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製造業ノマドワーカー・堀江賢司さんの Evernote 活用術

幟、旗、幕など布への印刷を行う、のぼり製造業の堀江織物株式会社に勤務する堀江賢司さん。愛知にある本社ではなく、東京で独りノマド営業所としてコワーキングスペースを点々とする堀江さんのワーキングスタイルに Evernote はなくてはならない必須ツールなのだとか。のぼり製造業というアナログな業界の中でデジタルツールをどのように活用されているのか、お話を伺いました。 氏名:堀江賢司 (ほりえ けんじ) 所属:堀江織物株式会社 Twitter: @kenji904 blog:東京ノマド 営業所 「ノマドという働き方と Evernote の相性は非常にいいと感じています」 ――堀江さんは東京でノマドワーカーとして働かれていると伺いました。その中で Evernote が役立っているとか。 堀江「ええ、私は愛知県に本社がある堀江織物株式会社という会社で働いています。といっても本社勤務ではなく、東京で“独りノマド営業所”としてコワーキングスペースやクライアント先にいることが多いです」 ――なるほど。最近ノマドスタイルが流行していますが、堀江さんの場合はフリーランスではなく、伝統的な業種の中で現代的な働き方をされているというところがとても面白いですね。 堀江「そうですね、東京では新規事業開拓をやっています。もちろん本社との行き来ややりとりも頻繁に行いますし、そうした自分のスタイルと Evernote というツールとの相性は非常にいいと感じています」 ――具体的にどんな使い方をされているのでしょうか。 堀江「まずは一般的な使い方ですが、名刺管理ですね。1週間か2週間分に一度、まとめてScanSnapで取り込みます。愛知の本社に月のうち1週間ほど戻るので、そのときに上司が溜めている名刺も取り込みます。FastEver Snap で取り込んでもいいのですが、数が多い場合は ScanSnap の方が楽ですね。それに ScanSnap だと裏表を一気に取り込めますよね。これが便利です」 ――というと? 堀江「名刺管理の方法は僕のやり方を @ushigyu さんがブラッシュアップして、ブログでまとめてくれていますが、表裏を両方スキャンした上で一つのファイルにしてくれるんですよ。こうするとEvernoteに取り込んだ後のサムネイルが、常に名刺の表の面で表示されるんです。すると名刺のサムネイルだけザッと眺めるときに見やすいのです」 ――なるほど! 後から検索で探したりすることも? 堀江「もちろん、検索も使いますよ。というよりも検索ばかり使うので、タグ付けをほとんどしないんです。つけるとしたら「名刺」というタグではなく、その人とお会いしたイベント名などですね」 ――Evernote には OCR 機能があるので後からでも探しやすいですよね。 堀江「そうですね。それだけではなく、私はよく検索する方の名刺には、名前などの情報をテキストでも入れて、検索の精度を上げています。スキャンしたときにも OCR 情報を埋め込み、自分でもテキストで入力し、Evernote 自身の OCR 機能も使う。そうやって保険をかけてより探しやすくしているんです。といっても名刺交換してその後まったく連絡を取らないことも多いので、基本的には“名刺を 2 回探したら、そのついでに名前を入れる”という方針ですね」 ――全部の名刺データに名前を入力するのは手間ですから、それが一番効率のいいやり方ですね。 堀江「あとは、その方のメールの署名も入れますね。実は名刺よりも署名の方が情報量が多かったりするんですよ。それに署名ならテキストなので絶対に検索で出てきますし、コピーできるから自分で打たなくて済みますし」 ――署名ですか! 言われてみればたしかにその通りですね。他にEvernoteに保存しているものはありますか? 堀江「ウェブクリップとか、クックパッドのレシピとか、子どもの絵を写真で保存したりとか、RSS を飛ばしたりとか……。仕事では注文書や資料、見積もりなどの書類等々、紙物を取り込むことが多いです。