この記事は学生アンバサダー 佐藤 大地さんによる寄稿です。
はじめに
ぼくは学部生時代と院生(修士)時代に二回論文を書きましたが、二回とも Evernote を使っています。もはや Evernote がなくては論文を書くことはできませんでした。
今回はぼくが論文を作る中で、どのように Evernote が使ったのかをできるだけ詳細に書きたいと思います。Evernote の使い方だけではなくて、論文一つを構想から完成させるまでどんな山あり谷ありがあって、どうクリアしたのかも参考になれば幸いです。
論文を書く上で大切なことは、論文という「木」を作り出す上で、どのように「幹」を作り、「枝」を作るのか。そして Evernote の中にそれら「幹」「枝」をどう形としてつくるかを考え、実行することでした。
論文の全体像は「木」
ぼくが論文の全体像として考えているのは、木の姿です。自分なりに「言いたいこと」が「幹」として中心としてあり、まずははっきりしなくても、これを頭の中から出すことが必要です。これがオリジナリティになります。
その言いたいことという幹の部分を助けるために「枝」があります。ここには、自分の主張が正しいことを示すために、具体例や統計データ、自分と同じ立場の意見、それから比較するために反対意見を持ってきたりします。この枝がどこにあるのかを探すために先生に相談したり議論し、書籍で読んだりウェブで調べて、さらにこの枝をどんどん幹にくっつけていきます。
これがぼくの論文イメージです。この木を完成させるために、これから多くのことを振り返っていきます。
論文プロジェクトノートブックを作る
春、論文というプロジェクトが始まりました。論文を始めようと思ったら、論文プロジェクトノートブックを作ります。なぜか。「論文に関するものがそこにある」と分かる状態がベストだからです。春に授業が始まったらノートを買うのと同じ。
Evernote を使っていると困ってくるのが、いろんなノートがたまりすぎて、お目当のノートに到達するのに時間がかかるということです。最初はこれも「検索すればいいじゃん」と思って検索して探し当てていたんですが、だんだんと、この探し当てる作業にも結構集中力を使っていたことに気づきました。探している最中に他のノートのことが気になっちゃって意識がそっちに向いて「あれ、結局自分なにしようと思っていたんだっけ?」と思ってしまうこともしばしば。
そこで、やっぱり欲しいノート、つまり幹になるノートはいつもトップに来て欲しいなと思うようになりました。
そして論文に関するノートは幹であろうが枝だろうが、「論文」ノートを開けばそこにあると状態にすることも大事です。そしてもっと大事なのは、そこには論文以外に関するもの、たとえば趣味の料理やカフェのノートは出てこないことです。これは、一度プロジェクト化して、そこに意識を集中すべきことに関しては、意識をあっちこっちいかせないために大事なことです。
ぼくは Evernote を整理することが得意ではなかったので、論文序盤はとにかくデフォルトのノートブックにぼんぼん入れて、カフェやら読んだニュースやら他のノートと一緒に入れていたのですが、そうすると、だんだんと論文を書き始めることが難しくなってきました。「よし、今は書くぞ」「他のことはしない、気にしない」というモードになれなくなってしまったんです。この「モードを作り出す」ということが、論文に取り組む際に集中を持続させるために大事だったように思います。
ですから、自分が本腰で何かを取り組もうと思った時は、まずはプロジェクトノートブックを作ります。そしてそのノートブックを開いているときは、そのプロジェクトをする自分モードを自動的に作り出せるようにします。
そして論文の場合は論文プロジェクトのノートブックです。ノートブックは、今では PC からでもアプリからでもつくることができますので、まずは宣言がてら、論文ノートブックをつくります。
まず書くかしゃべる
ある程度のテーマが固まってはいるものの、具体的に何から手をつければいいのかわからない。学部 2 年生から論文を書く経験させてもらったぼく。まずは、先生と話すことから始めました。
そもそも、論文のゴールは「?」を出して、それに解決策を出すこと。ですから、まずは自分の中にある、「?」をしっかりと見つけ出す必要があります。そのためには、周りの人に興味のあるニュースやテーマをなんとなく話します。
話さねば始まりません。話せばはっきりしてくるので何となく前に進みます。とにかく話すことです。
ぼくが学部生の頃もそうだったのですが、最初は「戦争のない平和な世界を作る」だったのですが、話しているうちに「民主主義のシステムを見直す」というところにたどり着きました。話してみないと逆に何もわからない可能性があります。
