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パラレルワークの情報整理術

パラレルワーカーは「マルチクライアント・マルチタスク」を管理しなければならない

私たちのワークスタイルは大きな変化の時代を迎えています。日本では、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表した 2018 年以降、「ある企業に所属しながら、副業(複業)で別の企業の仕事にも携わる」という働き方が少しずつ広がってきました。

「組織の枠を越えて複数のプロジェクトに携わる」ことは、まさに新時代の働き方と言えます。

しかし、関わるクライアントやプロジェクトが増えるほどスケジュールやタスクの管理は煩雑になります。そして、パラレルワーカーやフリーランサーの場合は、それらをすべて自分自身で管理しなければなりません。

タスクやスケジュールを管理するためのツールは数多あるものの、膨大なツールの中から自分に合ったものを見つけることは容易ではありません。「どのツールを、どのように使ったら効率的なのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、パラレルワーカーやフリーランサーとして活動している方に向けて「マルチクライアント・マルチタスク」の情報を効率よく整理するための、Evernote 活用法をご紹介します。

情報を整理する「ルール」を決める

まずは、情報を整理するためのルールを決めます。

Evernote における情報のまとまりの単位は、「ノート」がもっとも小さく、ノートをまとめたものが「ノートブック」、ノートブックをまとめたものが「スタック」となっています。

ここでは「クライアントごと」「プロジェクトごと」に情報をまとめ、整理する方法をご紹介します。

企業における「顧客管理(CRM)」の考え方では、まず情報を取引先(クライアント)ごとに分け、その下に案件(プロジェクト)をひも付けます。これを Evernote では以下のように作ることができます。

  • ノートブックのスタック=クライアント
    • ノートブック=プロジェクト
      • ノート=プロジェクトの情報

例えば、複数の企業と取引しているライターの場合、制作する記事(=プロジェクト)ごとにノートブックを作成し、それらを取引先の企業名でスタックにまとめます。

プロジェクトを進める上では、例えば以下のようなさまざまな情報が登場します。

  • クライアントとの打ち合わせの議事録
  • 記事の原稿
  • 参考資料(Web 記事のクリップや、参考文献のメモなど)
  • 記事の中で使う写真やイラストなど

これらの一つ一つを Evernote のノートとして記録し、プロジェクトのノートブックにまとめておけば、作業を行う際に必要な情報へすぐにアクセスができます。
複数のプロジェクトが同時に進んでいるときにも、「情報をあちこち探し回って、時間を浪費してしまう」ということがなくなり、効率よく作業を進めることができます。

参考:スタックは自分にしか表示されないため、チームで Evernote をお使いの場合に、スタックを他のユーザーと共有することはできません。チームでの効率的な情報共有には、Evernote Business の「スペース」の機能をぜひご利用ください。

よく使う情報への「リンク集」を作ってすばやく仕事を始める

企業との取引では、先方から指定されて「データの保存場所」や「使用するツール」などが決められていることがあります。先ほどと同じくライティングを例に挙げると下記のようになります。

  • 原稿は、ドキュメントツール A で作成
  • 写真は、クラウドストレージツール B に保存
  • 記事に差し込むイラストは、デザインツール C で作成
  • 仕上がった原稿は、CMS ツール D に入稿

特に最近では、Web ブラウザからアクセスして利用する「SaaS 型のツール」が多いため、プロジェクトでは多くの「リンク」を管理する必要が生じます。
これらのリンクをブラウザのブックマークに登録する方法もありますが、複数のクライアントとプロジェクトが同時に進んでいると整理が煩雑になります。これらの情報も Evernote にまとめておくと、効率よく仕事に取りかかることができます。
先ほど作成したプロジェクトのノートブックに「プロジェクトのリンク集」というノートを作成し、作業に必要なリンクをまとめます。ブラウザのブックマークと違いリンクと一緒にメモも残せるので、注意事項などを一緒に記録しておけばすぐに参照することができます。

Evernote の暗号化機能を利用すると、ノートのテキストを暗号化して情報に対する保護を高めることができます。閲覧にパスワードの要求が可能になるので、プロジェクトで使用するアカウントのログイン情報などをメモする際にはこの暗号化機能を活用します。

また、SaaS 型ツールの場合、プロジェクトに関係するデータやフォルダに直接アクセスできる URL を発行できることが多いので、それらをメモしておけばすぐに必要なデータにアクセスし、作業を始めることができます。

