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心が「ととのう」自分との向き合い方

南から聞こえてくる入梅の便りに「心穏やかに晴耕雨読の暮らしなどしてみたい」などと思いながら、しかし現実はせわしなくて、頭の中はいつでもジメジメとした梅雨空のよう——。

空が表情を変えるように私たちの心も、ときに霞がかったような状況に陥ることがあります。頭の中がモヤモヤして考えがまとまらない。そんなときには、「書く」ことで思考を整理できるかもしれません。空が表情を変えるように私季節が移り変わるように私たちの心も、ときに霞がかったような状況に陥ることがあります。頭の中がモヤモヤして考えがまとまらない。そんなときには、「書く」ことで思考を整理できるかもしれません。

サウナで身が「ととのう」ように、頭の中をジャーナリングでスッキリさせてみませんか。今回は書くことを通じて心が「ととのう」ための方法をご紹介します。

「書く」ことの効果

「書く」ための時間と場所を用意する

「書く」ことを習慣にする

「書く」ことの効果

古代ギリシャの哲学者・ソクラテスは、「自分にはほとんど知恵がないことを自覚した者こそ、人間の中でもっとも知恵のあるものだ」という言葉を遺したと言われています。米国の心理学者、ジョセフ・ルフトとハリ・インガムは、1955 年に発表した「ジョハリの窓」というフレームワークの中で、「自分が知らない自己」という概念を定義しました。

2000 年の昔から現代に至るまで、「自分を知る」ことは人間にとって普遍的なテーマなのかも知れません。自分自身をより良く知るためにどうすれば良いのか——その方法の一つが「書く」ことです。

ジャーナリングでは一定時間をかけて頭の中にあることを書き出しますが、考えて文章を書くのではなく、思い浮かんだことをそのままの形でアウトプットします。
あまり難しく考える必要はありません。例えば何も書くことが思い浮かばないなら「何も思い浮かばないな」「書くことはないな」と書く、ということです。

手を動かし「書く」という行為と向き合うことで、今この瞬間に意識を集中して自分を観察する——ジャーナリングが「書く瞑想」とも呼ばれる由縁がここにあります。観察し自分の状態を正しく認識することが、自分自身を理解することへとつながります。

「書く」ための時間と場所を用意する

己を知る、と言われると身構えてしまいますが、難しく考えてジャーナリングに挑む必要はありません。

まずはテーマを 1 つ決めます。今悩んでいること、判断に迷っていること、何をすべきか考えていることなど、どのようなことでも結構です。

1 回の時間は 10 分〜 15 分程度で良く、慣れてもっと書きたくなってから自分に合わせて時間を延ばせば十分です。時間は短くても構いませんが、自分と向き合うためには自室のような、静かで一人になれる場所を用意した方が良いでしょう。

書き出す道具は Evernote を使っても良いですし、紙とペンの方がやりやすければそれでも構いません。もし Evernote に書き出すなら、ノートのエディタ画面の左上にある「ノートを展開」ボタンをぜひ使ってみてください。画面から余分な情報が取り除かれ、書く動作に集中しやすくなります。

一人で静かに書く時間を確保するために、スケジュールをブロックしておく方法もおすすめです。Google カレンダーと Evernote を連携しておくと、ホーム画面のカレンダーウィジェットに予定を表示し、Google カレンダー上でブロックしておいた時間にすばやくノートを開いて書き始めることができます。

Google カレンダーとの連携機能については、以下の記事もご参照ください。
参考記事

「書く」ことを習慣にする

「一度にまとまった時間を費やす」というより「折に触れて書く」方がジャーナリングには向いています。

例えば、1 日の終わりの日記代わりに。あるいは、この 1 週間の振り返りに。ジャーナリングを使ってみるのはいかがでしょうか。書くことを習慣にして積み重ねていくと、自分の感情や心の変化が見えてくるかもしれません。

Evernote にジャーナリングの記録を残していけば、作成・更新した日付が自動で記録されるので、時間と共に「心にどのような変化があったか」を後から振り返りやすくなります。

「紙に書いた」という場合でも、スマートフォンアプリや ScanSnap スキャナを使ってきれいに保存しておくことも可能です。
参考記事

そして後から振り返ったときに、気が付いたことを気軽に書き足せるのは、デジタルなノートならではのメリットです。

Google カレンダーで「定期的な予定」としてジャーナリングする時間を登録しておき、先ほどご紹介したカレンダーとの連携機能を使えば、毎日や毎週の同じ時間にスムーズにノートへ書きはじめることができます。

東京大学名誉教授の養老孟司氏は2019年の著書の中で、自分の脳が考えていることをよりよく知ることによって、他者の脳が考えていることもまた、よりよく理解できるようになると述べています。
私たちが何かに思い悩むとき、その原因は自分の外側——すなわち他者からもたらされているように感じることがあります。しかし、自分の思い通りにならない他人や物事に心を砕くよりも、まず自分自身と向き合うことの方が、解決の糸口をつかみやすくなるのかも知れません。
自分を知り、自分の心が「ととのう」ように、ジャーナリングをお試しください。また、ジャーナリングについてご紹介している以下の記事も、参考としてぜひご覧ください。

参考記事

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