民間非営利団体のコンサルティング会社として、精力的に事業を展開する株式会社ウイズダムバンク。 Evernote Business と Salesforce とを連携させ、定型化して管理される顧客情報などの「構造化データ」と紙ベースの資料やミーティングの議事録といった多様なフォーマットの「非構造化データ」のシームレスな管理、活用に成功しています。
株式会社ウイズダムバンク 代表取締役 木内 満さん
「紙と口頭と現物」の情報を Evernote で収集・整理
株式会社ウイズダムバンク(以下、ウイズダムバンク)は、静岡を地盤に IT および経営コンサルティング事業を展開する企業です。地域に根差した活動の一環として、NPO(民間非営利団体)の活動資金に関するアドバイスも行うなど、そのユニークなビジネスモデルで注目を集めています。地元に根付いた顧客が多い同社にとって、業務で利用される資料はオンラインでは入手できないものがほとんどです。ウイズダムバンク代表取締役 木内 満氏は、「たとえば、静岡県の企業要覧の中から必要なページを撮影した写真など、当社の情報ソースは『紙と口頭と現物』がほとんどです」と語ります。
同社では Evernote Business を導入する以前から、個人レベルで Evernote を利用していました。入手した情報を「見る、まとめる、つなげる」ためのツールをいくつか試してみたものの、すべての作業を簡単かつ直感的に行えるツールは他に見当たらず、ごく自然に全員が Evernote を利用するようになっていたといいます。 一方で、顧客データをはじめ、会社として扱う情報は Salesforce に集約されていました。Salesforce の販売代理店でもある同社では、ビジネス情報を 1 カ所 に集約することに大きな意義があると考え、Salesforce 上にすべての情報を集めることを基本ポリシーとしてきました。このため、会社の公式データの管理には Salesforce、スタッフ個人の情報整理には Evernote という使い分けがされており、両者のデータの連携や活用が課題となっていました。
Salesforce との連携を機に Evernote Business 導入を決定
ウイズダムバンクが Evernote Business の導入を決めたのは、2013 年 9 月の Evernote Business for Salesforce の発表がきっかけでした。
木内「このサービスによって、Evernote Business 上の情報が集約された『ノート』を Salesforce の『レコード』とワンクリックで紐付けることが可能になりました。プロジェクト単位での情報集約を目指していたため 、Salesforce のカスタムオブジェクトとの連携が可能になったことが、Evernote Business 導入の決め手になりました」
同社では各業務プロジェクトをスタッフがペアで担当するため、両者の情報共有が重要なポイントになります。しかし、Salesforce 単独では紙の資料や写真、音声ファイル、ウェブ、Office 書類などの非構造化データは取り込めません。その点でも、Salesforce の顧客情報と、Salesforce には格納できない紙や写真のような資料とが相互に紐づけられることは、プロジェクトの情報を余すことなく共有する上で非常に有効でした。
さらに Evernote Business がもたらすコストメリットも、選定理由の 1 つだったといいます。
木内「私たちはまだ創業 2 年の若い会社なので、IT の導入においてイニシャルコストがかからないクラウドサービスはやはり魅力的です。とはいうものの、決してコスト面だけで選択したわけではありません。情報収集ツールとしての機能を比較した場合、Evernote Business に勝るものはない。私たちのビジネスにとってベストなサービスであることが、最終的な判断基準になりました」
シームレスにつながる Salesforce と Evernote Business
Evernote Business for Salesforce の導入効果としてまず挙げられるのは、ビジネスプロセス全体がシームレスにつながった点だと木内氏は指摘します。プロジェクトは、いずれも開始から終了まで半年から 1 年がかりで進行していきます。理想としては、そうした業務プロセス全体を構造化して把握したいところですが、実際には構造化できない情報が必ずあります。むしろ、企業内のほとんどの情報は構造化されていません。それらを Evernote Business に集約して Salesforce に紐づけることで、一元管理できるようになったのです。
木内「ビジネスのプロセス自体はきちんと構造化し、その中で構造化できない情報は Evernote Business に集約して、しかも両者がストレスなく連携できるというのは、すごく重要なメリットだと思っています。たとえば、プロジェクトの途中で状況報告のミーティングを行う場合、Evernote Business を立ち上げて、これまでの経過や資料などを画面で参照しながら進めることも多いのですが、Evernote Business の中には前回のミーティング内容が丸ごと 1 画面で残っているわけです。話した内容の記録や資料もついていて、しかも Salesforce の顧客情報にもつながっている。そこだけ見ればいいという安心感は、非常に大きなものがあります」
また、この他のユニークな使い方としては、「チェックボックスを使った ToDo リスト」が挙げられます。これはプロジェクトの立ち上げ時に「作業リスト」を作成して、いつまでに何を行うという節目ごとに ToDo のチェックボックスを設定しておくものです。こうして後日、「未完了のチェックボックスがあるノート」という条件で検索すると、未了の作業がすぐに発見できるのです。
木内「ナレッジワーカーにとって、こうした縛りのゆるい備忘録的なチェック機能は程よくフィットするし、ToDo を付けておくことで未了の作業を後からでも取り戻せる安心感があります」
何でも入れておける自由さが新たな「気づき」を生み出す
Evernote Business の今後の活用ついて、 「使うかどうかわからないデータ」もどんどん取り込んでいきたいと展望を語ります。
木内「地元のプロジェクトが多いので、プロジェクトの資料はもちろん、オンライン検索では出てこない地域の情報誌のような紙媒体まで、あらゆるものを専任のスタッフがスキャンしています。そうすると後で検索した時に、自分では知らなかった、他の誰かが見つけてきた資料が目に入って、ヒントになることが多いのです」
また、こうした「何でも入れておく」ことを実現する上で、Evernote Business のデータ容量は大きな支えです。Evernote Business のアップロード容量は、個人とビジネスそれぞれの領域用に毎月各 2GB が 提供され、ノート1つ当たりの最大サイズも 100MB が確保されています。しかも、この 2GB はあくまでも 1 カ月当たりのアップロード容量の上限であり、累積されるデータ容量には制限がないため、ある時点で満杯になってしまう懸念もありません。
木内「最近は、メーラーのフィルタ機能を利用して、特定のキーワードが含まれるメールを自動的にピックアップして取り込む試みも行っています。こうした自動化も容量が限られていると難しいですが、Evernote Business の毎月 2GB なら安心です」
Evernote Business に日々蓄積される多くの情報が、ウイズダムバンクの新たなナレッジやアイディアとなって花開く日は、そう遠いことではなさそうです。
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