使い方と事例

教科解説のコンテンツ公開を Evernote Business で実現

先日、文科省指定のスーパーグローバルハイスクール・品川女子学院 教育機関として最大規模 約200名の生徒を対象に「Evernote Business」を導入というニュースリリースを配信しました。

同校では、約 1,280 名の生徒のほぼ半数がアカウントを持ち、中でも先生方や 205 名の高校 2 年生全員が Evernote Business を学校生活で利用するなど、Evernote を軸にした情報共有とコミュニケーションが拡がっています。今回は、私⽴中⾼⼀貫⼥⼦校として「社会で活躍する⼥性を育てる」との創⽴理念を掲げる、品川女子学院の例をご紹介します。

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タブレット時代に備えて情報プラットフォームを検討

品川⼥⼦学院の教育目標である「28 プロジェクト」には、⼥性にとってさまざまな節目となる 28 歳になった時に、それまで学んだことを活かして社会に貢献できる人間を育てようという同校の教育コンセプトが込められています。

「当校が IT 教育に力を入れているのも、そうした社会人としての重要なスキルを身につけさせようという教育方針の⼀環です。中学 1 年時と⾼校 1 年時にはそれぞれ『情報』の授業が設けられています。また企業とのコラボレーション総合学習の場では、社会人の方々を相手にプレゼンテーションを行ったり、CM 制作を通じて PC を利用した動画編集を体験するカリキュラムもあります」と語るのは、品川⼥⼦学院 生徒会部長 情報科主任 酒井 春名先生です。

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同校が初めて Evernote を導入したのは 2013 年 10 月。それまでも校内では、PC やモバイルから利用できるクラウド・プラットフォームの検討を重ねてきたと酒井先生は明かします。

「まもなくやってくる『タブレット 1 人 1 台時代』に備えて、そのためのプラットフォームを探していました。さまざまなサービスを比較検討したのですが、そのほとんどはあらかじめ決められた使い方を強いられる印象がありました。それに比べて Evernoteは、白紙の状態から始めて自分たちの工夫で思いどおりの使い方ができる点が良いと感じたのです」

まず最初に先生と生徒間の共有ノートブックを 1 つ⽴ち上げ、先生から生徒への連絡事項などに使い始めました。その後は順次、生徒同士が利用するクラス共有ノートブックや生徒会役員間の共有ノートブックなどがここに加わっていきました。

若手教員の指導力アップにも Evernote Business を活用

Evernote の利用が始まった 2 カ月後の 2013 年 12 月には Evernote Business の採用も決まり、その第⼀弾として管理職および IT スキルの⾼い先生方 10 名が Evernote Business アカウントを取得しました。

酒井「Evernote に保存される情報量が増えてきたことに加え、生徒によるタブレットの活用状況を見た上で、まず教員が使ってみることが重要だと考えました。そこで Evernote Business を使って、職員会議の資料などを Evernote で回覧するところから教員同士の情報共有を開始したのです。資料印刷の手間が省け、事務処理の負担も減りました」

さらに約半年後の 2014 年 5 月には、Evernote Business 導入の第二弾として、⾼校 2 年生全員への導入も行われました。現在は約 200 名の生徒が Evernote Business アカウントで、今後に向けたさまざまな活用方法を試みているところです。

これらの成果や用途の拡がりを踏まえて、今後検討されている活用方法の 1 つに「若手教員への指導スキル伝達と自己研鑽を促すツール」としての活用が挙げられます。これは Evernote Business を利用して、まだ若く指導経験の少ない先生のために知識の伝達やスキルの共有を推進しようという構想です。

酒井「教員の仕事は、指導や教材研究など 1 人で行うことが多く独善的になりがちです。そこで、ベテラン教員の指導ノウハウやアドバイスなどを Evernote Business を通じて共有することで、若手教員のスキルアップを図り、学校全体の指導力向上につなげようと考えているのです」

資料の共有から始まった Evernote Business の利用に、今後はこうした指導力向上のためのサポートツールとしての側面が加わっていくことは確実です。

「デジタルシラバス」がクラウドによる自習環境を実現

⼀方、生徒の間でも着実に Evernote の利用は進んでいます。たとえば生徒同士が利用する「クラス共有ノートブック」は導入後まもなく、毎年 1 月に開催される合唱祭の練習に活用されたといいます。実際に利用した生徒の 1 人は、「冬休み中の練習スケジュールを Evernote に上げておき、クラス全員が家から予定を確認できるようにしました。またソプラノやアルトなどパート別の連絡や、その日の練習の反省などもすべて Evernote 上で行うことができました」と振り返ります。

さらに生徒会役員の 1 人は、Evernote を使うようになって議事録の活用が進んだと語ります。

「会議中に Evernote 上で議事録を作成すると、他の人もすぐに自分の端末からそれを確認することができます。出席者がその場で議事録を見ながら会話を進められるので、話題が脱線せずに活発な議論ができるようになりました」

今後は議事録や資料などを Evernote 上に蓄積していくことで、役員が代替わりしても後輩が以前の資料を素早く参照できるようになるといった期待も生まれています。さらに、「2014 年 5 月からは⾼校 2 年生の生徒全員に iPad mini が貸与され、さらに使用用途の拡大が期待されます」と酒井先生は付け加えます。

もう 1 つ、Evernote は指導/ 学習環境にも大きな変革をもたらしました。同校では年間の学習計画を「デジタルシラバス」としてまとめ、Evernote 上に保存・共有しています。このデジタルシラバスには、先生方が各自で制作して YouTube にアップロードした教科の解説動画もリンクされており、これが多くの生徒の予習・復習に役⽴っているそうです。

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酒井「教科によっては、繰り返し見ることでより深く理解できるものがあります。実際の授業で教わった内容を Evernote 上のコンテンツで復習したり、逆に動画で予習してから授業に臨むことで学習効果を上げるという仕組みが実現できています。そういった点で Evernote は、リアルとデジタルを連携させるのに最適のツールだと感じます」

先生方も生徒から受け取るコンテンツへの反応をもとに、さらに解りやすくして学習意欲を促すための工夫を凝らすなど、教える側のモチベーションが向上し、さらにその成果が生徒へフィードバックされるといった好循環が確⽴されつつあります。

Evernote Business を軸に学校全体の指導力強化を目指す

酒井先生は今後 Evernote Business を軸に、先生方が持っている知識やスキルを集約していきたいと展望を語ります。

酒井「職員室には、教員個人のレベルでとどまっているすばらしい知識や能力がまだまだあると思うのです。今後はそうしたそれぞれのノウハウや努力の成果を Evernote Business に集約してシェアすることで、学校全体の共有財産としてお互いに活用していける基盤を構築できれば、生徒にとっても教員にとっても嬉しいことだと考えています」

また、もともと Evernote には、個々の蓄積情報を関連付けることで予期しない発見やひらめきを呼び起こし、単なるデータをナレッジにつなげていくという特性があります。そうした意味でも Evernote Business は、学校運営に新しい連携や視点を生み出せるツールではないかと期待を語る酒井先生。若い⼥性の未来を育む同校の指導を、新たな情報共有・活用のためのツールが力強く支えていきます。

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