フィットネスクラブで使用するプログラムや音源などを海外から輸入し、日本語化して販売する−−そんなフィットネス向けの事業を展開し、来年で設立 20 年を迎えるブラボーグループ。同社にとってここ数年の課題は、社内におけるファイル共有の効率化だったといいます。様々なサービスを検討する中で同社が選択したのは Evernote Business でした。導入のきっかけと成果を、代表取締役 ジョン B ボードマン氏と、事業企画部 プランニングマネージャー 角田恭輔氏に伺いました。
いろいろなグループウェアを検討し、Evernote Business を選択
−−Evernote Business を導入した経緯を教えていただけますか。
角田:もともと社内やチームの情報共有をメールで行っており、ファイルは社内サーバを使って共有していました。もっと効率化するためにグループウェアの導入を検討して、実際にいろいろと使ってみたのですが、どれも使いづらく社員になかなか浸透しないという状況が何年も続いていたのです。
そんなとき、たまたま私が個人的に使っていた Evernote を社長のボードマンに紹介したところ、すっかり気に入ってしまって、「これを皆で使おう!」と言い出したのです(笑)。
ボードマン:Evernote を使ったのはそのときが初めてだったので、最初の数日は少し戸惑うこともありました。でもすぐに良さがわかりましたね。もうビジネスでもプライベートでも欠かせないツールになっていますよ。
−−社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
角田:初めて使う人も多かったので、全員が慣れるまでには半年くらいかかりましたね。ただ、「今日から会社公認のツールとして Evernote を使う」ということを社長命令として明言したことで、社員にも受け入れてもらえました。
ボードマン:社員向けに Evernote の説明会も開催しました。他のクラウドサービスとの違いなども説明しましたね。
自社、部署、パートナーでノートブックを共有
−−どのようにお使いいただいているか、教えてください。
角田:自社と、業務委託先のトレーナー、それから弊社のウェブサイトの制作をお願いしている制作会社と一緒に使っています。
自社の全員で共有するノートブックには、プロモーションの資料、会社規則、週報、会議の議事録、業界の気になったニュースのウェブクリップ、名刺、年間の目標などをまとめています。特に週報は全員が見られる状態になったことで、誰が何の仕事をしているのかがわかりやすくなりました。
部署(事業企画部、フィットネスミュージック事業部、フィットネスシステム事業部)単位でもノートブックを共有していますが、戦略ミーティングや社内のシステム関係のノートなど機密性の高いものはマネージャークラスだけが見られるようになっています。他にもパートナーだけと共有しているノートブックなど、権限管理はしっかりと行っています。
展示会などに出展することも多いのですが、企画や招待者リスト、ブースデザイン、関係者のスケジュールや配布物などをすべてノートブックにまとめています。展示会は毎年出展するので、翌年も情報を再利用できるのです。それと、会社主催で開催するイベントでも、最新情報をまとめたノートを作って活用しています。
−−社内で決めている使い方のルールなどはありますか?
角田:自社のみで共有しているノートについては、他と混同しないよう [BG] を頭につけています。また、必ず部署名の後にハイフンをつけてからタイトルを書くことで見やすくしています。
一方でノートブックについては誰もが作れるわけではなく、私とシステム担当者のみが新規作成の権限を持っています。
−−タグなどは使われますか?
角田:議事録ノートには部署や年などをタグ付けしています。名刺ノートはそれを保存した担当者のイニシャルをタグでつけています。こうすることで、その名刺を登録したのが誰なのかがわかるというわけです。
検索の優秀さと自由度の高さが Evernote の良さ
−−Evernote Business の良いところはどこでしょうか。
角田:検索の優秀さですね。文書を共有する仕組み自体は他のアプリにもありますが、溜め込んだ情報を検索ですぐ呼び出せるのは Evernote ならでは。
細かいところですが、ノートブック名を変更すると他の人のノートブック名も自動的に変更されるのは助かっています。
プレゼンテーションモードも重宝しています。以前はパワーポイントで資料を作っていたのですが、社内のミーティングではそこまでする必要はありませんから。ノート内にはノートリンクを張ってすぐに他のノートを呼び出せるようにしたり、ドキュメントを入れたりしています。
別のモニターに投影用のノートを表示しておき、手元ではそのノートを編集するといった使い方ができるのも便利ですね。
また、海外の製品を評価する機会も多いのですが、多いときは同時進行で 10 社くらいを見なくてはいけません。Evernote を使うと、評価に必要な画像・テキストといった形式の違うファイルを一つのノートにまとめることができるので、フォルダをクリックして探す手間がなくなりました。
それから、自由度が高いところが Evernote の良いところですね。フォーマットに制約がないため、箇条書きでどんどん書き込んでいけるのは楽です。
ボードマン:パソコンとスマートフォンなど複数のデバイスで使えるのは良いですね。電車の中や、会議に向かう途中、自宅でリラックスしているときなど、アイデアが思いついたときすぐにメモすることができるので助かっています。
Evernote Business を使うと、ビジネスとプライベートを一つのアプリで分けて管理できることも気に入っています。日記や ToDo 、領収書などをスキャンして入れているおかげで、個人での確定申告もスムーズにできるようになったんですよ。
仕事の効率が大幅に上がり、ペーパーレス化を実現
−−Evernote Business の効果は出ているでしょうか。
角田:仕事の効率が大幅に上がりましたね。一度見た書類はスキャンして保存し、原本はなるべく処分するようにしています。紙が大幅に減り、ペーパーレス化が実現できました。以前はミーティングのたびにアジェンダを印刷していましたから……。
ボードマン:昔のミーティングのやり方はもう二度としたくないですね(笑)。
角田:仕事のプロセスも短縮されました。たとえばボードマンが英語で作った記事をローカライズ担当が翻訳し、それをさらにボードマンがチェックするのですが、以前はそのたびにメールでやりとりしていました。Evernote ならこれらを一つのノートだけで行うことができます。
ボードマン:他の社員も明らかに資料作成にかける時間が短くなりましたね。知りません、見ていませんという言い訳もできなくなりました(笑)。昔はマネージャーしか聞いていなかったということもありましたが、今はノートブックにすべて入っていて、誰もがほとんどの情報を閲覧できるわけですから。
角田:とにかく入れておきさえすれば、後から検索で見つけることができるという安心感はすごいですね。社内情報の 8 割は Evernote に入っています。Evernote への依存度は相当高いと思いますよ。
−−ありがとうございました。