「リモートワーク」と聞いてどんなことを思い浮かべますか? エンジニアやデザイナーの人が、パソコン片手に自宅やカフェで作業する……そんな風に「リモートワークとは、特定の職種の人だけができることで、自分とはあまり関係ないな」と思っていませんか。
まったく会社へ出社せず仕事を片付るような完全なリモートワークは、できる職業が限られるかも知れません。でも、普段やっている仕事に 「ちょっとだけ」リモートワークを取り入れてみるだけでも、時間に余裕が作れます。
今回は、ビジネスパーソンの 1 日の様子になぞらえながら、普段の業務にリモートワークを取り入れるための、便利なツールやアプリをご紹介します。
朝:全国のコンビニが自社のプリンターに
“今日はお客さまとの商談のために直行。昨日のうちに資料はちゃんと準備してカバンに入れてきた……はずなのに、印刷した資料の一部を置いてきてしまった! 会社へ立ち寄っている時間はないけれど、どうしよう?”
ビジネスシーンでは、まだまだ紙の資料が必要とされる場面も多いですよね。外出先で、ちょっと印刷したいというときにおすすめなのが、全国のコンビニがプリンターに早変わりする「ネットプリント」です。
パソコンの Web ブラウザ、またはスマホアプリから、ネットプリントへ資料のデータをアップロードしてプリント予約番号を取得。この番号をコンビニのコピー機で入力するだけで、資料を簡単に、美しく印刷することができます。両面印刷や、 A3 サイズの印刷もお手のもの。予約番号とは別に暗証番号も設定でき、印刷時に入力を求めるようにすることもできます。
移動中:スキマ時間でビジネスの情報をアップデート
“朝イチの商談を無事に終えて、午後のアポイントに向けて電車で移動中。午後は初めて訪問するお客さまなので、企業情報や業界情報をチェックしておきたいな”
ビジネスの情報をアップデートするために、経済紙はチェックしておきたいですよね。「日経電子版」のアプリなら、電車のなかでも片手でサクサク記事がチェックできます。商談に関係しそうな、気になった記事があった場合、日経電子版は Evernote と直接連携しているので、ワンタップで見た目も美しく保存することができます。
特定の業界の情報は、専門のニュースサイトや企業ブログをいくつもチェックしている、という方も多いのでは。そんなときは 「feedly」が便利です。
定期的にチェックしたい Web サイトを登録しておくと、サイトが更新されたときに最新の記事を自動的に受け取ってまとめて読むことができるので、いくつものブックマークを順番にチェックする手間が省けます。
また、 feedly の有料版は「Google アラート」の登録も可能。 Google アラートは、気になるキーワードの上位の検索結果を、自動的に配信してくれるサービス。社名や製品名を登録しておき、 Web への露出状況をチェックしたり、競合の動向をチェックするのに便利です。
昼過ぎ:情報のストックや共有をスマホ 1 台で
“午後は、業界の展示会視察。ブースでもらった紙の資料や連絡先の名刺、展示されていた製品を写真でパチリ。さぁ、取りまとめて部内で共有しないと”
多くの情報はネットでも手に入るようになっていますが、業界の最新情報をまとめて幅広く入手したり、実際の製品・サービスに触ってみるなら、展示会は欠かせません。
でも、歩いているだけでたくさんの資料を手渡されてしまうので、帰りにはカバンがパンパンに重くなって、持って帰るのが大変。さらに、その大量の資料を整理して社内で共有しようとなると、またひと苦労……という経験をされた方は多いのでは。
そんなときは Evernote を使えば、スマートフォン 1 台で、資料の整理から共有まで、展示会の帰り道に簡単に済ませることができます。
Evernote のモバイル版アプリには、カメラに写った書類を美しくスキャンすることができる「ドキュメントカメラ」機能があります。書類に合わせて枠を判別し、文字が読みやすいようにコントラストを補正してくれるので、会社へ持ち帰って複合機でスキャンしなくても、回覧するのに十分な画質で記録できます。
スキャンした書類とともにメモをテキストで残せるほか、写真や名刺も一緒に記録しておけるので、展示会の視察レポートが簡単にできあがり。チームへの共有も簡単なので「スキャンした書類の容量が大きすぎて、メール添付するためにいくつかに分割して……」なんて手間もありません。
夕方:クラウドでビジネスチャンスを逃さない
“さぁ、夕方のアポイントも終わって、このまま直帰しようかなと思ったら電話が。先ほど商談した A さんだ。
「さっきのサービス、とても良いのでさっそく上に情報を上げたいんです。いったん通常価格で構わないので、見積書の体裁で価格をいただけませんか?」
見積書の Excel フォーマットは会社の共有フォルダにあるし、会社の角印を押して出さなきゃなんだよな。仕方がない、ここはスピード感ある対応で印象を良くしたいから、会社へ戻るか……”
簡単な料金計算から複雑な商品リストまで、自由に作り込めてテンプレートも豊富に用意されている Excel は、今も昔も見積書作成のスタンダードですよね。また、お金に関わる書類なので、「押印しなければならない」「連番を振らなければならない」など、運用ルールを定めている企業も多いのでは。
見積書専用のツールを使えば、頻度の多い見積書作成業務が効率化できます。misoca (*) は、ブラウザから体裁の整った見積書をカンタンに作成できる Web サービス。あらかじめ社判の印影を画像データとして登録しておけば、プリントして押印→スキャンしてデータ化する手間が省けます。
* misoca は基本的に有料のサービスですが、無料で利用できるお試し期間があります。
また、作成した見積書をもとに、納品書や請求書を作成することもボタンひとつで可能。各書類の提出状況を管理する機能もあるので、営業〜経理まで帳票をスムーズに流すことができます。
今回は、普段の業務にリモートワークを取り入れるための、便利な Web サービス・アプリをご紹介しました。
最近では副業の解禁や、男性の育休取得推進など、多様な働き方が拡がってきています。業務で使うアプリは導入に会社の決済が必要な場合がほとんどだと思いますが、多様な働き方の実現と仕事のパフォーマンスの維持・向上のための方法(ツール)とをセットにして、会社へ提案してみてはいかがでしょう。
情報収集系のアプリは、個人でも手軽に使うことができると思いますので、ぜひお試しください。