ぼくの場合は尊敬する教授がいて、学部 2 年の頃に論文っぽいものを書くゼミに入ったのでこの機会が自然と訪れました。なければ、好きな先生にアポを取って話にいきます。意外と多くの先生が親切に対応してくれます。
自分の頭を整理して、「?」を出せばいいので必ずしも教授である必要はありません。友達でも良いと思います。ただ、この後の「参考にすべき情報やヒントを教えてもらう」ことを考えれば結局のところ先生にも行ったほうが良いと思います。
教授と話しヒントを得る
1 時間ほど、今頭の中にあるキーワードについて考えが出したら、それを Evernote 内にノートをつくってまとめます。「あるテーマに対して、自分はこんなことを考えている。それはこんな体験や話を聞いたからだ」
そうしたら、知恵を借りに行くために、お世話になっている教員に連絡をとって、知恵を借りましょう。そのテーマの先を行く人に話を聞いてもらうことで、必ず見ておくべき主張や、その反対の意見や、注目すべき意見、自分に似た意見をもらうことができます。ちょうど、何か映画は見たいけど、何を見れば良いか分からないときに、映画に詳しい友人や店員さんに「こういう感じのオススメの作品ある?」と聞くのと似ています。自分で探すのは、それだけで時間がかかってしまいます。
ぼくの思うところを先生に話したところ、先生は「佐藤さんはこの人の意見を読んでもらいたいですね」とオススメの論者を紹介してくれ、さらには、そのときにはダウンロードできなくなっていた論文を読ませてくれました。このときに紹介していただいた論者の意見や書籍が、修士論文の中でも重要な位置を占めることになります。
話した内容を紙に書いたなら、Evernote 内のカメラで撮影します。Evernote 内のカメラはスキャン効果があり、標準カメラで撮影するよりも綺麗ですし、何よりも紙のサイズを認識するのでとても便利です。そして最近だとスキャナブルというアプリもリリースしています。これはつまるところ、Evernote 内のスキャン効果を持つカメラの機能だけを取り出したようなアプリで、これもまた便利です。
『Scannable(スキャナブル)』↓
https://evernote.com/intl/jp/products/scannable/
そして 1 分ほどで話した後、忘れないうちに自分の考えたことを文章の形で書き出すことはとても意味がありました。こうやって文章というかたちにすることで、ふんわりと頭の中にあることが形として残るからです。ふんわりしたままだと、そのまま消えてなくなり、また同じことを考えたりして時間が無駄になってしまいます。紹介していただいた学者や書籍はその場でメモをして、Evernote に入れます。そうすることで次で紹介するように、図書館での検索がスムーズになります。
数年勉強した自分だけの力では、まだまだ見渡せる範囲は広すぎて、時間が足りません。大学には、偉大な先輩がすでに何百時間をその研究や議論に費やしているので、その知恵という巨大なデータベースを使わない手はありません。
幹ノートを作る
そうやって書き出したり話した内容を Evernote 内に記録します。これが序盤戦で最も大事です。箇条書きでも構いません。まずはキーワードからガシガシ書いていく。自分なりの考えた事が出てきたら書いておきます。そしてタグは「幹」「枝」とふります。あとで何が幹で枝なのかをわかりやすくするためです。
さらにリマインダーを付けます。明日の昼休みに。これは論文について忘れないで継続して取り組み続けるためにとても大事なことです。
リマインダーがなったらサラッとでもいいので、ノートに目を通します。そうすると、今日は今日で気になったことが出てくるのでそのときにはノートに一言書き込んでおきます。「これってどうなってるんだろう? あとで調べておく」とか独り言でも立派な気づきだと思います。まずは記録し、それを見返すこと。この小さな始まりと継続こそが、やっていない人に比べて後々に大きな前進になります。
紙に描き出す。画像を撮る文字にする。画像と文字で一つのノート。これで幹になっていくノートの芽をつくることができます。これができないと何も始まりませんし、論文生活を振り返って、これだけでももっと早くやっておくべきだったと少し後悔しています。締め切り2週間前に始める人もいるんですけど(笑)
枝ノートをつくる
幹をつくり、そこから次の疑問や調べたいことが出てきたら、ウェブや書籍やその他調査をして、幹から伸びる枝を作ります。ここでは、二つの方法としてウェブページと書籍から枝ノートを作る方法を追って説明していきます。
