四季がある日本ならではの風習が「衣替え」です。年中行事辞典によれば、衣替えの歴史は平安時代にまでさかのぼり、由来は中国にあるとされています。
季節の風物詩とも言える衣替えですが、実際はなかなか面倒なもの。「どうやったら効率的にできるのだろう」とお悩みの方もいらっしゃるかも知れません。
そこで今回は、Evernote を使った「衣替えの整理術」をご紹介します。
整理術の第一歩は「捨てること」
整理術の第一歩はいらないものを捨てることです。持っているものを「いる/いらない」で分けることから始めましょう。
日本の製造業では、掃除や整理整頓の大切さを説く標語として「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」という言葉があります。
日本大学の大森 信 教授の論文によれば、5S の一番目である「整理」の定義は「必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てること」とされています。
ものを整理しようとしたとき、私たちはつい「収納グッズを買う」「収納場所を変える」といったことをしてしまいがちです。
しかし、整理とは単にものを「収納する」ということではありません。大切なのは「今の自分にとって必要なものを見分ける」ということなのです。
「もの」は捨てても「思い出」は取っておく
まず、しまっておくシーズンオフの衣類を整理します。先ほどご紹介したように「いる/いらない」の判断から始めましょう。
人生がときめく片づけの魔法の著者・近藤 麻理恵さんは、書籍のなかでいる/いらないの判断は「手に取ったときに、ときめくかどうかを基準にする」と語っています。
迷ったときには、その衣類が「ときめくかどうか」で判断するのも良いかも知れません。
もし「明らかに着ないと分かっているが、どこかときめくもの」があったときには「思い出として取っておく」という方法もあります。
Evernote は、スマートフォンのカメラで撮影した写真を簡単に保存できます。写真として保存しておけば場所も取らず、いつでも思い出を見返すことができます。
まずは、ノートのエディタ画面で挿入ボタン(青色の+のアイコン)をタップします。

挿入メニューの中から「カメラ」をタップします。

スマートフォンのカメラが起動したら、撮影のモードを「写真」に切り替えて、衣類の写真を撮影します。撮影が完了したら、画面右下の「保存」をタップすると、撮影した写真がノートに添付されます。
「保存」をタップする前に追加で撮影し、複数の写真をまとめて添付することもできます。

写真とともに、その服にまつわるエピソードをメモしたり、他の写真を一緒に保存したりすることも可能です。
Evernote を使えば、「思い出」は断捨離せず残しておくことができます。
どこに何がしまってあるか QR コードで確認
取っておく服が決まったら、シーズンオフの衣類を仕舞う前にクリーニングに出します。
汚れは時間が経つほど繊維に定着してしまうので、汚れたまま保管した衣類は黄ばんでしまう恐れがあります。家庭用洗剤では汚れを落としきれない場合もあるので、お気に入りの服はクリーニングできれいにしておきましょう。
クリーニングから戻ってきたら衣装ケースにしまいます。防虫剤を入れる場合、成分は上から下へ浸透するため、衣類を入れた後の一番上に置くのがポイントです。
どのケースに何の衣類をしまったのか、紙に書いて貼っておくと次の衣替えで取り出しやすくなります。Evernote を使えば、しまってある衣類をすぐに探せる「デジタル・ワードローブ」を作ることができます。
ここでは、スマートフォンからの操作方法をご紹介します。まず、ワードローブという名前でノートブックを一つ作ります。画面右下のメニューボタン(三本線のアイコン)をタップします。

サイドバーが開くので「ノートブック」をタップし、緑色のテキストで表示された「新規ノートブック」をタップします。

ノートブックの作成画面が開くので、ノートブックの名前を入力し、画面右上の「作成」をタップします。(ノートブックやノートの名前には、絵文字を使うこともできます。)

次に、そのノートブックの中に衣類の種類ごと一つずつノートを作ります。(例えばトップス、ボトムス、アウター、等。)
ノートブックを開き、画面下の新規ノートボタン(緑色のボタン)をタップします。

ノートの作成画面が開くので、ノートのタイトルに衣類の種類を入力します。入力が終わったら、画面右上の緑色のチェックマークをタップすると、ノートが保存されます。
作ったノートに、衣類の写真を保存していきます。

ノートは個別の共有 URL を発行できるので、その URL を QR のススメ などのサービスを使って QR コード化し、印刷して衣装ケースに貼り付けます。
まず、QR コード化したいノートを開き、画面右上の共有ボタンをタップします。

共有画面が開くので「共有用リンク」のボタンをオンに切り替えます。これで、共有用の URL が発行されます。緑色の「リンクをコピー」をクリックすると、URL をコピーすることができます。これを QR コードの作成サービスを使って QR コード化します。

こうしておけば、衣装ケースを空けなくてもスマートフォンで QR コードを読み取るだけで、その衣装ケースに何の衣類が入っているのかを確認することができます。

共有 URL は Web ブラウザで見ることができるので、「家族は Evernote を使っていない」という場合でも、スマートフォンで QR コードを読み取って、中身を見ることが可能です。
参考: 公開リンクを使ってノートを共有する – Evernote ヘルプ&参考情報
デジタル・ワードローブの活用法
最後に、オンシーズンの服を整理します。よく着るものはハンガーにかけ、着る頻度が少ないものは引き出しにしまっておきます。
もし、ハンガースペースに余裕がある場合「かけられる服はすべてハンガーにかける」という方法もあります。
洗濯して干したものをそのまま収納でき、畳んで仕舞う手間を省けます。また、子ども服はハンガーに掛かっていた方が、子どもが自分で選びやすくなります。
先ほど作った Evernote のデジタル・ワードローブに、オンシーズンの服も保存しておきます。スマートフォンからいつでも「いま自分が持っている服」を確認できるので、例えば「ショッピングのときにノートを見て、買おうとしている服のコーディネートを考える」といった使い方ができます。
新しく買ってきた衣類も、デジタル・ワードローブに保存しましょう。お手入れについて書かれた「タグ」や「説明書」も、カメラで撮って保存しておけば、保管場所に困らず、お手入れの際にすぐ参照できて便利です。

リフレッシュして新しい季節を迎えよう
衣替えは自分が持っている服を棚卸しする良い機会でもあります。自分が今どんな服を持っているのか把握することで「今シーズンはどんな服を買おうか」という新たな楽しみも生まれます。
皆さんの衣替えが便利に・楽しくなるように、Evernote をぜひご活用ください。