使い方と事例

受注書や営業日報のワークフローを Evernote Business に移行し FAX 通信コストの大幅削減と社員間の情報共有、さらにモチベーション向上を実現

1935 年の創業以来、菓子製造・販売で大きな実績を築き、1988 年の法人設立、さらに 2012 年の M&A と着実に成長を続けてきた株式会社金澤兼六製菓。同社では 2015 年 1 月から Evernote Business を導入して、これまで FAX で行っていた営業担当者からの受注ワークフローを大幅に効率化しました。また情報活用の面では、営業日報を Evernote Business 上に移行して、案件情報の共有やモチベーション向上を実現するなどの成果を挙げています。

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(左から)株式会社金澤兼六製菓 専務取締役 中森 雄大さん・関東営業所 所長 嶋田 義之さん

情報共有と標準化に向け Evernote Business を採用

パウンドケーキ、煎餅、ゼリーなどの高品質な商品が人気を博し、全国に顧客を持つ株式会社金澤兼六製菓(以下、金澤兼六製菓)。同社が Evernote Business を導入したきっかけは、2012 年に実施された三重県の菓子メーカーの M&A だったと、専務取締役 中森 雄大 氏は語ります。

中森「この合併で 100 名以上を擁する生産拠点が新たに加わったのですが、そこを訪れて最初に抱いた印象が、業務や管理のシステムが非常に複雑化していることでした。もの作りにこだわる職人気質の半面、当人でないとわからない仕事が多く、異動や不在時の代わりがきかない。また、さまざまな業務文書も各担当者の PC 内に分散して保管されていたため、必要になるたびにどこにあるのか探し回らなくてはなりませんでした」

この状態を改善するために中森氏がまず目指したのが、情報共有と標準化の仕組み作りでした。具体的なツールやサービスを検討する中、Evernote Businessのセミナーに営業次長が参加し、そこで目にしたデモや事例を通して「これは使える」と感じてすぐに Evernote に問い合わせたのが、導入の直接の契機となりました。社内で現在 Evernote Business の運用リーダーの立場にある関東営業所 所長 嶋田 義之 氏は、最初に Evernote Business にふれた時の印象を、「とにかくFAXや紙の書類が多いのを改善したかったので、Evernote Business の話を聞いて、これなら可能なのではと感じました」と振り返ります。

一方、中森氏は、業務をシンプル化したいという希望に合致したことが、採用決定の大きな理由だったと語ります。同社の営業担当はベテランぞろいの分、年齢層が高く、PC の複雑な操作には慣れていないため、スマートフォンで簡単に使えるEvernote Business は最適のツールだとの判断でした。

FAX 送信を廃止して 140 万円の経費を削減

採用決定からすぐに、営業次長を含む 2 名での試用を開始。約半月後にはさらにアカウントを追加し、現在は営業担当者を中心に 12 名が利用中です。中森氏は今後、企画チームや内勤者にも対象を広げ、2015 年内に 30 名程度にまで増やしたいと考えています。少人数での試用からスタートしましたが、すぐにメリットを実感できたため、短い期間で利用者を追加していきました。

中森「もっとも大きな成果は、コスト抑制です。従来はお客様からの発注を受注センターに伝えるのに FAX を利用していましたが、これを Evernote Business に移行した結果、すでに 140 万円の経費節約が実現しています」

以前は、全国各地の営業担当者がお客様から注文を受けると、手書きで発注書に記入し、毎日昼と夜の 2 回、最寄りのコンビニや宿泊先から FAX で受注センターに送信していました。しかし地方では FAX のある場所まで 1 時間以上かけて移動することも珍しくなく、送信料金はもちろん移動経費やタイムロスも大きな負担です。そこで発注書をスマートフォンのカメラで撮影し、そのまま Evernote Business に保存するようにした結果、通信費は一切かからなくなりました。

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中森「さらに、時間短縮効果などの直接金額に反映されないコストも含めれば、年間ベースで 500 万円程度の削減効果が上がっていると見積もっています。この先、営業だけでなく内勤者へも導入が進んでいけば、経費削減額はおよそ倍くらいまでに達すると確信しています」

もちろんこうした大きな成果の背後には、運用担当者の努力がありました。中森氏は、Evernote Business の利用を定着させるには利用者に使い方をおぼえてもらう取り組みが不可欠と考え、その担当者に嶋田氏を任命。具体的な取り組みとして、Evernote Business を使った「Evernote 通信」の定期発行を始めました。

嶋田「まず私が書籍や Web の記事を参考にして勉強し、使い方のコツなどを初心者向けにアレンジしたものをメールマガジン風にまとめ、『Evernote 通信』と題して週 1 回、 Evernote Business 上で公開していきました。これを各自で読みながら、利用法をおぼえてもらったのです」

営業日報を公開・閲覧して さまざまな有益情報を共有

社内での地道な普及の取り組みが実を結び、コストダウン以外にも Evernote Business による情報活用が進んでいます。 その好例が、Evernote Business での営業日報の共有です。金澤兼六製菓の営業担当者は遠く離れた拠点で個々に活動し、お互いの仕事を知る機会がほとんどありません。そこで発注書と同様に、営業日報も Evernote Business に保存し、営業担当者全員が閲覧し合える仕組みを導入したのです。

中森「メールで送られてきた営業日報に受注センターの営業リーダーが手書きでコメントを記入し、Evernote Business 上で公開します。以前はコメントした日報を各営業担当者の自宅に FAX で返送していましたが、Evernote Business に集約した結果、営業全員が他の地域の動向を日常的に共有できるようになりました」

こうした情報共有の仕組みの確立は、第一線の営業担当者からも強く歓迎されています。嶋田氏は営業所長の視点から、「営業担当者同士、お互いの動向やお客様からのご要望がよく見えるようになりました。また、参考になるアイデアを見て自分でも試してみたり、大きな案件を獲得した人がいれば負けずに頑張るぞと発奮する者もおり、モチベーションの向上につながっています」と効果を語ります。これまでは上司と各営業担当者のやり取りだけだったのが、担当者同士の情報共有やコミュニケーションへと広がり、互いに勉強になることが増えました。これら一連の成果を受けて中森氏は、「情報共有や業務効率のアップだけでなく、Evernote Business は当社の人材育成にも役立っていると感じています」と期待以上の手応えを語ります。

複雑化する情報活用の未来を Evernote Business で乗り切る

今後の Evernote Business の活用について嶋田氏は、発注書や営業日報の他にもさまざまなドキュメントや素材を Evernote Business 上に集約して、業務効率を向上させたいと考えています。

嶋田「商品の画像や原材料表示のシールなど、現在は個人の PC に保存されていて担当者以外が対応できません。これらを共有化して、そのつど探しまわる無駄な作業の軽減を目指します。同時に、今までの紙の書類ではまちまちだったフォーマットを統一・改良する取り組みを進め、現場の業務効率を改善していきたいと思います」

金澤兼六製菓では、将来的に新たな工場を立ち上げる計画が進行中だと中森氏は明かします。この新拠点が稼動すれば、人員が大幅に増えるのは確実です。

中森「その時に Evernote Business を使って、人のつながり=ビジネスのつながりを拡げていきたいと考えています。これからも、情報やコミュニケーションの複雑化は進む一方です。それを Evernote Business を使ってわかりやすく、かつ効率よく乗り切っていきたいですね」

その目標の実現に向けた一歩として、今回の導入では多くの成果を得ることができたと語る中森氏。Evernote Business を介して、さまざまな可能性に向けて同社のビジネスが拡がっていきます。

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