ウェブから情報を集め始める
いきなり気負って「図書館へ!」と思うと、結局やらずじまいになってしまうのでここはまず空いたスキマ時間を使ってウェブで検索します。ウェブクリップをする際は、ぼくは一番『ドルフィンブラウザ』を使うようにしていました。なぜかと言うと、タグを振ることができるからです。
Evernote 公式アプリでも Safari からウェブクリップはできるのですが、タグを振ることはできません。その場で振り分ける際に一手間余計にかかるわけです。
ウェブクリップをする際にとても重要なのは「コメント」です。なぜその記事を保存しようと思ったのか、その記事のどこが重要だと思ったのか。それが実は論文の厚みを増すために大事な考えです。言葉にしておけば、あとでそれを読み返し、新たなトピックとして論文に貼り付けることもできます。
これをしていなかったときは、あとで読むとなぜ自分がそのクリップをしたのかがわからずに、長い記事を全部読み返すこともざらでした。それが時間の無駄になってしまうんです。ですからウェブクリップをしたら、なんでも良いから自分なりのコメントを残す。これは徹底しました。
図書館で本を探す
図書館で本を探しに行く際にはこちらのサービスが便利です。
その本、図書館にあります。
これは、Google Chrome ブラウザの拡張機能で、Amazon で書籍を検索したときに大学図書館や市民図書館などにその書籍があるかどうかも一緒に検索してくれるものです。だから例えば、買うならいくらなのかという情報を見ながら、借りることができるのか?ということも見ることができます。いちいち別に調べなくてもいいんです。
導入方法は、こちらの記事を参考に。
Amazon で検索した本が近隣図書館にあるかどうか教えてくれる Google Chrome 拡張機能「その本、図書館にあります。」 – GIGAZINE
本を読む
借りた、あるいは買った本を読んでいく段階に入りますが、特に借りた本を読む際にはコツがいります。自分で買った本と違って、たとえば本に線を引けないなど思い通りに読むことができないからです。図書館の本を取り込む際は、この 100 均のフセンが便利です。
このフセンを使えば、矢印効果で、どのページが重要かだけではなくて、どのページのどの行が大事かまで示すことができるからです。しかも 100 均なので、ガンガン使えます。貼ってみるとこういう風になります。
コツは、読む前に、フセンを何枚か余裕を持った枚数で裏表紙に貼っていくことです。
そうすると、気になった箇所が出てくるたびにフセンの束を取り出さなくていいからです。図書館の本全てを画像に撮ることは、実は著作権上違法になるのでご注意ください。また「ページ数、名前、出版年」は必ずメモるか画像で記録するようにしてください。あとで論文の「参考文献」として情報を載せる際に使うからです。
そして書籍を読むときも「コメント」が重要です。ウェブクリップをするときと同じで、画像の近くに「なぜ自分がその部分を保存したのか」「その記事のどういうところが重要だと思ったのか」を短くても書くようにします。
ウェブクリップに対して、写真は紙媒体を「リアルクリップ」する感覚ですが、紙か電子かの違いでクリップする目的は変わりません。とにかくビビッときたということは、自分の主張へのヒントになっているはず。だから頭によぎったその言葉をしっかりメモしておくのが大切です。
スキマ時間を制するものが論文を制す
論文のプロジェクトを抱えてから、ぼーっとしている時や歩いているときに、ハッとアイディアが浮かぶこともあります。そういう隙間時間もアイディアを逃さないことが必要です。むしろ、この時間に出てくるアイディアこそ重要だった気がします。
そのスキマ時間のメモには、いわゆる「サードパーティーアプリ」を使うと良いです。なぜ標準の Evernote アプリではないかと言うと、スキマ時間を使って論文を進める。そのためには、起動はとにかく早い方が良いです。モバイル端末の Evernote を使うことは大前提ですが、例えばぼくみたいに1万もノートがあると、起動するのに時間がかかることもあります。この数秒の違いがとっさのヒラメキやメモには大事な時間です。そこで、メモをするだけなら、起動に特化したアプリを一緒に使うことをお勧めします。ぼくがヘビーに使ったのは『SmartEver』です。