基本的にタグは使わず、ノートブックで細かく分類をしています。クリップするときは、Clearlyを使うと、サイトのメニューなど余計なものを省いたスッキリした形で保存できて気に入っています。あとはインターネット FAX ですね」 「インターネット FAX を使って書類を Evernote に自動送信しています」 ――インターネット FAX ? 堀江「たとえば出先で書類をいただくとします。それを FAX をお借りして自分宛にインターネット FAX で送信するんです。すると Gmail に FAX のデータが届くので、そのメールをさらに

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プロダクトデザイナー久下さんに聞く、Evernote & Skitch 活用術

東京/渋谷にオフィスを構え、家電製品や情報機器のデザイン開発、サービスモデルのデザイン、コンセプトメイキングなどを手がける、tsug.LLC(合同会社ツグ)。同社代表であり、プロダクトデザイナーとして活躍されている久下 玄さんは、EvernoteとSkitch for Androidを使いこなすヘビーユーザーでもあります。プロダクトデザインという仕事でEvernoteとSkitchがどう役立っているのか、久下さんに伺いました。   氏名:久下 玄 (くげ はじめ) 所属:tsug.LLC Twitter: @kugehajime   「Evernoteが消えたら僕は仕事ができなくなります(笑)」 ――EvernoteとSkitchをかなりヘビーに使われているとか。 久下「そうですね、Evernoteが消えたら僕は仕事ができなくなります(笑)。それくらい仕事用のファイルをほぼすべて入れてありますね。逆にプライベートではあまり使わないかも。写真を撮っても放置しちゃってるし。Amazonの注文番号とか、振込先の口座番号とか、そういった情報メモとしては使ってますけどね」 ――完全に仕事特化なんですね。ノートは何でもどんどん入れていくタイプですか? それとも一つのノートを編集して更新していくタイプですか? 久下「後者ですね。とにかく追記と加筆を繰り返します。ビジネスモデルを作るコンセプチュアルな仕事が多いので、概念を図表化してそれを取り込むことが多いですね。さらにミーティングでの会話を録音したファイルや手打ちでテープ起こししたテキスト、そういうものをプロジェクトごとにまとめて一つのノートに保存しています」 ――そのノートを見ればすべて入っているというのはわかりやすくていいですね。 久下「風呂でアイデアを思いついたときなどは、タブレットを風呂のふたの上に置いて、Skitchで図を描いてそのまま取り込んだりとか。とにかく思いついたらすぐに描いて保存。思いついたことって、5分と覚えてられないんですよ。風呂から出る頃には忘れてしまう(笑)」 ――それ、わかります(笑)。普段はどんなデバイスでEvernoteやSkitchを使われますか? 久下「iPhoneも持っていますが、Android端末で使うことが多いですね。Androidの一番いいところは、インテント機能でどのアプリからでもEvernoteに保存できるところです。iOSの場合はアプリに連結の仕組みが入ってないとダメですから。だからタブレットもiPadじゃなくてGALAXY Noteを使っているんですが、ペンもついていて僕には合っています。打ち合わせなんかだと、タブレットでSkitchを起動したまま会話中にどんどん図表や絵を描いていくんですよ」(と、話ながらさっと書いて頂いた図が、下の写真にある車のスケッチと概念図です。)   「Evernoteの良さはファジーであること」 ――打ち合わせ中にSkitchを使われるんですね。 久下「そうなんです。もちろん紙に手書きすることも多いですよ。ただ、紙とペンは自由で速いのですが、それだけに“書けすぎてしまう”ので、考え方が複雑になりがちなんです。Skitchとスタイラスなら、自由度はあるんだけどあまり細かくは書けないし、イラストも抽象化せざるを得ない。