お知らせ

Evernote カンファレンスレポート

MG_0471

9月26日、27日の2日間にわたって開催した Evernote カンファレンス(EC3)。会場は昨年と同じ、アメリカ・サンフランシスコデザインセンターですが、今年は会期を倍増したこともあり、より多くのお客様にお越しいただきました。当日の様子を写真とともにレポートします。

reception

100年スタートアップ企業 Evernote の成長

マーケティング担当のアンドリューの司会に続いて CEO フィルが登壇。

まずは数値に関する報告やこの1年の成長に関して。この6月にEvernote のサービス開始から5年を迎え、ユーザ数は 7,500 万人に増加。100 万人以上のユーザがいる国が16カ国、全世界で8つのオフィスに330名の従業員を持つまでに成長しました。reddot design award、Apple Design Award という栄えある賞も受賞。

ここ数週間でリニューアル、リリースされた製品についても触れました。

slide.033

ペーパーレスはゴールではない

手書きアプリ Penultimate では、素晴らしいエクスペリエンスを提供できる最高のスタイラスを作るため Adonit とパートナーを組み、Jot Script Evernote Edition Stylus を開発。セットアップも簡単で、バッテリーも長持ちのスタイラスペンは 10 月から出荷開始予定と発表しました。

紙をなくすことが目標なのではなく、エクスペリエンスが重要であると強調するフィル。ソフトウェア以外の「ものづくり」は、昨年 Moleskine とのパートナーシップから始まり、今回「Evernote ジャーナル」など数種類のノートが Moleskine のラインナップに追加されています。

さらに Evernote にとって「ヒーロー」とも言える憧れの製品である、ポスト・イット® ノートとのパートナーシップを発表。新しい Evernote for iPhone・iPod に搭載されたポスト・イット® ノートカメラで撮影するだけで、形・色を認識、位置情報・時間も記録できるように。色によってタグをつけたり特定のノートブックに保存したりと設定も変えられます。

パートナーと Evernote Market

続いて Branded Product 担当のジェフが登壇し、Evernote のパートナーとのコラボレーションにおける5つの考え方を挙げました。

  1. フィジカルなものにデジタルな機能。例えば Moleskine や今回発表したポスト・イット® ノートのような製品。
  2. ライフ・ワークバランス。仕事だけでなく生活全般で使うことができる、Côte&Ciel のバッグなど。
  3. 世界中からの掘り出し物。Evernote には 7,500 万人のユーザがいるおかげで、世界中の素晴らしい製品を知ることができる。日本の abrAsus の良質の財布のように。
  4. 生活に必須の製品に、少しずつの改善。ほんの少しの改良でも毎日使うことで日々の生活に大きなインパクトを与える、例として日本の abrAsus の鞄が挙げられる。
  5. ソフトウェアとハードウェアをあわせてデザイン。Adonit のスタイラスが良い例。

ここで PFU の長谷川社長が登壇し、この5つを具現化した製品として ScanSnap Evernote Edition をアナウンス。ハードウェアのカスタマイズにも Evernote は深く関わりました。名刺を読み取って LinkedIn の情報を参照したりもできます。最後にこれらの Evernote 選りすぐり製品を集めたオンラインショップ「Evernote Market」を紹介しました。

MG_1094

キーノートに続き、連携製品の開発コンテスト「Devcup」ファイナリスト 6 組の最終プレゼンが行われたところで1日目の午前の部が終了。午後は2つのステージに分かれてのセッション、そして数多くのワークショップが開催されました。開発者向けの内容から、Evernote アンバサダーによる Evernote の活用例まで、幅広い内容について語られました。クロージングセッションでは、「MAKERS-21世紀の産業革命が始まる」の著者クリス・アンダーソン氏が登壇。ドローンを使った先進的な農業についての講演で幕を閉じました。

market

Evernote for Work | ライフワーク

2日目のキーノートは、1年でダンスを習得するという目標を立て、それを実行したKaren Chengさんがまず登壇。仕事をしながらのチャレンジのため、プロと比べたら練習する時間も絶対的に短いなか、ダンスクラスでもらったアドバイスを Evernote にどんどん記録していったそうです。そして、その成果であるダンスを観客の前で披露してくれました。

続いてフィルが登壇。この世界は現在ナレッジワーカー(知識労働者)によって回っているといって過言ではないという話から始まりました。Evernote は外部脳、あなたの生活をもっとスマートにすることを目指す「AI 企業」だと自認しています。AI といっても「人工知能(Artificial Intelligence)」ではなく、「拡張された知能(Augmented Intelligence)」です。みなさんよりもスマートになることでなく、みなさんがよりスマートに暮らすお手伝いをすることが私たちの目標です。

例として、先行入力検索、関連ノートの表示、スマートタイトル、PDFやオフィス文書の検索、Evernote Food でレシピを見つけ出す機能に使われる内容のカテゴリ化、さらにEvernote for iOS 7で採用した、先行予測デザイン(使おうとしていると思われるタグやノートブックをホーム画面で表示する機能)などがあり、今後も増える予定です。

Evernote Business は昨年発表してから9ヶ月の間に 7,900 社もの企業でご利用いただくサービスに成長。情報を多く取り扱うMailChimpのような会社の他にも、投資会社のGlynn Capital、バイクのDucati、フィルお気に入りの北京ダックレストランでも使われています。

飛行機では「ビジネスクラス」=「よりよいサービスを受けることができる」という認識だと思いますが、ソフトウェアの世界では逆に、ビジネス用製品は使い勝手が悪かったり、見た目がイマイチなのが現状です。ですが今回発表した Evernote Business 2.0ではプロフィール画面で顔写真がないとき代わりに表示されるイニシャルアイコンにこだわるなど、今までのビジネスソフトウェアにはない優れたデザイン、使い勝手を追求しました。機能面においても、検索したトピックに関して担当者や社内の詳しいと思われる人5名が表示されるなど、生産性を高める機能が数多く追加されています。

初日にもたくさんのインスピレーションを与えてくれる会社との協業について発表しましたが、この日はEvernote for Salesforceを紹介。Salesforce アカウントと連携して、見込み客についてより多くのことを学習できるようになります。時間を節約し、コミュニケーションが円滑化され、効率的に売り上げ成績を伸ばせます。

この後Salesforce.com CEO マーク・ベニオフ氏とGigaOMの創設者オム・マリク氏との対談が繰り広げられました。

MG_0471

2日目も多くのセッションが開かれ、クロージングセッションではGTD(Getting Things Done)の提唱者であるデビッド・アレン氏が登壇し、ナレッジ・ワーカー・ニンジャになるための5ステップについて講演。

カンファレンスの最後は、Devcup の優秀賞の発表です。金賞は Evernote に保存したノートから簡単にブログを作成できるツール「Postach.io」のチームが受賞し、2万ドルの賞金が送られました。銀賞は「Context Booster」、銅賞は「Biscuit」に贈られました。

2日間の会期を終了した後のお楽しみはアフターパーティ。今年もたくさんのゲームが設置された会場では、エアホッケーやバスケットボールを楽しむ人々、フードトラックの食べ物を楽しむ人々など、和気あいあいとした雰囲気が会場を包んでいました。

たくさんのみなさまに支えられ、今年の Evernote カンファレンスも無事終了することができました。来年もぜひお楽しみに!

Evernote Personal でノートをアップグレード

Personal に登録