使い方と事例

「クラウド導入で働き方が変わる」― イベントレポート

3 月 16 日、福岡にて Everote とシステムフォレストによる共催イベントを開催し、IT 政策やクラウドで実現する地方創生をテーマに講演やパネルディスカッションを実施しました。

5 部構成で行われた今回のイベント、まずは「これからの IT 政策について」と題して、衆議院議員であり自民党 IT 戦略特命委員長である平井たくや様にご講演いただきました。また、第 2 部では、「地方創生を支援するクラウトサービスとワークスタイルのイノベーション」と題して、株式会社セールスフォース・ドットコム 取締役社⻑兼 COO 川原均様にご登壇いただきました。

クラウドの導入で日本の生産性を引き上げる

第 3 部では Evernote 日本法人代表 井上健より、「日本の生産性を引き上げる」をテーマにした講演を行いました。

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井上はまずクラウドワークスやランサーズなどを例に挙げながら、「働き方はすでに変わっている」ことを強調。特に米国では労働人口の 3 割をフリーランサーが占めていると述べ、「この流れは止められない」と主張しました。

そんな中で、個人利用が中心だったクラウドサービスを企業でも使ってもらうにはどうすればいいのか。実例として井上が提示するのは、品川女子学院での Evernote Business 導入事例です。

品川女子学院で Evernote Business を使っていただくにあたり、Evernote 社としては「シラバスを生徒や保護者に共有する」「添削物のスキャン、資料作成、教員間の連携」といった内容を想定していました。

ところが、実際に生徒にも自由に使っていただいた結果、「クラスの自由帳」や「部活・生徒会のノウハウ伝承」、「学祭・体育祭のプロジェクト管理」「授業ノートの自主的な共有・試験対策」「グループ課題の完全オンライン管理」など多彩な使いこなしを実践し、大人を驚かせたのです。

この事例から井上は「女子高生の IT 力は我々おじさんよりもはるかに上である」とコメントして笑いを誘うと共に、先進的な IT 導入で知られる千葉県袖ヶ浦高等学校の永野先生の言葉を紹介しました。

「学校から一歩出れば、何にでもアクセスできる。教師としては、規制するのではなく、これらにどのように向き合うべきかを指導したい。一生使うことができるサービスこそを、生徒に利用してほしい」

では一般の企業への IT・クラウドサービスの導入の現状は、どうなっているのでしょうか。

井上はまず世界各国の生産性グラフを提示し、「日本の生産性は先進国で最低である」と指摘。その理由として、「多くの日本企業は IT・情報システム投資の重要性を認識していない」ことを挙げます。「日本の IT 投資の中心は”コスト削減”か”セキュリティ”であり、生産性向上のための戦略的な IT 投資はまだまだ少ない」(井上)

コスト削減やセキュリティだけでなく、職場を働きやすくし、ストレスを下げてやる気を引き出すことがクラウドサービスの役割であり、会社のパフォーマンスに直結すると語った井上。具体的な事例として、Evernote Business を導入いただいている数多くの企業・団体から、山形県飯豊町観光協会、能美防災株式会社、株式会社航和の事例を紹介しました。

Evernote Business を導入いただいている企業・組織からは、マルチデバイス対応による利便性や、スマホ・タブレットとの親和性、非構造化データを一元管理できることや検索性、「データ保護に関する三原則」をもとにした高度な情報セキュリティなどが評価されています。

最後に、Evernote から発表を行いました。今後の日本国内での販売強化のため、世界で 2 社目となる販売代理契約を、システムフォレスト様と締結しました。

地方から実現する新しいハタラキカタ

続いて、第 4 部では「地方から実現する新しいハタラキカタ」と題し、株式会社システムフォレスト 代表取締役 富山孝治様にご登壇いただきました。

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システムフォレストは、クラウドサービスの提供や導入支援、定着化支援などを行っている企業。富山様はまず、現在の中小企業を取り巻く環境について「地方経済・商圏は縮小傾向にある」と述べ、特に人材問題が深刻化していると問題提起されました。

人材が不足するということは「一緒に働く社員の成長が求められる」ことだと富山様は言います。システムフォレスト自身、リーマン・ショックをきっかけにクラウドサービスを取り入れ、経営の可視化を実践。3 拠点にエリア展開したり、営業の育成や適切なマネージメントを通して商談状況の”見える化”を図ったりしてきたということです。

