいという点です。例えば、講座ごとにノートブックを作って複数回の授業をまとめたり、重要なキーワードでタグを付けたりして、整理が簡単にできます。

2 つ目は、後から振り返りやすいという点です。検索で簡単に見つけることができるだけではなく、「振り返って後から編集したり、新たな気付きを追記したりする」ことがしやすいのもデジタルなノートならではの利点です。
そして 3 つ目は、共有がしやすいという点です。例えば会社の補助を受けてセミナー受講などをした場合、共有ノートブックの機能を使えばチームメンバーと簡単に学びをシェアすることができます。また同じ講座を受講しているクラスメイトとノートブックを共有して、授業についてのディスカッションやグループワークの作業を行う場所としても活用できます。
2016 年にベストセラーとなり、「人生 100 年時代」という流行語も生み出した書籍・LIFE SHIFT では、長寿化する人生においては学生時代の学びだけでなく、大人になってからの学び直しや生涯学習が必要になると述べられています。
「新しい生活様式」の拡がりにより、日常生活や仕事だけでなく学習環境も大きな変化を迎えている現代。リアルな体験やコミュニケーションは学びにとって大切な要素であることは変わりありませんが、「デジタルをうまく活用して効率的に学んでいく」こともまた、これからの時代に必要となることでしょう。
深まりゆく季節とともに皆さんの「学びの秋」が実り多きものとなるよう、Evernote をぜひご活用ください。