これまで Evernote 日本語ブログでは、たくさんのユーザーの方に Evernote の活用方法を伺ってきました。では、そんな Evernote 日本法人で働く社員自身は、どんな風に Evernote を使っているのでしょうか。今回は Evernote Business 担当の増田 良平の活用法をご紹介します。
「お客様の情報をノートにまとめておけば Salesforce から見ることができて便利です」
――Evernote Business を担当されている増田さんですが、やはりお仕事で Evernote を使われることが多いのでしょうか。
増田:そうですね。仕事で使うことが多いです。
――ぜひ具体的な使い方を教えていただけますか。
増田:Evernote Business を担当するという仕事柄もありまして、導入を検討されているお客様とお話した内容などで気になることを Evernote に入れています。Evernote は Salesforce と連携できるので、お客様のウェブサイトや、会話内容で留意しなければいけないこと、気にされていること、競合製品の情報などをノートに集約しておき Salesforce 側から参照しています。お客様によっては、営業をかけても「一ヶ月後にまた連絡してほしい」と仰ることもあります。正直、一ヶ月たつとお客様に関する情報が薄れてしまっていることも多いですので、そういうときは Evernote に蓄積しているノートを見て記憶を取り戻すことにしています。
――お客様との商談内容はその場でメモをとるのですか?
増田:そうですね。それ以外にも、お客様に OK していただければ、録音でも議事録を残すようにしています。また、業務を少人数で行っていますので、雑務なども発生します。それらは Evernote を使ってタスク処理しています。
今日の日付でノートにタイトルをつけ、やり残していたことややらないといけないことをチェックボックスをつけて入れておき、終わったらどんどんチェックボックスを埋めていきます。また、メールなどで頻繁に使う文章などはテンプレート化しておき、これも Evernote に保存して必要なときに取り出せるようにしています。
――なるほど。ところで、意外にノート数は多くないのですね。
増田:連携機能を使うとどうしてもノート数がたまり、ノイズが増えてしまいます。これは Evernote Business ならではのやり方なのですが、私はお客様に紐付いているノートブックでノートが増えたものに関しては、参加を解除することにしています。見ようと思えば、Salesforce 上からは見られます。また、必要に応じて Evernote Business からも参加解除したノートを見ることはできます。
こうすることにより普段自分が見ている Evernote 上のデータは制限することができ、自分が参加していない情報でも必要に応じて確認することができます。
「お客様からいただいた言葉などを始業前に見て気持ちを高めています」
――他に仕事関連でよく使うノートブックはありますか?
増田:自分なりのやり方ですと、「仕事をする前に」というノートブックを作っています。仕事でミスしたときやお客様からいただいたお言葉などをノートに書いて Evernote に入れておき、始業前に見て気持ちを高めるようにしています。ただ、叱責の言葉だけを見ていると気分が落ちるので、お褒めの言葉なども入れるようにしています。また、仕事以外でも人に言われて腹が立った言葉や鼓舞された言葉などは「鼓舞」というノートブックに入れておき、カンフル剤的に使っています。気持ちが引き締まりますよ。
――営業ですとプレゼンをする機会も多いと思いますが、Evernote をどのように活用されていますか?
増田:Evernote のプレゼンテーションモードを使っています。その際、提案資料を Keynote で作成し、Evernote に入れておくのですが、Mac ですとプレゼンテーションモードからノートを PDF に変換して保存できるのです。それをお客様と共有することが多いですね。もちろん Evernote でそのまま共有してもいいのですが、PDF の方が好ましいことも多いので。
――Windows ならではの使い方はありますか?
増田:インポートフォルダ機能が便利ですね。ローカルフォルダと連携できるので、ファイルをひとつずつではなく一気に吸い上げることができます。私は自宅の PC の情報をローカルフォルダに入れておき、それをインポートフォルダにすることで一気にアップするというやり方をしています。
就業や契約関係の情報を記録しておく「ダーマ神殿」ノートブック
――ぜひ仕事以外の使い方も教えてください。
増田:「プライベート」というノートブックを作って、気になったお店の情報を入れておいたり、「Want」ノートブックに自分が欲しいもののページをクリッピングしたりしています。欲しいものを見つけたら、妻にワークチャットで共有して買ってもいいかどうかを確認します。家庭内上申ですね(笑)。その他、子どものチャイルドシートの取扱説明書や、出生届、子どもが作った作品を写真に撮ったりスキャンしたりして入れていますね。
――「読書ノート」というノートブックも気になります。
増田:これは読んだ本の気になるところをドキュメントカメラで撮って入れているノートブックですね。情報をものにするためには反復学習が一番いいのですが、私は性格上、一度読んだコンテンツはもう読まないことがほとんどなのです。そこで、一度読んで気になった箇所はこういう形で残していますね。
――「darma」というノートブックのタイトルにはどんな意味があるのでしょう。
増田:これは「ダーマ神殿」(RPG「ドラゴンクエスト」に登場する転職の神殿)のことです(笑)。名前の通り、就業関係の情報や契約に関する情報などを入れています。Evernote に入る前、転職活動時の面接で受けた質問なども記録しています。
――面白いですね。これは後から見返して活用することも?
増田:ある意味、自己分析ですから、お客様に自己紹介するときなどに使えるんですよ。あとは一応残しておきたいという、記録的な意味合いですね。
――Evernote ならではの便利さは、どこに感じていますか?
増田:やはりマルチプラットフォームで使えることですね。デスクトップだけでなくモバイルでも使えますし、オフラインノートブックで電波が入らなくても使えます。たとえば提案資料を PDF で Evernote に入れておき、帰りの電車でスマートフォンと Skitch を使って注釈を入れ、自宅で同じ資料を開いて注釈に従って修正する……といった流れで効率よく仕事することができます。それから、妻と共有するときも特別な説明なしで使ってもらえているので、そういう手軽さもいいですね。