プロジェクトを進める際の情報を集約できる Evernote Business のスペース機能。イベント・マーケティングの専門会社である株式会社 George P. Johnson では、このスペースを新卒の採用活動にお使いいただいています。採用活動をスムーズに進めるための Evernote Business 活用法について、同社の松永真太郎さんと岡田悟さんに伺いました。
新卒採用でスペース機能を活用
−−Evernote Business の新機能「スペース」を業務にご活用いただいているそうですね。
松永:主に新卒の採用活動に活用しています。採用活動では面接を何度も行いますので、一次面接、二次面接と進んでいくにつれて情報がどんどん増えていきます。それを必要な人にリアルタイムで共有しなければいけません。一方で個人情報でもありますから、社内で広く共有するというわけにもいきません。
これまではそうした情報を紙に印刷して担当者に渡すか、データを添付してメールするという方法で共有していました。しかし、情報はどんどんアップデートされていきますから、そのたびに印刷したりメールしたりというのは手間がかかりすぎると感じていたのです。
−−たしかに毎回、その作業が発生するのは大変ですね。
松永:そんなときにスペース機能の存在を知りました。新機能ですが、すでにサンプルスペースが用意されていたので同じようなやり方をして見ようと思いました。操作が簡単なので、すぐに慣れることができましたね。
−−実際の使い方を教えていただけますか。
松永:スペース内に作ってあるノートブックは「説明会」「一次選考」「二次選考」「選考漏れ」「辞退」など、選考の段階に分けており、その中に応募者の情報をノートにまとめて入れています。この応募者ノートを、選考の段階に応じて移動していくのです。
説明会に参加した応募者はまず「候補者」ノートブックに入れておきます。選考段階に進んだらノートブックを「一次選考」に移動し、二次面接に進んだら「二次選考」に移動、もし選考に漏れたら「選考漏れ」に保存しておくといったやり方で整理しています。
こうすると、”応募者が今、どの段階まで進んでいるか”がひと目でわかります。Evernote Business のノートブックを使っても同じようなやり方はできますが、スペースを使うと「新卒採用」というプロジェクトに関する各ノートブックを一箇所で俯瞰して確認できるのが良いですね。また、ノートに入れておいた応募者の顔写真がサムネイルになって並ぶので視認性がすばらしいです。ザーッとノートを探すときって、文字よりも写真の方がわかりやすいんですよね。
スペースを見に行けば必要な情報はまとまっている
−−応募者のノートにはどんな情報を入れてあるのですか?
松永:応募者に関する基本的な情報のほか、面接の担当者が応募者について受けた印象などを書き込んでいます。また、ノート内には別のクラウドで管理している書類ファイルへのリンクも張っていますから、その人の情報がすぐに確認できます。
たとえば A さんの二次面接を担当する場合、これまでは人事担当者から A さんの情報を紙で手渡しか、メールに添付して送ってもらうしかありませんでした。もし送られてきていなければ、人事担当者に「A さんの情報を送ってください」と伝えて送ってもらう手間がかかります。
スペースを使えばそうした問題は出ません。なぜなら、A さんの情報はスペースの「二次面接」ノートブックに入っているからです。ノートを開けば一次面接での A さんの印象も書き込まれていますし、各種書類も A さんの顔写真もノートから見ることができます。人事担当者と何度もやり取りをする必要はありません。スペースを開けば、必要な情報はそこにすべてまとまっているのです。
−−面接の情報はどんなものをノートに入れているのでしょう。
松永:面接の内容は、多くの場合 Evernote の音声録音の機能で記録し、そのままノートに保存しています。これはすばらしい機能ですね。今までは紙のノートに話した内容を必死にメモをしていたのですが、面接とメモを同時進行で行うのは大変ですし、簡単に記録が残せるのは助かります。それに、次の面接担当者が録音を聞くと、まだ会っていなくてもどんな雰囲気の方なのかよくわかるんですよ。
もちろん、レコーダーを使ってもいいのですが、PC に音声ファイルを取り込む手間がありますよね。その点、Evernote の録音機能を使えば、録音ファイルが自動的に応募者のノートに貼り付けられますから、わざわざファイルをエクスポートして貼り付けるといった必要がありません。
−−スペースの固定表示には何を表示していますか?
松永:面接で聞く質問のフォーマットや、応募者の方に受けていただくテストのフォーマットなどを置いています。とにかくスペースさえ見れば採用に関する必要な情報がまとまっているという状況を作ることができました。

※ インタビューでお話を伺った松永真太郎さん(左)と岡田悟さん(右)
加えて、こうした情報を残しておくことで、入社後に「入社の経緯や当日のやり取りを確認したい」と思ったら、すぐに参照することができるようになりました。入社後も情報を活用できるのが良いと思います。
入社後の研修レポートを各部署で共有
−−採用以外ではどのようにご活用いただいているのでしょうか。
岡田:採用した後の社員研修は私が担当しています。新入社員の場合、研修期間は 2 ヶ月。そのうち 2 週間ずつ各チームを回ってもらいます。研修中は毎日レポートを書いてもらい、それを Evernote に保存しています。レポートは雛形を作って、同じフォーマットで記録してもらうようにしています。
このノートブックは各部署の研修担当者に共有しており、レポートがアップされたら担当者がそのノートに所感を書き込みます。ノートは他部署の人も見ることができるので、翌日自分のところに来る新人さんがどんな人でどんな仕事ぶりなのかといった事前情報を確認できるのです。
−−ということは新入社員一人ひとりのノートブックがあるわけですか?
岡田:そうですね。A さんというノートブックがあり、その中に 1 日ごとの研修レポートノートができていくわけです。研修期間はぜんぶで 2 ヶ月あるので、最終的に 60 ノートほどになります。
−−ちなみに研修が終わるとそのノートブックはどうなるのでしょう。
岡田:研修後は公開を停止することもできます。どうするかは本人に任せていますね。ただ、削除はせずに残しておくと、後から見たとき自分の成長の軌跡が見えて面白いようですよ。
Word や PDF の中身まで文字検索できるのが便利
−−Evernote Business のどんなところが便利だと感じますか?
松永:採用プロセスにおいて、写真、経歴、持っている資格などの情報はまずメールで送っていただくんですね。それをまとめておく必要があるわけですが、Evernote は形式が自由で様々なファイルを一つのノートで管理できるのが重宝しています。面接時の録音ファイルも同じノートに保存しておけますし、応募者に関する情報を探し回る必要がなくなりました。
岡田:私は本職がプランナーなのですが、アイデアを思いついたときにスマホですぐ記録できるツールとして重宝しています。あとは、気になる記事を Web クリッパーで保存することもあります。検索すると昔のアイデアが偶然出てきたりして、そこから気づきを得ることもありますね。
松永:Evernote は何より検索が良いですよね。
岡田:ええ。Word や PDF の中身まで文字検索できるのには驚きましたね。必要な情報が検索で探しやすいのが助かっています。
−−ありがとうございました!