2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会があと 3 年と少し先まで迫ってきました。国内外から多くのアスリート、報道陣、そして観光客などが集まる一大スポーツイベントは、楽しみであると同時に不安材料もあります。その一つが、交通の混雑です。
2012 年に開催されたロンドン・パラリンピック競技大会では、交通混雑でロンドン市内での通勤に支障が生じるとの予測から、市交通局がテレワークなどの活用を呼びかけ、これに企業や市民が賛同し、多くの企業がテレワークを導入したそうです。これにより混雑を回避することができたのですが、面白いことに、テレワークを導入した企業で、生産性の向上、従業員満足度の向上、ワークライフバランスの改善などの成果が得られる、といった副次的な効果もありました。
この例にならい、今年から 2020 年までの毎年、2020 年東京オリンピックの開会式が行われる 7 月 24 日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、テレワーク一斉実施の予行演習が実施されることになりました。
Evernote Japan のメンバーは、日々こうした働き方を実践しています。集中したい作業があるときは家で 1 日作業を行ったり、海外の渡航先からリモートワークを行ったり。ミーティングも Web 会議ツールなどを活用しており、Evernote Business をはじめとしたクラウドサービス、そしてメールやチャットなど、様々なツールを柔軟に使い分けています。
ただし、こうした働き方は一朝一夕で実施できるものではありません。チーム・会社全員の認識を合わせて、適切な準備が必要です。今回は、テレワーク・デイに向けて、まず何を始めたらよいかについてまとめました。
まずは参加する下地を作る
インターネットさえあればどこでも働けるという環境自体は整いつつありますが、PC 上のデータだけでなく紙の情報を扱う必要のある仕事であったり、プライバシー情報を扱う部門など、社外で働くことが難しい仕事をされている方もいます。また、就業規則によってオフィスにいる時間が決められている会社もあるでしょう。
まずは上司、そしてチームメンバーと、テレワークについての可否について相談しましょう。現段階でできないという場合は、どうやったら可能になるのか?について考えてみましょう。すべてのメンバーがいきなりテレワークができるとは限りません。可能な部門、可能な仕事、可能な人から始めることも選択肢です。そして、あなたがもし経営者なら、ぜひ会社全体にこの運動への参加を呼びかけましょう!
どんなツールを使うのか
回線速度や VPN 利用なども含めたネットワーク環境は、社内と同じ環境で仕事ができるかの鍵となります。自宅であれば家のネット回線の速さが普段からわかっているかもしれませんが、外出先や出張中のホテルなどでは十分な速度がでない場合も。不安な場合は WiFi ルーターなどの準備も必要です。
メール、チャット、情報・ファイル共有、Web 会議システムなどのコミュニケーションツールは、普段から使っていますか?Web 会議システムなどでは事前にソフトをインストールしておく必要があるものもあります。その日になって慌ててインストールするのではなく、事前に準備しておきましょう。
また、どのツールをどんなコミュニケーションに使うかは、常日頃から意識合わせをしておくとよいでしょう。緊急時は電話、急ぎの件はチャット、その他の内容はメールで、など。使用するツールはチーム全員がいつでも使えるツールであることが重要です。
合意とトレーニング
テレワークを行う人はもちろんですが、行わない人も含めた全ての人が、この取り組みを理解することが重要です。会社での対面コミュニケーションから、ツールを介したコミュニケーションに変化するという意味では、オフィス内で働く人にとっても働き方の変化があるからです。
この機会に新しいツールを採用するのであれば、社員全員が使い方を習得しなくてはいけません。必要に応じてトレーニングを行ってください。
トライアル&エラー
いきなり 1 週間継続してのテレワークを始めることは不可能です。まずは、試験導入を行ってみましょう。テレワーク・デイはそのよいきっかけになるはずです。試験の後には、良かったこと、改善すべきことを洗い出し、次のトライアルに備えましょう。
後編では、実際に Evernote Japan で普段どのようにテレワーク、リモートワークを行なっているかについてご紹介したいと思います。