だからこそ自分の脳をシンプル化できるんですよね。たとえば概念を示すためにあえてレゴブロックを使う人がいますが、それのもっと柔軟なバージョンです」   ――なるほど、最終的に細かくてちゃんとした資料を作るにしても、アウトラインを作る段階ならそれくらいで充分ですよね。 久下「それにスピードもぜんぜん違います。たとえばアプリの遷移図を作るときに、最初からすごく綺麗に画面を作って1週間かかるよりも、手書きでもいいからすぐ返答できる方がいいですよね。速さって大事ですから。そういうときにもSkitchはすごく便利です」 ――SkitchならEvernoteへの保存も速いですしね。 久下「Skitch以外にもドローソフトって色々と出てきているんですが、Evernoteがデバイスを問わずそれらの入れ子になっているというのは面白いですよね。僕はEvernoteの良さって、デジタルアナログ関係なく、ファジーであることだと思っているんです」 ――というと? 久下「先ほどプロジェクトごとに何でも入れていると言いましたが、Evernoteにはそういう風に“ぐちゃぐちゃでも許される感じ”があるじゃないですか。僕はノートブックを社内のデザイナーと共有して資料のやり取りをしているんですが、かっちりしないといけない感がない。これがパワーポイントやキーノートだと、ちゃんと書かなきゃってなるんですけど、それが必要ないのでスピード感が出るんですよね。『お世話になっております』っていちいちつけるのは、やっぱり面倒なんですよね(笑)」   「Evernoteは一向に完成しない“Nevernote”」 ――たしかに、Evernoteはいわば「自由帳」のようなものですからね。 久下「あとは“終わらない”というのが個人的に重要だったりします。ノートは縦スクロールで、いくらでも追記できますよね。それがタイムラインの概念を生んでいて、情報の構造化ができる。紙だと書いたら消せないし、ページをどんどん付け足していくってことができませんからね。僕にとってEvernoteは一向に完成しないノート、いわば“Nevernote”なんです」 ――すばらしいキャッチフレーズ、ありがとうございます! ところでEvernoteで何をしていいかわからず挫折してしまう方もいるのですが、久下さんはそういうことはなかったですか? 久下「挫折したことはないですね。ノートを綺麗に整理しようとしたことがないからかも。全部を整理するのは限界があるし、カテゴライズするだけで疲れてしまいます。整理する機能はEvernoteが持っているので、そこはやってもらおうという考え方ですね」 ――なるほど。 久下「そういえばEvernoteって一つ面白い現象がありますよね」   「意図的にカオスを作り出せるシステムがクリエティブな発想を生む」 ――面白い現象? 久下「更新日で並び替えたときに、更新していないノートでも、カーソルが入っただけで更新されたと認識して上がってくることがあるんですよ。たまたま見ただけのファイルが上にくるという仕組みがユニークだなと」 ――こんなノートあったあった! って懐かしくなったり驚いたりすることはありますよね。掃除中に昔の写真アルバムを見つけたみたいな(笑)。 久下「そういう“意図的にカオスが作り出せるシステム”って面白いんですよ。何かをクリエイションするとき、あらかじめ用意されたフォーマットの中に入れ込んでいく作業からは新しいものが生まれないんです。だからタグを眺めているだけで、昔クリップして忘れていたノートとの偶然の出会いがあったりする。たとえば今見ると……『脳波』っていうタグがありました(笑)。脳波セットをクリップしてますね。たぶん、これを買おうと思っていたんでしょうね」 ――そうやって見直すだけでも面白いですね。 久下「ミーティングで特にフォーカスすることがないときなんかは、こうやってEvernoteを見るだけでいくらでも話題が出てきますよね。他にも語句で検索をかけたときに、OCRでぜんぜん関係のないノートが引っかかって、そこから新しい発想が生まれることもあります。これがEvernoteの面白さの一つですね」 ――ありがとうございました!