しかし、一方で地方では、クラウドサービスを販売する事業者もなかなか販売コストをかけられなかったり、パートナーが育っていなかったり、導入のコストメリットや活用方法がうまく顧客に伝わらなかったりといった理由で、企業にはなかなかクラウドサービスの普及が進んでいないのが現状です。

そんな中、富山様は「まち・ひと・しごと創生」をキーワードに掲げ、クラウドにより地方創生を目指していくと強調。地域のパートナー企業とグローバルな IT 企業が連携をとり、クラウド活用で新たなワークスタイルを提案。東京など大都市の優秀な人材を引きつけることで、新たな雇用を創出していくと意気込みを述べられました。

一つの例として紹介されたのが、深野酒造株式会社です。クラウドサービスを取り入れ、生産性を向上させてきた深野酒造の専務取締役・深野様によると、「小さな会社でも地方にいても、都会の大企業と同じように仕事ができる。それがクラウドの大きな魅力」とのことです。

しかし、そうはいってもなかなかクラウドサービスは浸透しないのが現状。そこで富山様が注目するのが、Evernote Business です。顧客中心でデータ分析が中心のセールスフォースと、個人の使い方の延長線上で使えて、アイデアや知の共有・新たな発見をもたらす Evernote Business を組み合わせることで、構造化されたデータと非構造化データの双方を効果的に活用可能になり、お互いのメリットを最大限享受することができるのだと富山様は言います。

また、今年の 4 月には、iPhone 3G や Twitter、Facebook、LINE といったデジタルツールを 10 代の頃から使いこなしてきたデジタル世代が新入社員として入社してくることに触れ、「紙で日報を……とか言っている企業が、若い子にどう映るか考えて(笑)」と会場を笑わせました。

クラウドとパートナーによる地方活性化

第 5 部では、株式会社セールスフォース・ドットコム 取締役社⻑兼 COO 川原均様、株式会社システムフォレスト 代表取締役 富山孝治様、株式会社テラ・ウェブクリエイト 代表取締役社長 寺田克彦様、株式会社エム・エス・アイ 執行役員ソリューション推進本部長 宍戸秀雄様にパネリストとして参加いただき、「クラウドとパートナーによる地方活性化」と題したパネルディスカッションを行いました。

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まずはクラウドの良さについて、セールスフォースの川原様から「クラウドは、使っているお客様も提供させていただいた私たちも、そしてお客様の先にいる本当のお客様も三者が皆喜ぶもの。プロモーション用の動画でも社長さんが出ていただけることが多いが、サービスを導入して本当によかったと喜んでいただけているから出てくれる」とのコメント。

では、具体的にどういった効果が出たことで喜んでいただけているのか。エム・エス・アイの宍戸様は、東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市の海産物加工会社を例に挙げ、「PC や台帳などがすべて津波にさらわれ、仕事の根幹がなくなった。会社に資産を置くのが怖いということになり、クラウド導入のきっかけになった」ことを紹介。不幸な出来事ではあったものの、その後クラウドを導入したことで業務が改善し、喜んでいただけたのだそうです。

こうした例は他にも枚挙にいとまがありません。たとえば、とある保険会社でも契約書が流され、顧客情報が紛失してしまったといいます。本店にはデータがあるのに、現場の代理店に共有できないという状態が続き、なかなか保険金が支払えなかったのだとか。そこで、データをクラウド上で共有することで事態が解決。このやり方が金融庁に着目され、現在では損害保険会社へのクラウド導入が進んでいるとのことです。

少しずつクラウドの導入が進みつつある点については、セールスフォースの川原様も同意します。川原様は総務省で地方創生に向けた勉強会を行っているのですが、全国では数十兆円ものシステム費をかけているにも関わらず、既存のシステムの改修しかできていないとのこと。そこで、今後はすべてクラウドに移行し、どうしてもクラウドでできないものだけ自治体が予算をかけてシステムを構築しようという動きが始まっているそうです。

テラ・ウェブクリエイトの寺田様とエム・エス・アイの宍戸様もこれに賛同。特に人の少ない中小企業こそ、「アイデアひとつで中小企業でも色々な戦い方ができる」(寺田様)のだといいます。

最後にセールスフォースの川原様が、「イノベーションは会社ではなく、個人一人ひとりが起こしていくもの」とコメントされ、パネルディスカッションを締めくくりました。

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