東海地区を中心に製パン業を展開し、大手喫茶店チェーンや高級ホテルに卸すなど飲食店からの信頼も厚い本間製パン株式会社。これまで IT とは無縁の会社だったという同社ですが、Evernote Business を導入したことで営業の効率やスピードが飛躍的に向上したといいます。Evernote によって起きた変化と、導入のポイントなどについて同社取締役 営業部長の佐伯信哉さんと営業部の星熊伸作さんに伺いました。
Evernote 導入以前は IT ツールに縁のないアナログな会社だった
――御社の事業について教えていただけますか。
佐伯:弊社の工場で作ったパンを東海地区の喫茶店チェーンやホテルなどに卸しているほか、ベーカリーの直営店やスーパーでの販売も行っています。珍しいところだとセントレア空港に発着する飛行機の機内食用のパンも、名古屋エアケータリング様を介して使用して頂いております。あとは、こだわりのパンを使ったラスクも作っています。
星熊:販売はオンラインストアでも行っているのですが、その中でも焼き菓子を中心とした商品は私が担当しています。
佐伯:パン工場では、弊社にしかない最新の機械や 25m 以上の大きさのパン焼き機を導入するなど、徹底したこだわりでどこにも負けない美味しさを追求しています。全国のみなさんにもぜひオンラインストアなどでお買い求めていただいて味わっていただきたいですね。

30 分以上かけてじっくりパンを焼く特注のパン焼き機
――Evernote との出会いを教えてください。
佐伯:中小企業の IT コンサルティングをしているカムサという会社の方から教えていただいたのがきっかけです。それまでの弊社は非常にアナログな会社で IT ツールといえばメールか、営業部が個人で使用しているグループ LINE くらいしかありませんでした。
――Evernote の第一印象はいかがでしたか。
佐伯:情報を大勢で共有しやすいツールだなと思いました。2017 年 12 月に開催された勉強会に参加して、Evernote について詳しく知ることができたのもあり、営業部全体で導入してみることにしました。同時に iPad と ScanSnap スキャナも使い始めました。
――戸惑いなどはありませんでしたか?
星熊:最初はどうやって使っていいのか戸惑った部分もありましたが、最初の勉強会のあとは自分たちで調べたり、 Evernote のサポートに聞いたりして、使い方を覚えていくことができました。
営業部全体で一斉導入したことで、良い競争も生まれたと思います。何より営業部のトップである佐伯がリーダーシップをとってくれたのが大きかったですね。一度覚えてしまうと Evernote の便利さがよくわかりました。

左)取締役 営業部長の佐伯さん、右)営業部の星熊さん
Evernote の情報共有で営業の効率が飛躍的に向上した
――最初はどんな使い方から始められましたか。
佐伯:会議の資料や日報、見積もりやカタログなどの紙資料をスキャンして保存することから始めました。これまでは外回りの営業が何か情報を確認するためにいちいち会社に戻ってきていたのですが、電子化して iPad で確認できる環境づくりを進めたことで、戻ることなく対応できるようになりました。たとえば外出中でも見積もりを見ながら電話対応ができるなど、業務のスピードアップにつながったと感じます。
情報を Evernote から入手できるようになり、会社に戻ってくる必要もなくなったので、社員同士のコミュニケーションが減るのでは……という懸念もありましたが、実際にはまったくの杞憂でした。むしろ Evernote に入れておいた情報を全員が共有しているという前提で話ができるので、打ち合わせなどの際にはより深いところから話ができるようになりました。
――Evernote で便利だと感じたのはどんなところでしょうか。
佐伯:打ち合わせをしながら Evernote でメモをとると、その場で書いたものがそのままスクリーンなどに映せたり、議事録になってクラウドで共有したりできるのは便利だと思いましたね。
星熊:ちょっとしたことを伝えるのに、これまでは電話する必要がありました。電話だと 1:1 のやりとりになりますし、出られないこともありますが、Evernote ならワークチャットが使えるのですばやく全員と共有できるようになりました。

iPad に保存した PDF の資料
星熊:iPad で Evernote を開いてお客様に資料などをお見せできるようになったのが良いですね。棚の並べ方のイメージを写真でお伝えしたり、PDF 化したカタログで具体的に商品を見ながらお話できるようになりました。また、売上報告をノートにリアルタイムで記入することで、これまで担当者しか把握できていなかった情報を全員で共有できるようになりました。
佐伯:情報共有が進んだことで営業の効率も大きく上がったと感じます。たとえば新しい喫茶店などができたら営業が回りますが、そのお店に行ったという情報を Evernote にメモして、さらに建物の写真なども一緒に入れておくことで、別の営業が同じお店を回ってしまうことがなくなりました。
お客様からの「ありがとう」の声をいつでも見られるようスペースに保存
――スペース機能もお使いいただいているとか。
佐伯:はい。「営業部」スペースでは連絡事項や営業資料などを保存しています。営業部で行っているイベントごとや、仕事に関係する新聞記事なども保存してすぐ見られるようにしています。
星熊:「部長決裁」スペースでは佐伯に急ぎで決裁してほしい事項を保存しており、コメントのやりとりだけで決裁できるようにしています。
佐伯:お客様からいただいた「ありがとう」の声も保存しています。弊社営業部には「全てはありがとうから」「私たちはありがとう創造集団であり続けよう」という理念があり、お客様からいただく声は何よりの励みになります。

お客様からいただいた感謝の言葉の一例
また、私たち営業はお客様から直接「ありがとう」と言っていただく機会もあるのですが、パンをつくっている工場の方はなかなかお客様と接点を持つことがありません。そこで Evernote に保存している「ありがとう」の声を A3 の紙にまとめて工場内に貼っています。パンをつくっている人間にとって、やはりお客様の声はモチベーションアップにつながるのです。
――その他、オススメの使い方があればぜひご紹介ください。
佐伯:部長の私とメンバーが一対一で共有するノートブックがあります。他の人には言いにくいことなどはそこに入れてもらって、確認しています。また、私自身、メンバー一人ひとりの情報を入れている「社員カルテ」を Evernote に作っています。
実は私たちが Evernote を使っていることに対して、他の部署でも興味を持っている人は少なくないようです。今後は Evernote の社内での活用をさらに拡大していきたいですね。
――ありがとうございました!