少数民族言語学研究者・児倉徳和さんが語る Evernote の意義

日本学術振興会特別研究員として、少数民族の言語学の研究をされている児倉徳和さん。フィールドワークや大学の講義、さらにはプライベートでのライフログなど、あらゆる場面でEvernoteをフル活用されているとか。お話を伺う中で、Evernote上級者ならではのテクニックも教えていただきました。 氏名:児倉徳和 (こぐら のりかず) 所属:日本学術振興会特別研究員   「現地でのフィールドワークや大学の講義にEvernoteを活用しています」 ――児倉さんは少数民族言語学の研究をされているそうですね。その調査にEvernoteが役立っているとか。 児倉「ええ。私が研究しているのは、中国新疆ウイグル自治区に居住する民族が話すシベ語という言語です。シベ族は18世紀中期に国境警備のため中国の東北地方から派遣され定住した人々の子孫で、現在シベ語を話す人口は3万人ほどです。私は毎年1回くらいの頻度で現地を訪れてシベ族の人々にインタビューし、書き取った手書きのノートや音声ファイルなどをEvernoteに保存しています」 ――いつ頃からEvernoteを活用されるようになったのでしょう。 児倉「フィールドワークでは2010年から使い始めました。音声ファイルだけでなく、書き起こしたテキストも一緒に入れてあり、後から赤い文字でコメントを書き加えたりもします。他にもちょっとしたビデオクリップやフィールドワークの風景を写した写真なども入れていますね。Evernoteには50MB(注:プレミアムアカウントの場合。無料アカウントは25MB)のファイル制限があるので、その点には注意しています」 ――大学の講義でもEvernoteを使われているのですか。 児倉「大学で音声学を教えているのですが、学生に教材として聞かせる音声のサンプル(クリックで再生)を入れています。使うときはAndroidケータイやタブレットとスピーカーを直接つないで再生していますよ。「教材」というタグをつけて管理しているのですが、Androidの場合、特定のノートやタグへのショートカットをホーム画面に置くことができるので、非常に重宝しています。こうしておけば、関連ノートへワンタッチでアクセスできるわけです」 ――Androidならではの機能ですね。他にはどんなものを保存されていますか? 児倉「何でも入れていますね。いただいた名刺だとか、年賀状だとか、ウェブで公開されている論文だとか……もともと何でも取っておいて溜め込むのが好きなタイプなんですよ。でも紙類っていざ見返そうと思ったときに出てこないですよね。これじゃ取っておく意味がないなと思っていたのですが、スキャンしてEvernoteに入れるようにしてからは捨てていいやって。もちろん捨てられないものもあるんですが、Evernoteでいつでも見られるとなれば、しまい込んでしまえますからね(笑)」 ――たしかに、物をしまい込むとしても、「いつかまた出さないといけないかも」というのと、「もう出さなくてもいい」というのではかなり意識が違いますよね。 児倉「そうなんです。あとは重要なメールをEvernoteアドレスに転送したり、レシートも入れてますよ」 ――レシートは家計簿の補助として使われているのでしょうか? 児倉「最初はそう思ったんですが、それは直接別のソフトに打ち込んだ方が早かったです。ただ別の効果がありまして……」   「Evernoteにレシートを入れていたことで、思わぬ効果がありました」 ――というと? 児倉「以前、妻と化粧品を買いに行ったのですが、そのときに「前に買ったのはこれだったっけ?」と尋ねられまして、試しにお店の名前とだいたいの日付けでEvernote内を検索してみたんですよ。そうしたら前に入れていたレシートが見事に引っかかったんです。Evernoteってすごい!と思いました(笑)」 ――それはEvernoteというよりも、児倉さんのマメさがすごいのでは……(笑) 児倉「そうやって後から検索すると色々わかることもあって面白いです。スターバックスで検索するとレシートがどさっと出てきて、だいぶお金使っちゃってるなとか(笑)経年の変化が見られるのも興味深いです。」 ――レシートって自分の行動記録そのものですよね。話は変わりますが「保存された検索」機能は使いますか? 児倉「使っていますよ。その機能はですね、Evernoteに入れたノートを整理するときに使います」 ――ノートの整理ですか? 児倉「私は一週間に一度、Evernoteを整理するのですが、そのときタイトルやタグをつけずに保存した未整理のノートに、後からタイトルやタグをつけていくという作業をします。