子どもたちの好奇心のパワーには、ときに驚かされることがあります。「なんで?どうして?」と質問攻めにあい、たじろいでしまった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
学校や塾などでの勉強も大切ですが、せっかく疑問に思ったことなら、それを「学び」の機会として活用できるかも知れません。
そこで今回は、子どもたちの好奇心のパワーを学びとして深めるための、Evernote を使った学習ノートのアイデアをご紹介します。
ネタ帳として Evernote を使う
オックスフォード大学・社会学科教授の苅谷 剛彦 氏は著書・知的複眼思考法のなかで丸々一つの章を割き「問いの立て方」を解説していますが、見聞きしたことに対して自ら疑問を持ち「問いを立てる」というのは、実は大人でも難しいものです。
いきなり「不思議に思ったことを調べてみよう」と投げかけても、子どもの手がなかなか動かないことがあるかも知れません。そんなときには、「問いを立てる」ためのヒントを大人がガイドしてあげるのも一つの手です。
ふだんの会話のなかで子どもから質問されたことをメモして Evernote にストックしておき、問いを立てるためのネタ帳にしましょう。

Evernote はスマートフォンからもすばやくメモを取ることができるので、日常のちょっとしたことをメモするのにも便利です。iPhone をお使いなら Fastever という連携アプリ、 Android スマートフォンをお使いなら Evernote ウィジェットを使用して、ホーム画面から簡単にノートを作成することができます。
子どもの好奇心を育もうと考えると「空はなぜ青いのか」というように、どこか壮大な(あるいは、どことなく哲学的な)問いにばかり注目してしまいますが、少し確度を変えてみるだけで、好奇心を育むためのネタはたくさん隠れています。
例えば「なぜ学校に行かなければならないのか」という、ちょっと大人が困ってしまうような質問であっても、
- 学校へ行くというルールは、誰がどのように決めたのか
- そもそも、なぜ学校が作られたのか
- 日本の学校と、海外の学校とはどのように違うのか
というように、見方を変えればさまざまな問いを展開することができます。また、「ケーキはどのように作られているのか」という一見すると単にハウツーを調べるだけのような質問であっても、「ケーキの作り方を調べる」だけではなく
- 実際に作って感想を書いてみる
- 近所にどんなケーキ屋さんがあるのか調べてみる
- ケーキ屋さんには平均でだいたい何種類くらいのケーキがあるのか調べてみる
というように、親子で一緒に取り組むワークとして展開することもできます。Evernote に「問いのネタ」を貯めるときにはあまり難しく考えずに、どんどんため込んでしまうのがオススメです。
学習ノートとして Evernote を使う
問いを立てたら、その問いについて実際に調べ、考えたことを学習ノートにまとめていきます。Evernote でデジタルな学習ノートを作る方法をご紹介します。
まず「新規ノート」のボタンから、新しいノートを作成します。まっさらな状態から書き始めても良いですが、何かしらのガイドがあった方が書きやすくなりますので、例えば
- 不思議だと思った理由
- 調べたこと
- 調べた感想
- さらに調べてみたいと思ったこと
というように予め見出しを置いておくと良いでしょう。表機能を使えば、見た目にも分かりやすくなります。

有料版の Evernote をお使いの場合、作ったノートをカスタムテンプレートとして登録し、次にノートを作成するときに簡単に呼び出せるようにすることもできます。

ノートには写真のほか、ハイパーリンクや PC のデータファイルも添付できるので、参考資料を一緒に保存しておくことができます。

最近は動画で解説された情報も充実していますが、ノートに YouTube の URL を貼り付けると動画がノートに埋め込まれ、サイトを開かなくても動画を再生して見ることもできます。(動画を再生するためには、インターネットに接続している必要があります。)

このように、デジタルで学習ノートを作っておけば、さまざまな資料を一箇所にまとめておくことができます。また、
といったことができるのも、デジタルならではの利点です。
子どもの年齢やデバイスの利用状況に応じて、「大人がテンプレートを作っておき、入力は子どもが行う」「子どもは手書きで調べたことをメモしておき、大人と一緒に Evernote にまとめる」といったように運用するのが良いでしょう。(Evernote なら手書きのメモもキレイに保存することができます。)
疑問を持ち続けることの大切さ
先ほどご紹介した知的複眼思考法では、『まずはものごとに疑問を感じること、「ちょっと変だな」と疑いを持つことが、考えることの出発点になる』と述べられています。
また、物理学者のアルベルト・アインシュタインは「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。 神聖な好奇心を失ってはならない。(The important thing is, I can continue to have doubts. And must not lose the sacred curiosity. )」という言葉を残したと言われています。
文部科学省が定めた学習指導要領によれば、2022 年から高校での「探求学習」が必須科目となりました。学校や塾などの勉強だけではなく、身の回りのものごとに純粋な疑問や好奇心を持つことこそが、いつか新しい発見や世紀の大発明につながるかも知れません。
子どもたちの知的好奇心を育むプラットフォームとして、Evernote をぜひご活用ください。