使い方と事例

国立大学法人 三重大学医学部附属病院 皮膚科、回覧文書や診療ガイドラインなどを Evernote Business で一元管理

コラボレーションのために生まれた Evernote のビジネス版「Evernote Business」は、すでに世界で10,000社に導入いただいています。このたび、Evernote Business 導入事例のページをリニューアルしました。様々な業界・職種での活用例をぜひご覧ください。

今日はその中から、医療現場での導入事例をご紹介します。

三重県の中核医療機関として県民の健康を守る、国立大学法人 三重大学医学部附属病院。その皮膚科医局では Evernote Business による文書の電子化と一元管理を実現。効率的な情報共有や診療ガイドラインなどの検索・活用による、診療品質向上に向けた情報活用に取り組んでいます。

情報共有を効率化すべく Evernote Business に着目

国立大学法人 三重大学医学部附属病院 皮膚科(以下、三重大学病院 皮膚科)は三重県における中核医療機関として、主に皮膚がんなどの高度な治療を必要とする患者を対象に、約 20 名のスタッフが日々診療や研究に携わっています。 Evernote Business の導入以前、同科では長らく情報共有を医局内のホームページで行ってきました。同科は教授の IT に対する理解が深く、他の大学に先駆けて公式ホームページを立ち上げたり、Macintosh が医局スタッフに配布されるなど、情報化の点では十分恵まれた環境が整っていたそうです。

磯田「このホームページに、各スタッフのスケジュールや当直表、休暇表などをアップロードして情報共有を図ってきました。内容に変更や追加が生じるたびに私がアップデートしてきたのですが、毎日の診療や研究を行いながらの作業はかなりの負担になっていました」

また、医局内には膨大な量にのぼる紙のドキュメントが存在します。特に回覧書類などはスタッフ全員に確実に回覧することが難しく、この点でもペーパーレス化による情報共有の効率化が急務となっていました。こうした課題を Evernote Business によって一挙に解決できると考えたそうです。

磯田「かねてから個人で、自分の研究のための文献を PDF 化して Evernote で整理していました。また薬剤のパンフレットや診療ガイドラインといった重要資料もすべて Evernote に格納しており、これらを医局スタッフと共有する手段を模索していました。そうしたところに Evernote Business がリリースされて、これは良いと直感したのです」

スキャナとの相性の良さで紙文書を効率的に電子化

磯田先生がもっとも注目した機能の 1 つが、 スキャナとの相性の良さでした。特にイメージスキャナ「ScanSnap」を使うと、誰でもボタン 1 つでドキュメントや写真、名刺などをデータ化して Evernote Business に自動送信できるため、紙の文書を電子ファイル化する作業が大幅に効率化されます。

磯田「これ以外にも、Evernote Web クリッパーを利用して Web ページをそのまま取り込んだり、各メンバーの PC 上に置かれたファイルをダイレクトに送信できるなど、さまざまなアップロード方法を選べる点が Evernote Business の大きな特長だと思います」

しかし一般に医療の現場は患者などの重要な個人情報を扱うため、情報共有ツールの導入に慎重な姿勢を示すケースが少なくありません。

磯田「そこで導入前に医局内でアンケートをとったところ、Evernote のアカウントを個人で持っている人が約 3 割もいました。一方、活用度はそれほど高くなかったので、この機会に Evernote Business で使ってみようと呼びかけたのです。また医局スタッフの多くが iPhone を使用しており、クラウドという利用形態に抵抗が少なかったのも追い風でした」

2013 年 1 月には、Evernote Business の正式採用が決定。同年 2 月の契約と同時に利用が開始されました。また導入に先立って、システム採用の決定権を持つ教授に Evernote Business の便利さを説明したところ、以前から IT 活用への理解が深かったこともあり、すぐに採用が決定するとともに、率先して PC や iPhone で活用してくれるようになったといいます。さらに情報セキュリティの面では、既存の「カルテ管理システム」のみに重要な患者情報を集中させ、原則として Evernote Business には患者情報を入力しないといった住み分けを徹底しています。

ペーパーレス化で情報活用の効率をアップ

Evernote Business の導入によってもたらされた利点の中でも、やはりペーパーレス化のメリットが大きいと、磯田先生は評価しています。これまで医局には、日々大量の資料が届けられたまま机に山積。「今度読むから、取っておこう」と思っても、結局目を通す暇がないまま大量の書類に埋もれてしまう繰り返しでした。

磯田「しかしとりあえず Evernote Business で スキャンして保存しておけば、いざ必要な時に書名やキーワードで検索できます。この『検索できる』というのは大きいですね」

たとえば調べたい病名を入れれば、関連資料がすべて抽出されてきます。しかも 20 名 のスタッフ全員で集めた資料とあって、予期せぬ貴重な情報に出会うことも珍しくありません。資料活用だけでなく、文書回覧の効率も大きく向上しました。回覧文書を PDF 化して Evernote Business のノート上にチェックボックスを設け、読んだ人はチェックを入れるように決めた結果、既読・未読が一目でわかるようになりました。今では、紙の文書による回覧は原則禁止で、すべて Evernote Business 上で行っています。このチェックボックス機能はドキュメントの整理整頓にも役立っているといいます。

川岸「先生の手元に届く書類は、日々相当な量になります。今までは片付けようにも、先生がお読みになったかどうかを本人に伺わないとわからず、常にデスクがあふれている状態でした。書類を電子化して管理するようになってからは、チェックボックスで既読とわかれば元の紙の資料はすぐに処理できるので、整理整頓が非常にスムーズになりました」

診療の品質向上にも Evernote Business が貢献

Evernote Business は、診療・研究の品質向上というもっとも大切な部分にも貢献しています。これまでは臨床の規範となる「診療ガイドライン」を Web サイト上に置き、必要に応じて検索、ダウンロードして各自のローカル環境に保存していましたが、これだと検索やダウンロードの手間はもちろん、バージョン管理などガイドラインの内容に直接関わる問題も懸念されました。

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磯田「しかも、診療ガイドラインというのは、紙の本やクローズドなホームページ上にあることも多く、必要な時にすぐ見られるものではありません。それらをあらかじめ Evernote Business 上に集約、一元管理しておけば、検索から即座に治療にかかれるのです」

また大学病院の医師は県内の病院に出張して診療する機会も多く、モバイル端末から Evernote Business にアクセスして、診療ガイドラインを容易に利用できるようになったのも大きな改善点です。医局内での情報共有の方法を探る試みから始まった三重大学病院 皮膚科の Evernote Business 活用が、より高品質な医療サービスや研究の実現に向けて、今後も拡がっていくことは間違いありません。

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