日本の大手 IT 企業が行った調査によれば、日本国内の企業では 1 社あたり平均で 8.7 個の SaaS 型ツールを利用していると述べられています。初期投資が必要なく、Web ブラウザがあればいつでも・どこでも使える SaaS 型のツールは、今後もますます利用シーンが増えていくことが予想されます。

複数のツールを活用する際にも、Evernote を仕事のハブ=スタート地点として情報をまとめておくことで、すばやく仕事に取りかかることができます。

「題名」にひと工夫して情報の並び順を整理する

Evernote のスタック・ノートブック・ノートは、タイトルや作成日などさまざまな条件でソートすることができます。
参考: ノートの並び順を変更する – Evernote ヘルプ&参考情報
タイトルでソートした場合は、以下のように並びます。

  • 記号(@ など)
  • → 数字 0-9
  • → アルファベット A-Z
  • → 日本語の読み五十音

タイトルの付け方をひと工夫することで、情報の整理や検索を効率化することができます。今回は、取引先ごとの「顧客コード」を作って管理する方法をご紹介します。

顧客コードとは、企業の業務システムにおいて「あるクライアントを表すための数字や英字の組み合わせ」のことで、システム上のデータ管理などでよく用いられるものです。(身近な例では、スポーツクラブの会員証の「会員番号」なども顧客コードの一種です。)

Evernote でも一定のルールでタイトルに顧客コードを付けることで、並び順をコントロールしたり、見た目に分かりやすく整理したりすることができます。
オススメは、クライアントの社名(個人のお客様なら氏名)の「イニシャル」を基にコードを付ける方法です。例えば、以下のような具合です。

  • 江波野商事株式会社 → Ebano Shouji → コードは「ES
  • 株式会社グリーン・エレファント → Green Elephant → コードは「GE
  • 株式会社緑象工業 → Midorizou Kougyou → コードは「MK

(※社名はすべてダミーです。)
このようにコードを付けておけば、クライアントの名前順で並びが整理できるだけでなく、「どのコードがどのクライアントのものなのか」を直感的にイメージしやすくなり、英数字・漢字・ひらがな・カタカナが混ざって一覧に並んでいるよりも探しやすくなります。

また、用途によって Evernote 以外に複数のツールを使い分けている場合でも、コードは共通化しておくと管理がしやすくなります。
例えば、ローカルのフォルダにもデータを保存している場合、Evernote のスタックのタイトルとフォルダ名とで同じコードを使うようにしておくと、情報の統一性が生まれ整理・検索がしやすくなります。

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他にも、例えば Google カレンダーでは、カレンダーの名前にコードを付けておくことで「どのクライアントのスケジュールなのか」が判別しやすくなります。

必要な情報だけが目に入るように情報を絞る

各プロジェクトの情報をすばやくキャッチすることは大切です。しかし、目の前のタスクに集中して取り組むためには「いま取り組むべきタスクに必要な情報だけが目に入る」よう、あえて情報を絞ることも重要です。

Evernote は検索機能を使い必要な情報をすぐに取り出すことができますが、さらにフィルタ機能を使えば、検索する範囲を調節し目的の情報だけを表示することが可能になります。

情報の一覧から「いま取り組むべきプロジェクトの情報だけを表示する」ことができるので、他のクライアントやプロジェクトの情報に気を取られず、目の前のタスクに集中しやすくなります。

また、Windows・Mac の 新しい Evernote では、エディタの左上にある「ノートを展開」ボタンをクリックすると、サイドバーとノートリストを折りたたんでエディタを画面いっぱいまで拡げることができます。集中して文章を執筆したいときなどに、余分な情報が目に入らないようにすることができます。

「いまやるべきこと」に取り組むために

カリフォルニア大学バークレー校の教授で、認知神経科学者のサハル・ユーセフ博士の講演(英語記事)によれば、そもそも、人間の脳の構造は「マルチタスク」を処理するように作られておらず、他のものが目に入っただけで(例えば、スマートフォンが置いてあるだけでも)集中力を奪われてしまうと述べられています。

パラレルワーカーやフリーランサーは、複数のクライアントやプロジェクトの作業が同時に進むため、取り扱わねばならない情報が多岐に渡ります。情報をうまくコントロールし、「いまやるべきこと」に取り組むために、Evernote をぜひご活用ください。

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