やらなければならない事はたくさんあるのに、集中して取り組むことが難しいと感じるときは、もしかしたら「頭のなかのメモリがいっぱい」になってしまっているのかも知れません。
「メモリ」はもともと PC の部品のこと。同時並行でさまざまな処理を行う際に各作業の状況を「一時的に記憶する場所」としての役割があります。
メモリの容量に余裕があれば PC は処理をすばやく行うことができますが、作業の数が増えてメモリの空きが減ってくると徐々に動きが遅くなってしまいます。
さまざまなタスクを同時並行で行わねばならず、「あれもやらなければ」「これもやらなければ」と頭のなかでグルグル回ってしまっている状態は、PC が遅くなる「メモリ不足の状態」と似ています。やるべきことに集中するためには、頭のなかのメモリをうまく「解放」することが必要です。
そこで今回の記事では、Evernote を使って頭のなかにある「やるべきこと」を整理し、目の前に集中するためのヒントをご紹介します。
タスクを洗い出す
まずは「あれをやらなければ」と気になっているもの(タスク)を、いったん頭のなかからすべて追い出します。
Evenote で新しいノートを一つ作成します。そして、書き出したものを整理しやすいよう、書式バーで「チェックリスト」を設定します。設定したら、チェックリストへ思い付く限りのタスクをどんどん書き出していきます。

仕事とプライベートが混ざってしまっても構いません。また、この段階ではタスクの分類や細分化はまだ考えず、一人でブレインストーミングをするように、とにかく「頭のなかの気になることをすべて追い出す」ことに集中するのがポイントです。

Windows・Mac の 新しい Evernote では「ノートを展開」のボタンを使ってエディタを画面全体に拡げ、他の情報が目に入らないようにすることもおすすめです。

また、新しい Evernote ではスマートフォンからも同じ見た目で作業ができるので、オフィスや自宅から少し離れて、リラックスできる環境で書き出してみるのも良いでしょう。

タスクの優先順位を整理する
タスクの書き出しが終わったら、次は優先順位を整理します。Windows・Mac の 新しい Evernote のエディタでは、チェックリストをドラッグ&ドロップで移動できるので、順番を簡単に入れ替えることができます。

「今日やるもの」「今週やるもの」というように、見出しで区切って分類すると、見た目にも分かりやすく整理できるのでおすすめです。

タスクを実行できるように情報を付け加える
ズラズラと並んだタスクを見てしまうと、少し圧倒されて、いざやるべきときに手が動かしづらいかも知れません。
タスクを実行するべきタイミングが来たときにスムーズに手が付けられるように、そのタスクの「ファーストアクション」を設定しておくことをおすすめします。
ファーストアクションは、ごく簡単なものでも構いません。例えば、原稿を作成するなら「この Word ファイルを開く」といったものでも OK です。とにかく、手を付けやすくすることがポイントです。
参照すべきファイルやメモがある場合は、チェックリストにそのまま添付しておくと、ファーストアクションの代わりになります。
Word・Excel・PowerPoint などのデータファイルは、ノートに直接添付することができます。他にも、参照すべき Web サイトのハイパーリンクや、Evernote 上の別のノートへのリンク(内部ノートリンク)を添付することも可能です。

新しい Evernote なら、スマートフォンアプリでも内部ノートリンクの取得を簡単に行えます。

このようにして作成したノートには、自分がやるべきことがすべて書かれた「地図」のようなものです。
この地図を頼りにタスクを処理していくことで、「頭のなかでタスクを覚えておく」ということに意識の力を消費せず、「目の前のタスクを実行する」ということに集中できるようになります。
働き方が多様化する現代では、会社のなかで複数のプロジェクトに同時に携わる、あるいは、複数の企業で働く「複業」も珍しくなくなってきました。
さまざまな種類や粒度のタスクに自分で優先順位を付けて取り組んでいくことが、これからの時代にはますます必要となります。
そして私たちには、仕事で成果を出すだけでなく、家族との幸せな時間を過ごしたり、社会貢献活動をしたりするなど「成し遂げたい」と思うことがたくさんあります。これらは、言い換えれば「人生においての、やるべき大切なタスク」です。
自分が成したい人生を実現するために、皆さんが目の前の「やるべきこと」にフォーカスできるよう、Evernote がお役に立てましたら幸いです。