「保存された検索」機能を使うと、この作業をかなり効率化できるんです」   「“保存された検索”機能を使うことで、ノートの整理を効率化しています」 ――具体的にやり方を教えていただけますか。 児倉「まず携帯電話で撮った画像つきのノートを検索します。自分でタイトルをつけずにEvernoteに入れると「無題のノート」や「スナップショット」といった仮のタイトルになるので、そのキーワードでタイトル検索します。するとタイトルを付け忘れたノートが抽出されるので、これに「昼食 サンドイッチ」など自分ルールに基づいてタイトルを入れていきます。スキャンした文書についても同じようにします。ここまで終われば、あとは流れ作業です」 ――なるほど……。 児倉「次はin title、つまりタイトルの文字列で検索をかけ、出てきたものに指定のタグをつけていくのです。先ほど「昼食」というタイトルをつけたノートには「昼食」のタグをつけ、「朝食」というタイトルをつけたノートには「朝食」のタグをつけていきます。ここを流れ作業にすることで、整理にかかる労力を減らすことができるわけです。特に私はタグをたくさん使っているのですが、タグはノートブックと違って複数付けられるので便利です。」 ――「保存された検索」の一覧を見ると、かなり細かく指示が書いてありますね。 児倉「この「保存された検索」を上から順番に見ていくだけで、未整理のノートがどんどん整理されていくという仕組みになっているわけですね」 ――「保存された検索」を使った応用テクニックですね。 児倉「Evernoteのおかげで仕事もプライベートも整理が楽になりました。今となってはEvernote以前の生活は思い出せないくらいですが、昔は資料はバラバラに保管していたはずだし、海外に長期出張するときは資料を抱えて行ったものです。今はネットさえつながればいいわけですからね。でも本当に役立っているのはデータのバックアップかもしれません。昨年の震災時、私はこの部屋にいたのですが、調査ノートは置いてハードディスクだけを持って家路についたんです。でも家は遠く、途中で何があるかわからない……そういうとき、Evernoteにバックアップがあるというのは心強いと思いました」 ――たしかに貴重な資料などが震災や津波、火災などで失われることは多いですよね。 児倉「そう、どんなに大切に保管していても、たとえば東京がなくなってしまったらすべて消えてしまいます。たとえば、かつてある先生が書いた博士論文が空襲で焼けてしまったという出来事もありました。特に少数民族言語の場合、調査記録がなくなったらその言語そのものがなくなってしまうという状況もありうるわけです。また、EvernoteのCEO・フィルさんはEvernoteを100年続く企業にしたいと仰ってますから、我々の研究をずっと残すためにもぜひがんばってほしいですね」  

「美容師は常に勉強なんです」─ 荻原奈々さんの Evernote 活用術

「Evernote をとても上手に活用されている美容師さんがいる」というお話を聞いて、荻原奈々さんのところに取材にうかがいました。 荻原さんは、東京は四谷にある『キノシタ・ガイエン・イースト・ストリート』という美容室にお勤めの美容師さんです。お客様へのヘアスタイルの提案などに iPad と Evernote を活用されているそうです。 氏名: 荻原 奈々(おぎはら なな) 職業: 美容師 Webサイト: http://www.kinoshita1894.com/ 同店代表の木下裕章さんは雑誌にも登場し、美容師の勉強会にも登場されるような人だとお聞きし、いわゆる『カリスマ美容師のいるお店』のような雰囲気なのかと緊張してお店にうかがったところ、もっとアットホームな雰囲気。ご近所のおばあ様がカットに来られるような、そんな親しみやすい空気が漂っていました。 聞けば、同店は美容院でも理容店でもある、いわゆる地元に根ざした理美容店(女性向け美容と、男性向けのヒゲ剃りなどを両方扱うお店のこと)で、四谷という土地で 118年前から営業しており、現在の代表はなんと5代目なのだだそうです。 「美容師の独特の仕事に、Evernoteはぴったり」 ──荻原さんは、Evernoteをお仕事で非常に活用されていると聞いたのですが、お客様へのヘアスタイルの提案などで使われているのですか? 荻原「そうですね、さまざまなヘアスタイルの写真を入れておいて、検索してすぐにご提案できるようにしています。でも、一番役に立っているのは、むしろ勉強の方ですね。美容師って、常にがんばって勉強しないといけないお仕事なんです」 ──どんな勉強を? 荻原「カットの手法や、お客様とのコミュニケーション、流行……など、常に勉強していないといけません。特にカットの手法については、手描きの図を取り込んだり、写真の上から書き込んだり。