今でこそ当たり前となっている、モバイルデバイス向けサービス。シーエー・モバイルはスマートフォンが一般化する前から、モバイル向けに各種サービスを提供してきました。現在もさまざまなジャンルで複数のプロジェクトが並行して進んでいる中で、部署をまたいだチーム編成での情報共有を効率化するため、新機能「スペース」を中心に Evernote Business が役立っています。
必要な資料やナレッジの全社共有化ルールの確立が課題に
まだまだ PC でのインターネットサービス利用が主流だった 2000 年 5 月、新たな挑戦フィールドとして「モバイル」(当時はフィーチャーフォン)領域に特化したサービスのコンテンツプロバイダーとして創業されたシーエー・モバイル。
当初から「外出先や移動中にモバイルデバイスによってどのようなサービスが求められるのか、それらのサービスによって社会はどのように変化していくのか」をビジョンとしながら成長を続けてきました。現在はスマートフォンをベースとした占いやアーティストのファンサイト・メディアなどのコンテンツ事業、IT 関連企業への投資事業といったさまざまな事業を展開しています。

株式会社シーエー・モバイル 最高技術責任者 船ヶ山 慶氏
多岐にわたる事業の中で、以前から課題となっていたのが「全社を通して必要なドキュメントを残し、ナレッジを共有できる基本的なルールを確立すること」でした。そのためには、社内の情報共有をどれだけスムーズに進められるかが決め手になります。しかしシーエー・モバイルはこの点に課題がありました。
以前の情報共有環境について、最高技術責任者の船ヶ山 慶氏は次のように振り返ります。「仕事で必要なドキュメント管理には、個々が社内のファイルサーバやさまざまなクラウドサービスを利用していましたが、全社で統合利用するツールは特に決めていませんでした。議事録や各種資料はサーバに保存して共有し、社員同士のコミュニケーション手段もメールが中心だったため、相手が開封したのか否かを確認できないなど、全般的に情報共有の効率に優れている環境とは言えませんでした」
操作に関する質問はほとんどない。導入を後押しした簡便さ

IT 部門でのマニュアル管理
社内に散在する情報を集約し、情報共有を効率化するにあたって船ヶ山氏が考えたのが、“社員の誰にでも使いやすさを感じてもらえるツール” の導入です。そこで白羽の矢が立ったのが、もともとご自身も日常的に活用していた Evernote Business です。
「Evernote は私が以前所属していたサイバーエージェントでも利用者が多く、エンジニアでも営業でも違和感なく操作していました。こうした直感的な使いやすさは、業務を円滑に回す上で非常に重要です。ツールを使うために IT 部門にしょっちゅう質問が飛んでくるようでは本末転倒ですから。シーエー・モバイルでも以前から個人で Evernote を使っているスタッフがいたので、企業版の Evernote Business であっても導入の障壁は低いだろうと感じていました」と、船ヶ山氏は話します。
Evernote Business の運用支援を担当する IT 担当の竹岡 和彦氏も、「強制的に導入したわけではなく、使い方を理解している社員から徐々にユーザーが増えていったのですが、今では半数以上の社員が活用しています。しかし、使い方を教えてほしいといった質問はほとんどありませんでした」と、操作性の簡便さを評価しています。

株式会社シーエー・モバイル IT担当 竹岡 和彦氏
さらに社内サービスの基盤となる Google アカウント(G Suite)との連携の高さも IT 担当者としては嬉しい特長です。竹岡氏は「シーエー・モバイルではすべての社員が Google アカウントを所有して G Suite を活用しています。そのため退職時には Google アカウントを無効にするだけで自動的に Evernote Business へのアクセスも無効になるなど、情報管理の手間が省けます。SSO 認証(シングルサインオン)にも対応しているため、セキュリティ面での安心感があるのもポイントです」と、組織運営の面からも導入のメリットを感じています。
部署をまたいだプロジェクトチームの情報共有に力を発揮する「スペース」
シーエー・モバイルはシステム開発に関わるエンジニアチームやサイトのデザインなどに関わるクリエイティブチームのほか、広報や営業などに関わるビジネスチームに大きく分かれています。こうした異なるチームが一体となって、占いから芸能、音楽、ヘルスケア、スポーツ、医学、ユーティリティなど、さまざまなジャンルの Web サイト及びアプリを提供。そのため常に新たなプロジェクトが複数並行して動いています。
このような組織形態において力を発揮するのが、Evernote Business の新機能「スペース」です。メンバー、プロジェクト、アイデアを一カ所に集約できるスペースは、部署をまたいだプロジェクト単位での情報共有の効率化を加速すると言います。
船ヶ山氏は「弊社ではプロジェクト単位でスペースを作成して、必要なチームメンバーを招待しています。個々のスペースには、デザイナーやエンジニア、営業担当者など、さまざまな部署のメンバーが含まれていて、各メンバーが常に最新情報をアップして蓄積するようにしています。スぺースは、プロジェクトに関連する最新情報を、メンバー同士で常に共有するためのポータルサイトのような感覚で活用しています。特に、『更新したので確認してください』 という連絡が不要になり、情報共有特有の煩雑さから一気に解放されました」と話します。

スペースで部署間のやり取りをスムーズに
プロジェクトは進捗するに従ってメンバーの出入りが多くなります。当初は 3 人だった構成メンバーが、急に 10 人以上に増えたりなど、劇的に変化することも多いそうです。これまではメールなどを通じて変更点を各メンバーに共有していましたが、スペースならばそういった変化にも対応。このようなフレキシビリティも受け入れられている理由です。
部署をまたぐケースばかりでなく、チーム単位での作業もかなりスムーズになりました。エンジニアチームでは、システム管理の手順書やシステム移行のフローなどを保存し、チームでの情報共有に役立てています。クリエイティブチームでは議事録のほか、デザイン関係の記事を Web クリッパーを使って保存。広報チームでは取材メモや社内用 SNS に投稿する記事のドラフト、記事のクリッピングなどに活用しています。
Evernote Business は社内を発展させる“インフラ”
どのように Evernote Business を利用するのかに関して、シーエー・モバイルでは特に具体的なルールは決めていません。大まかにノートブックの命名規則などを決めておき、情報共有を始めるにあたって読んでおいてほしいことをまとめたノートが作られています。例えばノートブックの名前は、連番に続いて 部署、サービス、会議名という順で並べるなどで、サンプルのノートを作っておくと社員がそれを参考にしてくれるそうです。
「私は普段から “Evernote Business を使うことを頑張らないでほしい” と伝えています。筋道立ててきれいに書く必要もなく、頭にあ るイメージをそのまま書いてもプレゼンテーションモードにすればキレイに見えますし、強力な検索機能で必要な情報にもすぐにたどり着けます。Evernote Business はフォーマットが自由なので、使い方も人それぞれです。もっと便利な使い方があればどんどん自分たちで発見して、自然と文化形成が進めばいいと思っています。そう考えると自由な社風のシーエー・モバイルにとって、Evernote Business は インフラのような存在であると言えます」と話す船ヶ山氏。
型にとらわれない活用術は、まさに 1 つの理想形です。組織を横断した柔軟な情報共有こそ、イノベーションのきっかけとなります。Evernote Business に蓄積された情報から、シーエー・モバイルの新たなサービスが生まれることに期待しましょう。
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