アプリ内で作ったノートには「SmartEver」というタグが自動で振られ、SmartEver のアプリでオンラインオフライン問わずに見ることができます。しかもタグやノートをふりわけることができるのでめちゃくちゃ便利。さらに、他のアプリからノートを作ったときにも「SmartEver」タグを付ければ、SmartEver アプリで見られるというスグレモノ。他のノートで起動が重たくなってしまった標準アプリとは別に、論文プロジェクトのノートだけを手早くメモして手早く見たいという要求に応えてくれました。
また、SmartEver が良いのは各ノートへの URL スキームが使えることです。URL スキームは、簡単に言うと「アプリ間ジャンプ機能」。別のアプリを開いていた時でもその URL をタップすれば、SmartEver 内のノートへとジャンプできます。この機能の活用法は、後で述べる「やることリスト」との連携で、これがめっちゃくちゃ便利でした。
その他「FastEver」なんかも、ノートを速攻で作って速攻でアップするだけに特化したアプリとして最強です。
こういうアプリを探すために、アプリのストアから「Evernote」と検索して関連アプリを見ていって探すこともありました。あとは「おすすめ Evernote アプリ」というようにまとめてくれているページもたくさんあります。学生は論文を書く時間があるようで、ありません。スキマ時間をどう見つけ、どう活用し、どう進めていくか。やること・書くことが決まった段階ではここが大きな勝負になります。
タスク帳をうまく使う
たくさんの枝が伸びてきて、様々に興味が広がり、また幹のノートにも細々調べないといけないことが増えてくると、やることが増えてきます。最初は「この本だけまずは読もう」とシンプルだったやることが、複雑になってきて、「あれ今日は、次は、一体自分は何をすればいいんだろう?」と分からなくなって、分からないから進めないという時期に入ります。
そういうときには、次にすべきことをシンプルにして、まずはそれに取り組めば良いとはっきりさせるために「タスク帳」を使います。ぼくのオススメは「Wunderlist」「Any.do」です。
このリストに、論文を書いていたりしたときに「調べたいなあ」「あれはどうなってるんだろう」「先生にアポを取ろう」といった「次やる具体的な行動」をとにかく書きためていきます。
論文のプロジェクトを進めるときにはそこを見て次何をするかを見るようにしました。また、このリストの各項目には、メモ欄があります。これが SmartEver との連携でとても便利です。SmartEver のアプリ間を移動する「URL スキーム」。これを使います。
例えば、論文の書きかけの文章があったら、SmartEver で見られるようにして、URL スキームを取得します。それをコピーして、やることリストの「このノートの不明点をウェブで検索する」という項目のメモ欄に貼り付けておけば、いちいち SmartEver から該当のノートを探さなくても、やることリストでやることを確認してそのまま使うノートにジャンプすることができます。
今日何をしよう?と思った時に、そのリストを見れば分かる。そのリストを見れば始められる。この状態がベストだと思います。いちいちやることを考えない。不安だからこそ、少しずつ少しずつ進みます。
関連ノートを生かす
これはプレミアムユーザーだけの機能なのですが、ぼくが重宝しているものに「関連ノート機能」があります。関連ノート機能っていうのは上の画像にあげた感じで、書いているノートの情報から、過去の似たノートを提案してくれるもの。
ぼくの場合、かつて学部時代のゼミで調べていた内容も表示されたので、修士時代に再度調べる手間がはぶけましたし、1 万以上の膨大なノートから手動で見つける手間が省けました。「お、やるじゃん過去の自分」みたいな気分になりました(笑)
日経の電子版との連携「コンテキスト」
コンテキストも上手に使えば、自分が書いている内容の補足や反論記事が関連記事として出てくるので、偏った内容にならない可能性もあります。Evernote だからこそできる機能だと思います。
小さな情報をマージで集める
様々なことを思いつき、小さなノートを作っていくと、同じようなことについて考えたノートが散らばっていきます。ぼくの場合、「長良川河口堰事件」というある訴訟について、色んなノートが散在してきました。「この訴訟のノートたちをひとつにまとめて見たいなあ」と思ったので、「長良川河口堰事件」について調べたノートを検索し、またそれらのノートに関連ノートとして出てきて使えそうなものを、全部マージしました。
「マージする」というのは、複数のノートをひとつにまとめる方法です。PC であれば、Evernote 内で行うことができますがスマホやタブレット端末では行うことができないので、別のアプリを使います。『MergeEver』がオススメです。