また、勉強会の時にホワイトボードに描かれたものを取り込んだり、それぞれの写真や図に添えていろいろメモを取ったりすることもあります。写真や絵と、文字を両方扱える、それがとっても私たちにとっては便利なんです」 ──なるほど、ヘアスタイルというのは、こうやって記録するんですね!こういう設計図があるとは初めて知りました。 荻原「営業時間が終わってからも、お店でウィッグを切って勉強したり、休日は勉強会に参加したりして、いろいろなノウハウを覚えていきます」 ──営業時間外も勉強で大変ですね。 荻原「常にそうしているので、大変だと感じたことはありません。仕事が好きで一生懸命やってらっしゃる方は、どんなお仕事でもそうなんじゃないでしょうか?だから、記録したものを、さっと取り出せる。それが大切です。それに、いろんな端末で見られるというのも役に立ちます。私たちは立ち仕事ですから、iPadのようなタブレットで扱うというのはとてもフィットします。でも机に座ってノートパソコンで書いた方が便利な時もありますし、外出先でiPhoneでメモを取ることもあります」 髪型の写真の管理や、他の美容師との情報共有にもEvernoteが大活躍 ──どの端末を使っても常に同じ情報(記録)にアクセスできる Evernote がお役に立っているわけですね。他にはどんなことにEvernoteを使っていますか? 荻原「トレーニングの写真や、モデルさんをカットした時の写真、サロンの勉強会での代表のお手本、イベントやコンテストの写真などを取り込んでいます。それにコメントを付け加えておけるところが大事なところです。自分のメモが必要なんです。私も講習会で講師をすることがあるので、その時の資料も入れてあります。また、講習会の往復の飛行機のスケジュールなども、講演会の資料と一緒のノートにしておけば、別途探す必要もなくなります」 ──なるほど、Evernote大活躍ですね。 荻原「また、毎週サロンで流行に関する勉強会を取り扱っていますが、その時も資料を作るのに雑誌の切り抜きなどを集めて、「今、こういうヘアスタイルが人気です」という、そんな資料をお店の他の美容師と共有するようにしています。 ──Evernoteを使っている時に、気をつけていることはありますか? 荻原「美容師という仕事は、お客様とのコミュニケーションがとても大事です。カットの技術も大切ですが、笑顔と、いい空気感でお客さまにリラックスしていただくことが大切なのです。Evernote の操作に集中して、お客様との会話がおざなりにならないように気をつけています」 ──118年の歴史を持つ『キノシタ・ガイエン・イースト・ストリート』でお仕事をされている中で培われたコメント。思えば、ユーザーのみなさんの記憶をいつまでも安全に保管できるように100年続く企業を目指したいと思っている私たちEvernoteが、100年以上も続いてきた美容院を取材させていただくなんて、不思議なご縁かもしれません。 実は、Evernoteの CEO フィル・リービンほか本社メンバーにも、来日時に同店のサービスを体験してもらいました。 アメリカの理容は、特に男性向けは手早く、簡単なものが多いので「顔剃り」や「マッサージ」まであるフルサービスの日本の理容を初めて体験した彼らは大喜びでした。 これから、フィルが出張で日本に来た時の定例のコースになってしまうかもしれません。 荻原奈々さんのEvernote活用術については、雑誌『フリック!Vol.08』で詳しく取り上げられています。併せてご覧ください。 (PHOTO: T.FUCHIMOTO 渕本智信)

「Evernote は“外部脳”なんです」― 浅岡雄也さんの Evernote ライフ

FIELD OF VIEWのボーカルとして「突然」「Dan Dan心魅かれてく」などのヒット曲を送り出し、現在はソロシンガーとして活躍中の浅岡雄也さん。 PC-8800シリーズからコンピュータに触れ、現在もiPhoneやiPad、Mac book Airなどを所有する生粋のガジェット好きである浅岡さんは、Evernoteのヘビーユーザーでもあります。ミュージシャンという職業にEvernoteがどう生かされているのか、浅岡さんのEvernoteライフについてお話を伺いました。 氏名: 浅岡 雄也(あさおか ゆうや) 職業: ミュージシャン Webサイト: http://www.uyax.jp/ Twitter: @uyax_asaoka 「昔はマイコン雑誌を読んでプログラムを書いてました」 ──本日はよろしくお願いします。 浅岡「よろしくお願いします。