手帳にメモを取る。本に付せんを貼る。新聞記事を切り抜いてスクラップブックにとじる。情報の保存にはさまざまな方法があります。Evernote のようなデジタル・ツールをご活用の方もいらっしゃることでしょう。
悩ましいのは、保存した後に情報をどう整理するかという点です。
情報を整理するには、それなりの手間と時間がかかります。「保存したは良いが整理するひまがない」「あとで整理するのが面倒で、保存をためらってしまった」というご経験はないでしょうか。
もしかすると、デジタルならではの利点を活用すれば、整理のハードルをもう少し下げられるかも知れません。
京都大学名誉教授の梅棹 忠夫 氏は、著書・知的生産の技術(岩波書店|1969年)のなかで、“整理”とは必要なものが必要なときに取り出せることだと述べています。そして、紙にはないデジタルならではの利点とは、検索して必要な情報を取り出せるということです。
今回は Evernote の検索機能を活用して、保存した情報を便利に取り出す方法をご紹介します。
検索フィルタで情報を見つけ出す
Evernote の検索機能を使うと、ノートに書かれているテキストや添付ファイルの中身をキーワード検索して情報を探すことができます。
加えて、検索フィルタの機能を活用することで、さらに便利に情報を見つけ出すことが可能です。
キーワードで検索した後、検索結果が表示されたノートリストの上部にある“フィルタを追加”のアイコンをクリックし、詳細な条件を設定することができます。

例えば、日付の範囲を指定し「7 月 23 日〜 8 月 8 日の間に更新された、“オリンピック”のキーワードを含むノートを検索」したり、複数の条件を組み合わせて「昨年作成されたノートで、ファイルが添付されており、“インタビュー”のキーワードを含むノートを検索」したりすることができます。

検索フィルタを使えば、頭で覚えている情報があいまいだったり断片的だったりしたとしても、さまざまな確度から多角的に検索して情報を見つけ出すことができます。
参考:検索機能の概要 – Evernote ヘルプ&参考情報
Evernote 内の情報をピンポイントで確実に見つける方法 | Evernote 日本語版ブログ
検索条件の便利な活用法:ショートカットとウィジェット
フィルタを使って作成した検索条件は保存しておくことができるので、同じ条件で再び検索するときにもスムーズです。保存した検索条件は、検索ボックスをクリックすると表示されます。

保存した検索条件を、さらに便利に使うテクニックを 2 つご紹介しましょう。まず一つ目はショートカットです。
Evernote のショートカットにはよく使うノートやタグを登録できますが、検索条件も登録しておくことができます。検索条件を登録すれば、サイドバーのショートカットや、ホーム画面の“ショートカット”のウィジェットから、指定した検索条件ですばやく検索を行うことが可能です。
二つ目は、2021 年 8 月に新しく登場した、ホーム画面の“フィルタ済みのノート”のウィジェットです。
“フィルタ済みのノート”のウィジェットを使うと、検索条件に該当するノートがウィジェットに自動表示され、ホーム画面上で直接、検索結果を確認することができます。

例えば「後で読もう」と思って保存した情報に“未読”というタグを付け、フィルタ済みのノートウィジェットに表示すれば、ホーム画面からいつでも確認することができ、折に触れて読み返すきっかけを作ることができます。(読み終えた後はタグを外してしまえば、ウィジェットには表示されなくなります。)
ウィジェットについてご紹介している以下の記事も、ぜひご参照ください。
参考:複数のプロジェクトを簡単に見やすく管理する方法 | Evernote 日本語版ブログ
(“フィルタ済みのノート”のウィジェットは、Personal、Professional、Teams のプランでご利用いただけます。)
気軽に情報を保存し、便利に活用する
私たちが情報を保存しようとするとき、そこには「新しい発見があった」「仕事で役に立ちそう」「アイデアのきっかけになるかも」といったような、なにか心を動かすものがあるはずです。
もちろん、保存した情報が整理されているに越したことはありません。しかし「検索できる」というデジタルならでは利点を活かせば、もっと気軽に自分の心が動かされた情報を保存しておくことができるかも知れません。
情報を気軽に保存し、そして後から便利に引き出すために Evernote の検索機能をぜひご活用ください。