使い方と事例

思いつきを行動に移すための準備の手順

私たちは、ネットワークを通じて日々たくさんの情報を受け取っています。
日常を心豊かに過ごすための知恵。仕事を効率よく行うための工夫。いつか訪ねてみたい雄大な景観。その中には、見たこともない新しい発見や、素晴らしいアイデアとの出会いもあることでしょう。

そうしたものと私たちが出会ったとき、「これが実現できたら、どんなに素敵だろう」と思いながらも、実際に行動を起こすことには、大きなハードルを感じてしまいます。
「いつか、そのときが来たら」そう思いながらも行動は起こされず、アイデアはアイデアのまま流れていくばかり。では、実現に向けて行動を起こすためには、いったいどうすれば良いのでしょうか。

「ものごとを成し遂げる」ための時間管理手法 “Getting Things Done” の提唱者であるデビット・アレンは、著書・ストレスフリーの整理術の中で、「行動こそが管理すべきもの」であると述べています。
そこで今回は、Evernote を活用して「思いついたアイデアを、実際に行動に移す」ための具体的な管理手法をご紹介します。

STEP 1:アイデアを一カ所に集める

目の前にあるアイデアがどれだけ素晴らしかったとしても、今すぐにその実行に向けて行動が開始できるとは限りません。
仕事やプライベートで他のやるべきタスクを抱えていたり、実行するにしても準備が必要であったりすれば、時間と場所を改めて行動を開始しなければなりません。
行動を起こすための第一歩は、アイデアをいったん頭の中から追い出して、後から見返せるように一カ所に集めておくことです。
まず、Evernote にアイデアを溜めておくための箱=ノートブックを作ります。今回は「01. Inbox」(インボックス=受信箱)という名前を付けました。

活用のヒント:Evernote の左サイドバーでは、ノートブックは「名前の数字・アルファベット順」に表示されます。ノートブックの名前の先頭に「01、02、03…」のように数字を振っておくことで、表示の順番をお好みに合わせて調整することができます。

「01. Inbox」に、思いついたアイデアのメモを保存していきます。。手書きのメモや雑誌の切り抜きなどはドキュメントカメラ機能でスキャンして保存しましょう。インターネット上の情報であれば、Webクリッパー機能を使って、簡単に保存することができます。

アイデア=メモを一カ所に集約することは、実際に行動を起こすための大切なファースト・ステップです。しかし、それだけでは、いずれ「01. Inbox」が実行されないアイデアで溢れてしまいます。そうならないように、次のステップへと進みましょう。

STEP 2:アイデアに意味づけする

溜まったアイデアを行動に移すための次のステップとして「01. Inbox」に溜まったアイデアのノートを見直しましょう。
溜まったアイデアの一つ一つについて、「このアイデアは、どんなことに使えそうか?なぜ、このアイデアを保存しようと思ったのか?」をメモとして付け加えます。アイデアに対して、自分なりの「意味づけ」を行うのです。

意味づけが終わったノートは、「02.アイデアボックス」というノートブックを作り、移動します。

もし「一度保存はしたけれど、意味づけをしようとしたら、それほど大切なアイデアではなかった」というノートがあった場合は、この時点でゴミ箱に移動しましょう。

この見直し→意味づけは、例えば「2 日に 1 回、数十分」というように、短くても良いので定期的に時間を設けることをおすすめします。
アイデアを保存してから時間が経ち過ぎてしまうと、「なぜ、このアイデアをストックしたのか?」が思い出せなくなってしまい、そのアイデアを取っておくのか、捨てても良いのかが判断できなくなってしまいます。また、あまりに多くアイデアが溜まり過ぎると、見直し自体も大変になってしまいます。
短くても良いので時間を作り、「01. Inbox」のノートブックを定期的に空っぽにすることがポイントです。

STEP 3:行動のタイミングを決める

アイデアを行動に移すための次のステップとして、STEP 2 で「02. アイデアボックス」に移したアイデアを、行動するタイミングによって仕分けしましょう。
仕分けのために、ここでは次の 4 つのノートブックを用意しました。

03.すぐ行動できるもの

すぐに実行可能なアイデアは、このノートブックに移します。例えば「会社ですぐにでもできそうな、業務効率化のアイデア」などです。
もし、「毎週月曜日の定例ミーティングのとき」のように、具体的に行動するタイミングが決められる場合、リマインダー機能を使って日時を指定しておくと、その時間に思い出せるように通知することができます。

04.いつか行動するもの

「今すぐ行動には移せないが、いつか実行したいアイデア」は、将来の行動の選択肢として検討できるよう、このノートに移します。例えば、「いつかバカンスで訪れたい素敵な場所」というような情報です。

行動するか否か、検討すべき時期が来たときに思い出すことができるように、このノートにもリマインダーを設定しておきます。
先ほどのバカンスの情報であれば、「次の夏の旅行で検討ができるよう、来年の 5 月に通知するよう設定する」というような具合です。

ポイントは「仮でも良いので期日を決めて、リマインダーを設定しておくこと」です。期日が定まっていないと、いつまでもノートブックに残り続けて、いずれ実行されないアイデアでノートブックが溢れてしまうことになります。
仮の期日が来て「やはり実行ができない」という場合には、次の「05.参考資料」に移して情報として取っておくか、ゴミ箱に移しましょう。

05.参考資料

そのアイデア自体は行動を起こす必要があるものではないが、情報として取っておきたいものは、このノートブックに移します。
このノートブックにアイデアを保存しておくときのポイントは、後から必要になったときにすぐに引き出せるよう「情報を整理しておくこと」です。
Evernote のタグ機能を使うと、分類や絞り込みを便利に行うことができます。例えば「仕事」や「プライベート」と言ったタグを付けておき、必要なシーンに合わせて一覧から絞り込む、というようなイメージです。

06.行動し終わったアイデア

行動し終わったアイデアは、このノートブックに移動して保存しておきます。
ゴミ箱に移してしまっても良いですが、「実際にやってみてどうだったのか」の感想をメモとして加えて保存しておけば、過去のアイデアを後から振り返って、また新しいアイデアを得るヒントにできるかも知れません。

ここまで紹介してきた分類方のポイントは、「今、具体的に行動すべきもの」に集中するために、「行動すべきアイデア」と「そうではないアイデア」とを仕分けて整理しておくことです。

今回は分類法として「ノートブック」を使った方法をご紹介しましたが、これは「タグ」で置き換えることも可能です。「あまりノートブックを増やしたくない」という方は、タグのご利用もお試しください。
タグの活用法については、過去のブログ記事もぜひご覧ください。
Evernote でタグを使う基礎シリーズ: タグとノートブックの違い

アイデアの価値は、頭の中だけで考えていても見えづらいことがあります。実際に行動に移してみてこそ、そのアイデアが本当に価値あるものなのかどうかが見えてくる、ということもあるのではないでしょうか。
皆さんの素晴らしいアイデアが実現されるように、Evernote をぜひご活用ください。

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