こうやって、一本の幹から作り上げた主張から閃いたことを、ノートにしてとにかく貯めていったら、定期的に見直すことで、あるトピックについてのひとまとまりにしてあげました。すると新たに閃く点があり、論文の幹をなす太い枝になります。
ぐちゃぐちゃした考えを再び紙に描いてみる
文字にした情報が集まってくると、だんだんと頭の中が混乱してきました。論文を本格的に始めて中盤戦、月数にすると3ヶ月くらい経ったときのこと。「幹」である言いたいことに対して、さらに調べたトピックや書籍で読んだこと、考えたことが枝としてどんな風につながっていくのか、なぜこれが必要なのか、そもそもいらなかったんじゃないか、とうまく全体像がつかめなくなり、ぐちゃぐちゃしてきます。自分が一体にしてどんな木を作りたかったのか、枝が増えるからこそ、分からなくなってくるんです。
そこで、作ってきたノートを見ながら、もう一度紙に書き出します。なぜPCなどではなくここは紙に描くかといえば、瞬時に描けて、自分が描いている全体像を見渡せるからです。例えば、ここは文字で書きたい。ここは文字に表せないから絵で描きたい。というように描き方が制限されず、ああ、そうかこのキーワードがこれとつながっていたのか、というように全体を見渡せるからこそ見えてくる関連性もあります。ぐちゃぐちゃしたときこそ、紙に書きなぐります。
ぼくの場合は「東日本大震災」「環境」「長良川河口堰訴訟」「熟議民主主義」というような自分なりに強く意識するトピックやキーワードを書き出し、それぞれがどういう関係で繋がるのかを線で繋いだり言葉を補い、また色ペンで囲ったりしていきました。そうすると、文字の情報よりもより一層全体が見わたしやすくなり、自分の頭の中で一体今どんなことが考えられたり、ふわふわ浮いているのかが分かります。それだけでも、大きな収穫です。
そして、その紙に描き出したものを見ながら、Keynote や PowerPoint などのプレゼンシートに大まかに言いたいことをスライドにしていきます。全体をざっくりざっくりスライドにしていきます。
なぜプレゼンシートか。それは大事な部分をざっくりと把握できるからです。文書ソフトだとあまりにもスペースが広いのでいろんなことを書いてしまい、情報の強弱がつかず結局また全体が見渡せず道に迷い、意味がなくなってしまいます。
プレゼンシートは、画像として保存することができるので、「名前をつけて保存」から、画像形式で保存します。そしてその画像を Evernote にひとつのノートとして保存すれば、いつでもどこでも見返すことは可能です。サラッと見るだけでも良いアイディアが浮かんでくることもあります。
進めてきたからこそ出てくる混乱を一度頭の外に出して、把握し、もう一度強弱をつけて整理し直す。それで頭がすっきりしていきます。
ノートリンクをつけてみる
頭を整理して論文全体の木の姿が見えたら、また一気に長く書くのではなく、幹ノートと枝ノートを分けてみます。こうする理由は、せっかく見えた構造も、また何万字と書くうちに見失って大きく混乱するのを避けるためです。そのために、「幹ノート」と「枝ノート」を Evernote 内の「ノートリンク」を使って分けるのが便利です。
Evernote のノートはひとつひとつ共有リンクがあります。枝の部分にあたる各トピックや意見、本についてまとめた内容を書いたノートのリンクを、幹ノートの各部分に貼っていくというイメージです。
こうすれば枝ノートもあっちこっちに行って見つかりづらいということもなくなり、全体像の中で細かい部分を見たり、編集もできます。
ノートリンクの取得の仕方については参照↓
Evernoteのノートリンクで https:// じゃなくて evernote:// を取得する方法 ごりゅご.com
おわりに:論文は学生最大のプロジェクト
こうして、整理と情報収集を何回も繰り返しながら、上手な方法を模索しながら、ぼくは論文を書き進めてきました。
論文と一口に言っても、それは「ただ調べて書けばいいんでしょ」というわけではなく、計画を立て、それを管理するツールを選び、使いこなし、また他のバイトや就活などの生活と並行しながら論文プロジェクトを管理する必要がありました。そうして学生生活で考えてきたことをきちんと表現仕切ること。それは学生最大のプロジェクトであるし、学生生活でやってきた能力を総動員する必要があります。
これを読んだ方が Evernote とともに論文プロジェクトの第一歩目を踏み出す手助けになればと思います。
佐藤大地さんのブログ、人生かっぽ —佐藤大地ブログでは、他にも Evernote の使い方をご紹介いただいています。