レザースーツなどのバイク用ウェアで知られる株式会社クシタニ。「KUSHITANI」ブランドの高い品質は、世界の GP(グランプリレース)ライダーから個人まで幅広い愛好家たちを魅了しています。同社では全員が Evernote のアカウントを持ち、Evernote Business を中心にあらゆる社内の情報共有を行うことで、業務の効率化と社内コミュニケーション促進を実現しています。
社員全員がアカウントを持ち全情報を Evernote で共有
株式会社クシタニ(以下、クシタニ)における Evernote 活用の特色は、社員全員がアカウントを持っていることです。同社では、特に社外秘とされる資料を除いたほとんどの情報を Evernote Business 上に公開。経営陣や管理職から全国の店舗スタッフまでが必要に応じて閲覧、共有できる仕組みを提供しています。現在は管理担当者を中心に 9 名が「Evernote Business アカウント」、営業担当者を中心に 10 名が閲覧・編集権限やファイル容量およびノートブック数が強化された「プレミアムアカウント」、そして残りの全社員、約 30 名が保存・閲覧のみ可能な「無料アカウント」を持っています。
同社が初めて Evernote を導入したのは 2010 年。それ以前にも他のグループウェア製品を導入したものの、スケジュール管理が主体で、業務で扱う各種ファイルが添付できないといった問題がありました。そこでより使いやすいツールを探していたところ、Evernote が目にとまったと、同社の広報部 櫛谷 信夫氏は語ります。
(左から)株式会社クシタニ 広報部 櫛谷 信夫さん・
株式会社クシタニ 世田谷店スタッフ 藤野 亜弓さん
櫛谷「どんな形式のファイルでも簡単に保存・共有できるところが評価のポイントでした。今では、業務に必要なすべてのファイルが Evernote Business 上に置かれています」
出勤簿や各店舗の売上報告書などもすべて Evernote Business 上に保存しているため、社員は毎日使用するうちに自然と操作を覚え、IT ツールの導入時にありがちな利用頻度や習熟度のばらつきもなく全社的に定着することができたといいます。
社内外への情報発信ツールに Evernote Business を活用
Evernote Business 導入以前から約 3 年間、「プレミアムアカウント」と「無料アカウント」のみで業務を大きく効率化してきた同社が、さらに Evernote Business の導入を決めたのは 2013 年 7 月。カタログ制作のワークフロー改革がきっかけでした。
櫛谷「年 2 回のカタログ制作では、それまでも Evernote でライターやデザイナーとの素材の受け渡しや情報共有を行ってきましたが、アイテム数やページ数も徐々に多くなり、容量の問題や商品情報のセキュリティも考慮して Evernote Business に移行することに決めたのです」
移行後は、200 ページ以上におよぶカタログの制作と印刷所入稿までのすべてを Evernote Business 上で行うことができたと櫛谷氏は振り返ります。
櫛谷「現在では、社内の情報共有すべてに Evernote Business を利用していて、その依存率は相当なものです。とりわけ各業務のキーマンが、Evernote Business をフルに活用しています」
具体的には、現在進行している案件についての情報発信に Evernote Business をうまく利用していると櫛谷氏は明かします。イベント情報であれ商談の情報であれ、案件が発生するとすぐに Evernote Business にノートを作成して、各地の店舗スタッフまでが閲覧できるように公開します。運用上のルールも、スタッフ自身の専用端末からのみ Evernote にログインするという必要最低限のガイドラインにとどめ、閲覧権限の制限もあえてほとんど設定していません。
櫛谷「Evernote Business による情報発信を続けた結果、私が地方の店舗に行くと現場のスタッフから『あの案件はその後どうなりましたか』などと尋ねられることが増えました。社内のすみずみにまで、Evernote Business を使った情報共有が浸透してきたと実感しています」
マルチデバイス対応が外出先での情報活用を実現
1. マルチデバイス対応による仕事の効率アップと時間の節約
櫛谷氏は Evernote Business の導入効果の中でも、マルチデバイス対応が最大のメリットだと評価します。クシタニではサーキットなどの野外会場でのイベントも多く、スタッフは全国各地に出かけていきます。全員が対面で話せる機会はほとんどないため、スマートフォンやタブレットからアクセスできることが不可欠なのです。
またクシタニ 世田谷店スタッフの藤野亜弓氏は、「上司への連絡や確認事項も Evernote Business に上げておけば、そのつど電話で連絡しなくてすむので、時間を有効に使えるようになりました」と語ります。イベント会場などにいても、各自が都合のいい時にEvernote Business にアクセスして
場所や時間の制約を受けずにコミュニケーションできるのです。
2. コミュニケーション品質と社員の意識向上
コミュニケーションの質や社員の意識も、大きく向上しました。Evernote Business および Evernote プレミアムアカウントでは共有時に他のユーザに編集権限を与えることができるので、Evernote 上のファイルを通じて関係者同士の対話やアドバイス、提案などが可能になったと櫛谷氏は語ります。
櫛谷「社内横断的な知識や情報の活用・交流が生まれてきたのに加えて、『誰かに読んでもらう』という意識が芽ばえ、ドキュメントの質そのものが大きく向上しました」
3. Evernote 導入以降、対面でのミーティングが最小限に
クシタニでは以前、各部署で月 1 回のミーティングを行うほか、年末年始や四半期ごとにも頻繁にミーティングが行われていましたが、Evernote 導入以降は劇的に少なくなりました。
櫛谷「限られた人数で最大限の効率を目指す上で、この時間の節約効果は絶大です。しかし一方で、会社という組織体のパワーを維持するには、やはり情報共有をおろそかにはできません。そこで、誰かに話しかけるイメージで Evernote Business に情報を上げていき、そのファイルを通じて相互コミュニケーションを図るという仕組みが確立されていきました」
将来は製造管理への応用などさらなる情報共有を目指す
櫛谷氏は今後、製造管理にも Evernote Business を活用していきたいと展望を語ります。同社には主力商品であるバイク用レザースーツのようにオーダーメイドの製品が多く、これらの工程管理にEvernote Business はうってつけだと考えているのです。
櫛谷「そうなれば、営業担当が出先でお客様に納期を尋ねられた際にも、モバイル端末からスケジュールにアクセスして即答できます。また作業現場が進捗状況をほぼリアルタイムで更新できるため、スケジュール表とのタイムラグも最小化できます」
将来的にはこうした製造工程の管理の範疇にコスト管理までを含めて共有できる仕組みを構築し、単純に「売れた、売れない」だけにとどまらず、「お客様に適切な商品を案内し、届けるにはどうしたらよいか?」と能動的に考えられるレベルまで一人ひとりの意識を高めたいと語る櫛谷氏。これからも Evernote Business が、同社のビジネスパワーを大きく加速していくことは間違いありません。
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