(鞄からガジェット類を取り出しながら)机の上、ガジェットだらけになってすみません(笑)」 ──iPhoneにiPodにMacbook Airに……たくさんお持ちですね! ガジェットがお好きなんですか? 浅岡「大好きです。新しいもの好きで、何でも試すんですよ。昔はマイコン雑誌を読んでプログラムを書いてましたから。向いてたらそっちの道に進んでいたかもしれませんね」 ──そうでしたか。ではEvernoteも昔から使われているとか? 浅岡「最初にインストールしたのはだいぶ早い段階だったと思いますよ。まだiPhoneも出てなかった頃でした。それからiPhoneが出てスマホ時代になったことで、Evernoteの本領発揮だなと思いました。だけど一度、Evernoteからは遠ざかった時期があったんです」 Evernoteを再開したきっかけ ──何がきっかけで再び使うようになったのでしょう? 浅岡「昨年、知人が取材時にEvernoteを使ってメモをとりながら(取材の)音声も録音しているのを見たんです。それで『おぉ、これは便利だ』と思って、そこから再びちゃんと使い始めました。今はEvernoteにはとにかく何でも入れておくようにしていますね」 ──主にどういった使い方を? 浅岡「一言でいうと“何でも帳”ですね。歌詞を溜めたり、ウェブページをクリップしたり、音声を録音したりしています。あとはバンドやライブの写真や、ファンクラブ限定のブログにアップする写真もここに保存していますね。それこそハードディスク代わりといえるかな。僕は何でも記録するのが好きなんですよ。昔は写真や歌詞のデータを人に渡そうと思っても、家に帰ってPCを開かないと無理だってことがよくあって、それがすごく嫌だったんです」 ──Evernoteを使うようになって日常生活で便利になったところや、変わったところがあったら教えてください。 浅岡「データの持ち運びなどで使っていたUSBメモリは前より使わなくなりました。データは全部Evernoteに上げていて、外出先でもiPhoneやiPadでいつでも取り出せますから。USBメモリの用途はもう、誰かが必要なのに忘れてたら貸してあげるくらいです」 ──データを持ち歩くことすらしなくていい時代になったわけですね。 浅岡「あと、Evernoteなら分散しがちなメモをまとめて“とりあえず全部入れておけばいい”という安心感があります。必要な情報って本当は自分自身の頭ですべて覚えておくのが一番いいんですが、そんなのは無理ですよね。人間は必ず忘れてしまうものだし、頭の中ではサッと検索できない。だけどEvernoteにさえ入れておけば、後から検索して取り出せる。その意味でEvernoteはまさに“外部脳”なんです」 ミュージシャンならではのEvernote活用法 ──ミュージシャンという職業柄、メロディーを記録することも? 浅岡「ありますよ。音声レートの関係もあって、iPhoneのマイクアプリで録音してから後でEvernoteに保存しています。バンドの音はいつでも録っておきたいんですよね。昔はまだ録音といえばテープだったんだけど、僕は絶対に今みたいな時代がくると思って、データ化の作業を密かにやっていました。クラウド時代にはなるべくしてなったと思います。そのうちメモ帳に手書きするだけで、何もしなくても一瞬で同期される時代がくるでしょうね」 ──音楽以外にもありますか? 浅岡「自分のtwitterのログを自動で転送しています。もう2年分くらい溜め込んでいます。意識して見返すわけじゃないんだけど、たまに見返すと、くだらないことも言ってたりして笑っちゃいますね。twitterの仕様上、公式サイトではさかのぼって見られるツイート数に制限があって、古いツイートを見つけるのが大変なんですよ。でもEvernoteならいつでも『このとき何を言ったっけ』というのがすぐに検索で探せます。自分にとってtwitterはプロモーションツールだから、いつ何を言ったかというのは後で引き出せるようにしておきたいんですよね」 ──たしかに古いツイートを見返そうとしたら、もう見られなくなっていたという経験はあります。Evernoteはライフログとしても便利ですね。 浅岡「twitterといえば、Evernoteの公式アカウント(@EvernoteJP)をフォローしていると、色々使い方を教えてくれますよね。紹介されている記事を読んで、ちゃんと全部試してますよ。その中からいいと思ったものは無料でも有料でも使っています」 ──ありがとうございます!これから試してみたいと思っているEvernoteの使い方はありますか? 浅岡「歌詞もそうですが、譜面も全部つっこんで、自分のデータベースを作りたいですね。あとは筆ペンアプリで描いた自作の絵を入れたいと思ってます。今までのものが大量にあるからなかなかできてないんですけどね」