どの企業にとっても、事業の健全性と長期的な持続性を保つうえでライフワークバランスは重要です。残業続きのスタッフは生産性が落ちますし、ストレスや疲労のせいで無駄になった時間は積もり積もって大きな打撃となります。会議や締め切りが多い仕事の場合はなおさら。実際、The Workforce Institute at UKG の調査によると、2020 年には働いている人の 43% が「燃え尽き」を真剣に懸念しており、60% 近くものマネージャーがそれに対処するための対策を講じています (英語記事)。
チームが健全なワークライフバランスを保てるようにすることは、管理職であるマネージャーとしての責務です。チームのメンバーたちは、仕事に意欲的かつ効率的に取り組みながら、私生活も充実させる時間がとれていますか? あなたはマネージャーとしてライフワークバランスの模範を示せていますか?
手始めに会議から効率化してみましょう (英語記事)。会議はうまく実行すれば、仕事を増やすものではなく減らすものになります。効率と成果を考えて会議を行うようにすれば、自分にとって最適なワークライフバランス (英語記事) が見えてくるはずです。
難しいことはありません。以下のガイドライン(と適切なツール)を役立ててください。
会議をすべきか、せざるべきか、それが問題だ
会議を設定するのは、何かを先延ばしする最も安易な方法です。問題が起きたときも、解決すべき事項があるときも、会議を設定するとその対処を会議まで先延ばしできるからです。これは良いパターンとは言えません。問題が解決されるまでチームのワークフローに支障があるままで、仕事の優先順位を変更せざるえないためです。
そこで、問題があるときは、会議を設定するのが本当に最善の方法かを慎重に検討しましょう。以下の点を考えてみると良いでしょう。
- 特定の期限までに早急に解決しなければならない問題か? 他のプロジェクトの支障になっているか?
- 解決にあたり外部からの情報が必要か? その場合、必要となるチームメンバーや外部からの情報の影響を受けるチームメンバーは誰か?
- リアルタイムでの議論が必要か? それともメールなどの手段で関連情報を送ることは可能か?
- 会議の目的は何か? 目的を達成するために、どう時間を使うべきか?
以上の点を検討することで、不要な会議を削減できるとともに、必要な会議を短時間で生産的に行うことができます。会議の効率性は十分な準備から始まります。重要事項に的をしぼり、不要な議題は削除しましょう。
使いこなしのヒント: Evernote にすべての情報を集約することで、アイデアや目的を簡単に整理しチームに提示することができます。アイデア、質問、解決策、タスク、さらに会議アジェンダまで、いつでも思いついた時に Evernote に保存し、整理しておきましょう。ジムでトレーニングしているときでも、子どもの送り迎えをしているときでも、歯医者で順番を待っている時でも、Evernote なら簡単に情報を記録できます。
使いこなしのヒント: 会議をまったく行わずに問題を解決したい場合は、タスク機能を使いましょう。Evernote 内からチームメンバーに直接タスクを割り当てられます。割り当てられたメンバーは、ノートや質問、解決策を追加したり、タスクの完了をマークしたりできます。
他のタスクと会議のバランスを取る
マネージャーはチームの仕事について、進捗状況からメンバーの疑問や責務まですべて把握している必要があります。これらの情報にいつでも簡単にアクセスできれば、タスクの優先順位を決めやすくなり、他のタスクや仕事との兼ね合いを見て、本当に必要な場合に会議を開催できます。
会議を設定する際は、以下の点に注意しましょう。
- 会議と会議の間の時間はできるだけ空けましょう。特定の日に会議を集中させて片付けてしまいたい気持ちがわかりますが、情報を消化し賢い決断を下すためには次の会議に移る前に時間が必要です。
- 事前に会議の目的とアジェンダを明確に決めましょう。会議中は脱線せずにアジェンダ通りに進行し、時間を無駄にするのを防ぎます。
- 他の優先事項のために参加できないメンバーがいる場合も、やみくもにリスケするのはやめましょう(そのメンバーの出席が不可欠である場合は別ですが)。アジェンダについて事前にメンバーと話し合い、出た意見を検討します。必要に応じてアジェンダを変えるようにし、会議の日時はできるだけ変更しないようにします。
使いこなしのヒント: ホーム画面を使ってその日やるべきことを把握しましょう。ホーム画面をカスタマイズし、タスクリストを表示して ToDo の優先事項を決定します。フラグ、期限、絵文字などを使って優先事項をわかりやすく整理したり、関連するノートをタグを使って整理します。スケジュールを俯瞰的に確認することで、会議を設定することが可能かどうか、可能なら何時がベストか素早く確認できます。
自分の仕事をメンバーに任せる
良いマネージャーは、自分の仕事をチームに任せることを知っています。会議も同じで、アジェンダの一部または全部をチームメンバーに任せるようにしましょう。そうすることで、すべてのタスクに担当者ができ、チーム全体で責任を共有できます。責任を押し付けすぎず、しかしチームメンバーが責任感を持って仕事に取り組めるように、どこまで任せるのが適当かバランスを考えることが大切です。
チームメンバーに仕事を任せるときは、誰に何を任せるかが重要です。適したスキルを持っているのは誰かや業務量が多過ぎないかを考えましょう。適切なメンバーにタスクを任せることで、チームメンバーの能力や決断力を信用していることを示すことができ、メンバーも仕事にやりがいを感じられます。
またマネージャーにとっては、適切な仕事を誰かに任せることで、自分の業務量を減らし、燃え尽きるリスクを軽減できます。刻一刻と変化するビジネス界で、変わらないものが一つだけあります。それは、誰にとっても一日は24時間で、誰にとっても休息が必要だということです。
使いこなしのヒント: 会議の各アジェンダについて、誰に何を任せるのがベストか検討する際、必要な情報をすべて思い出すのは大変です。普段から Meeting Debrief テンプレートを使って、自分の仕事を任せられそうなメンバーのプロフィールを保存・更新しておきましょう (英語記事)。一人ひとりのチームメンバーとつながり、信頼関係を築くための便利なナレッジベースとなるだけでなく、仕事を任せるという重要な決断を下すときに、驚くほど役立つはずです。
会議 vs タスク vs ライフ
「時間は我々が最も欲し、しかし最も無駄にしているものだ」
— ウィリアム・ペン
毎日時間が十分にあるというところまではいかないにしても、無駄な会議を省くことで時間をできるだけ有効に使いましょう。また会議を行うときは、有意義な会議となるよう目的を決め、アジェンダアイテムを適したチームメンバーに割り当てましょう。マネージャーが効率化の模範を示せば、チームメンバーもそれに倣い、自分にとって持続可能な業務量とワークバランスを見つけるようになるはずです。