使い方と事例 • 生産性向上

Evernote で生活はこんなに変わる! 知的家事プロデューサー・本間朝子さんがおすすめする4つの効率化テクニック

仕事や家事に追われて毎日忙しく、時間の余裕がない――。そんな悩みを持つ多くの人に向けて、家事を時短・省略化する知的家事メソッドを発信されているのが、知的家事プロデューサーの本間朝子さんです。

家事の量は変わらなくても、作業がスムーズになるように家事の流れを組み立てたり、ちょっとした便利グッズやデジタルツールを活用したりすることで、家事は驚くほど効率化できるのだそうです。

そんな本間さんは長年、仕事や家事に役立つツールとして Evernote をご愛用くださっています。今回、本間さんご自身が実践しておられる「仕事や家事にすぐ役立つ Evernote の活用テクニック」をお聞きしました。

※取材はオンラインで実施しました

<プロフィール>

知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案。講演を多数行う他、雑誌、ラジオ、TV などのメディア出演、TV ドラマのアドバイザーや商品企画コンサルティングなど多岐にわたり活躍している。
著書に『ゼロ家事』 (大和書房)『写真でわかる! 家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)など。
オフィシャルサイト:http://honma-asako.com/

NFC タグで Evernote に最速アクセスする時短家事テクニック

――今回はぜひ、仕事と家事それぞれで本間さんが実践されている Evernote の活用法について教えてください。

本間:わかりました。私からは 4 つの活用法をご提案できればと思います。1 つ目は「 NFC タグを活用した時短術」です。

―― NFC というと、スマホをかざすだけで通信できる技術ですね。

本間:そうです。NFC タグはシール状の製品などが販売されていて、タグには URL を登録できます。この NFC タグに Evernote のノートの公開 URL を登録しておけば、スマホをかざすだけですぐに指定のノートにアクセスできるのです。

――どのような場面で使われているのでしょうか。

本間:たとえば、キッチンの戸棚扉を開けたところに NFC タグを貼り付けています。その NFC タグには、主に料理のレシピをクリップしたノートの公開 URL を登録しています。

我が家の事情をお話すると、コロナ禍で夫がリモートワークになり、家事にも参加しやすくなりました。夫も料理を作るようになったので、夫に作ってほしい料理があるときはレシピノートの URL を登録した NFC タグを貼っておき、読み取ってもらうようにしています。

仮にノートの URL をチャットアプリ等で共有した場合、スマートフォンのチャットアプリを開き、URL をタップしてレシピのノートにアクセスすることになります。その作業も、それほど手間というほどではないかもしれませんが、NFC タグにスマートフォンを近づけるだけでノートにアクセスできる方が明らかに効率的です。

――わずかな手間の違いでも、積み重なると大きな差につながりそうです。

本間:もちろん、私自身も使うこともあります。何回も作ったことのあるレシピでも、久しぶりに作ったりすると、案外調味料の分量など忘れていたりするものですから。

――NFC タグですばやくノートにアクセスする方法は、料理のレシピ以外にもいろいろと活用できそうですね。

本間:そうですね。たとえば、私は家電のマニュアルを Evernote に入れてあるのですが、そのノートの URL を NFC タグで家電に貼っておくと便利ですよ。ちょうど最近、冷蔵庫の調子がおかしくなったことがあったのですが、NFC タグからマニュアルを開いてすぐに対処できました。他にも洗濯機や空気清浄機などに、マニュアルへアクセスできる NFC タグを貼っています。

――Evernote を開いて家電名で検索するよりも、NFC タグで開く方が早いですね。

本間:他にもいろいろなアイデアが考えられます。たとえば、買い物リストなどを夫婦で共有している場合は、そのリストへアクセスできる NFC タグを普段から持ち歩くものに貼っておくと便利だと思います。スーパーで買い物しながら、「あと何を買うんだっけ?」というときにサッと NFC タグでノートを呼び出せると効率的ですよね。

他には、オンラインゲームなどで毎回ログインしないといけない場合、パスワードをノートに入れておいて、そのノートにアクセスできる NFC タグをコントローラーなどに貼っておくと便利かもしれません。毎回、Evernote を立ち上げてノートを探すよりも早いですし、パスワードを書いた紙などをコントローラーに貼り付けておくのはセキュリティ上、不安がありますから。

もちろん、その場合は公開 URL になりますし、そもそもパスワードを平文で Evernote に入れること自体にリスクがあります。ですから、必ずパスワード自体を暗号化しておくことをおすすめします。Evernote の場合は、デスクトップアプリを使えば指定の文字列を暗号化できます。

