「美容師は常に勉強なんです」─ 荻原奈々さんの Evernote 活用術

「Evernote をとても上手に活用されている美容師さんがいる」というお話を聞いて、荻原奈々さんのところに取材にうかがいました。 荻原さんは、東京は四谷にある『キノシタ・ガイエン・イースト・ストリート』という美容室にお勤めの美容師さんです。お客様へのヘアスタイルの提案などに iPad と Evernote を活用されているそうです。 氏名: 荻原 奈々(おぎはら なな) 職業: 美容師 Webサイト: http://www.kinoshita1894.com/ 同店代表の木下裕章さんは雑誌にも登場し、美容師の勉強会にも登場されるような人だとお聞きし、いわゆる『カリスマ美容師のいるお店』のような雰囲気なのかと緊張してお店にうかがったところ、もっとアットホームな雰囲気。ご近所のおばあ様がカットに来られるような、そんな親しみやすい空気が漂っていました。 聞けば、同店は美容院でも理容店でもある、いわゆる地元に根ざした理美容店(女性向け美容と、男性向けのヒゲ剃りなどを両方扱うお店のこと)で、四谷という土地で 118年前から営業しており、現在の代表はなんと5代目なのだだそうです。 「美容師の独特の仕事に、Evernoteはぴったり」 ──荻原さんは、Evernoteをお仕事で非常に活用されていると聞いたのですが、お客様へのヘアスタイルの提案などで使われているのですか? 荻原「そうですね、さまざまなヘアスタイルの写真を入れておいて、検索してすぐにご提案できるようにしています。でも、一番役に立っているのは、むしろ勉強の方ですね。美容師って、常にがんばって勉強しないといけないお仕事なんです」 ──どんな勉強を? 荻原「カットの手法や、お客様とのコミュニケーション、流行……など、常に勉強していないといけません。特にカットの手法については、手描きの図を取り込んだり、写真の上から書き込んだり。また、勉強会の時にホワイトボードに描かれたものを取り込んだり、それぞれの写真や図に添えていろいろメモを取ったりすることもあります。写真や絵と、文字を両方扱える、それがとっても私たちにとっては便利なんです」 ──なるほど、ヘアスタイルというのは、こうやって記録するんですね!こういう設計図があるとは初めて知りました。 荻原「営業時間が終わってからも、お店でウィッグを切って勉強したり、休日は勉強会に参加したりして、いろいろなノウハウを覚えていきます」 ──営業時間外も勉強で大変ですね。 荻原「常にそうしているので、大変だと感じたことはありません。仕事が好きで一生懸命やってらっしゃる方は、どんなお仕事でもそうなんじゃないでしょうか?だから、記録したものを、さっと取り出せる。それが大切です。それに、いろんな端末で見られるというのも役に立ちます。私たちは立ち仕事ですから、iPadのようなタブレットで扱うというのはとてもフィットします。でも机に座ってノートパソコンで書いた方が便利な時もありますし、外出先でiPhoneでメモを取ることもあります」 髪型の写真の管理や、他の美容師との情報共有にもEvernoteが大活躍 ──どの端末を使っても常に同じ情報(記録)にアクセスできる Evernote がお役に立っているわけですね。他にはどんなことにEvernoteを使っていますか? 荻原「トレーニングの写真や、モデルさんをカットした時の写真、サロンの勉強会での代表のお手本、イベントやコンテストの写真などを取り込んでいます。それにコメントを付け加えておけるところが大事なところです。自分のメモが必要なんです。私も講習会で講師をすることがあるので、その時の資料も入れてあります。また、講習会の往復の飛行機のスケジュールなども、講演会の資料と一緒のノートにしておけば、別途探す必要もなくなります」 ──なるほど、Evernote大活躍ですね。 荻原「また、毎週サロンで流行に関する勉強会を取り扱っていますが、その時も資料を作るのに雑誌の切り抜きなどを集めて、「今、こういうヘアスタイルが人気です」という、そんな資料をお店の他の美容師と共有するようにしています。 ──Evernoteを使っている時に、気をつけていることはありますか? 荻原「美容師という仕事は、お客様とのコミュニケーションがとても大事です。カットの技術も大切ですが、笑顔と、いい空気感でお客さまにリラックスしていただくことが大切なのです。Evernote の操作に集中して、お客様との会話がおざなりにならないように気をつけています」 ──118年の歴史を持つ『キノシタ・ガイエン・イースト・ストリート』でお仕事をされている中で培われたコメント。思えば、ユーザーのみなさんの記憶をいつまでも安全に保管できるように100年続く企業を目指したいと思っている私たちEvernoteが、100年以上も続いてきた美容院を取材させていただくなんて、不思議なご縁かもしれません。 実は、Evernoteの CEO フィル・リービンほか本社メンバーにも、来日時に同店のサービスを体験してもらいました。 アメリカの理容は、特に男性向けは手早く、簡単なものが多いので「顔剃り」や「マッサージ」まであるフルサービスの日本の理容を初めて体験した彼らは大喜びでした。 これから、フィルが出張で日本に来た時の定例のコースになってしまうかもしれません。 荻原奈々さんのEvernote活用術については、雑誌『フリック!Vol.08』で詳しく取り上げられています。併せてご覧ください。 (PHOTO: T.FUCHIMOTO 渕本智信)