ダイエットや美容、健康に関する食品の研究開発・販売を行っている株式会社メタボリック。きっとみなさんもドラッグストアや薬局で同社の商品を見たことがあるのではないでしょうか。40 名という少数精鋭で業界の大手企業と渡り合うためにメタボリックが重要視しているのは情報の整理と共有。そのもっともコアな部分の役割を担っているのが Evernote Business なのです。
同社ではどのように Evernote Business を活用しているのか。代表取締役社長 薬剤師・西田 和弘さんと研究開発部 室長・林 智子さんに伺いました。
膨大な量の情報を適切に扱うために Evernote Business を導入
――本日はよろしくお願いいたします。まずはメタボリックの事業内容から教えていただけますか。
西田:メタボリックはダイエットや美容など健康食品全般の研究開発および販売を行っている会社です。研究開発は自社ですが、製造は外部の工場に委託して行っています。
――商品を開発するまでの流れはどのようなものでしょう。
林:弊社には私が所属する研究開発部の他にマーケティング部、営業部があり、この 3 つの部署が連携して製品を開発していきます。まず原料メーカーから原料を購入し、マーケティング部や営業部が調査して仕入れてきた情報をもとに、工場とのやり取りを経て、商品を開発していきます。
健康食品業界は毎年のように新しい成分が出てきますし、今ブームでも将来どうなっているかはわからないので、先のニーズを読みながら商品を開発していく必要があるのです。
――なるほど。とにかく情報が大切なのですね。
西田:そうですね、膨大な量の情報を限られた人数で適切に扱わないといけません。そのために導入したのが Evernote Business なのです。
紙のせいで社内のスペースがとられたり、情報が属人化するという課題があった
――Evernote Business 導入前にどのような課題があったのでしょう。
西田:まず紙がとにかく多かったんですね。原料のパンフレットなどは増える一方で、キャビネットに収納していたのですが、どこに何があるのかわかりにくい状態でした。ファイリングした人間しか知らないということもあり、情報が属人化してしまっていたのです。
また、顧客情報も社内サーバに保管していましたが、共有はできていませんでした。林が言ったように製品の開発を行うには、研究開発部、マーケティング部、営業部の連携が必須です。部をまたいだ情報共有が必要だと感じていました。
林:そこで Evernote を使ってみようという話になったのです。もともと西田も私も Evernote ユーザーだったこともあり、Evernote Business が出たタイミングで導入しました。会社として公式に使えるツールとして認めたことで、少しずつ社内でも広まり、現在は 40 名の社員全員で使っています。
――他のソフトは検討されましたか?
西田:他のストレージサービスも検討したのですが、アップロードできる上限が決まっているのがネックでした。Evernote でしたら月間の容量は決まっていますが、総容量は無制限なのがいいですね。
Evernote Business で紙の量が 10 分の 1 に
――Evernote Business をどのようにお使いでしょうか。
西田:まず紙類を電子化して入れました。パンフレットはスキャンして PDF で保存するようにしており、商談記録や議事録も Evernote Business を使うようになったので紙はグッと減りましたね。紙を置いていたスペースの分、社内が広くなりましたよ。
林:感覚としては 10 分の 1 くらいになりましたね。Evernote Business は PDF の内容まで文字認識してくれるので、後で検索できるのも助かっています。紙でファイリングしていたときは考えられなかったメリットです。
西田:商談記録も、営業がノートに記録したらすぐにワークチャットで共有されるので、リアルタイムで確認することができます。会議の前には事前資料を Evernote Business に入れておき、共有しています。
また、社員全員が参加しているノートブックがあり、そこではトレンド情報や気になったウェブの記事などを好きに入れられるようにしています。また、営業部は外回りで得た自社製品や市場に関する情報を、その場で Evernote Business に保存するという使い方もしています。研究開発部は社内にいながらにして、リアルタイムに製品の状況や市場のトレンドを知ることができるというわけです。
――まさに情報の共有と連携ですね。
西田:弊社では一つの商品を開発する際、研究開発部、マーケティング部、営業部をまたいだプロジェクトチームを作ります。Evernote Business であれば各部署への情報共有が楽ですし、休暇で数日休んだ人などがいても後からノートを確認してすぐ追いつけるのがいいですね。いちいち情報共有のための会議をする必要がありません。
林:研究開発部ではお付き合いのある会社ごとにノートブックを作成しており、商談記録や工場の記録、関連するファイルなどをまとめています。たとえば原料メーカーだけで数百社との取り引きがあるのですが、Evernote Business のおかげで会社ごとのやり取りの状況が把握しやすくなったことで、先方の担当者が替わっても情報の引き継ぎで慌てなくなりました。
――ノートの数も膨大になると思いますが、管理のポイントなどはありますか?
林:ノートブックの名前には番号をつけており、たとえば 400 番台なら研究開発部のノートブックというふうに管理しています。ただ、ノート自体のタイトルはスキャナーで読み取った日付がそのまま入ったままになっていることが多いですね。基本的には検索で見つけられるので、細かくルールを決めなくても大丈夫です。
情報の属人化が解消され、情報伝達のスピードが高速化
――Evernote Business を導入したことで、他にどんな効果がありましたか?
西田:情報の属人化が解消されましたね。一人で管理していた情報がメンバー全員の共有財産になりました。
加えて、私自身がプロジェクトの進捗などを把握しやすくなりました。今までは担当者に聞かないといけなかったのですが、今は Evernote Business を見れば状況を把握できます。また、商談記録もノートに保存し、ワークチャットで共有することで、リアルタイムで見ることができます。とにかく社内の情報伝達のスピードが速くなったことは間違いありません。
また、健康食品業界では商品を出すタイミングが一年のうち春夏、秋冬と 2 回あります。毎シーズン、複数の商品を出しますし、急ぎで開発しないといけないものも出てくる状況の中、少人数でスムーズに開発するためには、欲しい情報にすぐにアクセスできないと意思決定が間に合いません。Evernote Business がなかったら本当に今ごろどうしていたんだろうと思いますね。
――ありがとうございました。