検索のフィルタ機能で“増えすぎたノート問題”を解決


コロナ禍前に実施のセミナー中の様子

本間:次にご提案するのは、Evernote の検索そのものを効率化する方法です。というのも、Evernote に大量のノートを保存していると、検索がうまく機能しなくなることがあるんです。

たとえば、仕事でお会いした佐藤さんに関する情報を Evernote に保存していたとします。そのノートを検索で探そうとして「佐藤」で検索をかけると、昔クリップしたニュース記事など、「佐藤という単語は含まれているけれど、ぜんぜん関係ないノート」が大量に表示されたりするんですね。タグやノートブックで整理できていれば多少効率化できますが、そうでないと大変です。

――Evernote を長くお使いいただいている方がよく感じられる課題だと思います。

本間:そこで便利なのが「高度な検索構文」です。先ほどの例でいうと、佐藤さんの情報を入れたノートを作成するときは、タイトルに「佐藤」を入れていることが多いですよね。そこで、検索窓に「intitle:佐藤」と入力します。すると、ノートの内容全文ではなく、ノートのタイトルに「佐藤」が含まれているノートだけを検索できるんです。

画像では例として「生産性」という単語で検索した場合(本文中や画像に含まれる文字も検索対象)と、「intitle:生産性」で検索した場合(ノートのタイトルに「生産性」が含まれる場合のみ検索対象)を示している。

他にも、献立を考えるとき、「冷蔵庫に茄子と椎茸があるから、どっちかを使ったレシピを探したい」とします。このとき「茄子 椎茸」で検索すると、「茄子と椎茸の両方を含んだノート」だけが表示され、「茄子と椎茸のどちらか一つだけが含まれているノート」は表示されないんです。だからといって、「茄子」で検索をかけて、次に「椎茸」で検索するのは手間ですよね。

そんなときに使いやすいのが「any:」です。「any:茄子 椎茸」と検索すると、「茄子」または「椎茸」のどちらかを含むノートが表示されるんです。私はこの高度な検索構文の単語を単語登録しておいて、すぐに入力できるようにしています。

――単語登録しておけば、入力の手間もかからず便利ですね。

本間:他にも Evernote には様々な検索構文があるのですが、実は最近、便利な機能が追加されました。それが、「検索のフィルタ機能」です。検索のフィルタ機能を使うと、検索を高度に絞り込むことができるんです。

今、フィルタ機能で可能なのは、「タグ」や「ノートブック」を指定した絞り込みや、画像や PDF など特定のコンテンツを含むかどうかでの絞り込み、またノートの作成日や更新日を特定の日付や範囲で指定して絞り込めたりもします。

これまでタグで絞り込む場合は「tag:」、ノートブックで絞り込む場合は「notebook:」、作成日での絞り込みは「created:」などの検索構文を使う必要がありましたが、これからはフィルタ機能からタップするだけで簡単にフィルタリング検索できるので、非常に便利になりました。

「intitle:」と「any:」に関してはまだフィルタ機能に入っていないので、しばらくは高度な検索構文とフィルタ機能を併用していきたいと思っています。

――ノートが増えすぎて検索のノイズになることが多いけれど、だからといって昔のノートを消したくはない、という方にはぴったりの使い方ですね。

人に会う仕事で役立つ、Evernote を活用した顧客管理術

本間:続いて、仕事での活用法をご紹介します。それはお客さまの情報を Evernote に入れておき、リマインダ機能で呼び出すというものです。

私は地方に講演の仕事で行くことが多いのですが、その際にご依頼いただいた自治体の方などから事前にお手紙をいただくケースが多いです。いただいたお手紙は写真を撮るなどして Evernote に入れておき、講演日のタイミングに合わせてリマインダをセットしています。

こうしておくと、講演日にノートがリマインドされるので、飛行機や新幹線で移動しているときなどに目を通しておけるんです。お手紙をいただくのは講演よりもずっと前のタイミングなので、一度読んでもなかなか内容を覚えておくのは大変です。直前にもう一度読み直すことで、お客さまの情報をしっかりとインプットし、お客さまとお会いした際にも気持ちが伝わりやすくなるんです。

お手紙だけでなく、メールを入れておくのも良いでしょうし、講演が終わった後に送っていただける写真やお礼のお手紙を入れておくのも良いですね。もし、次にまた同じ方とお会いする機会があるなら、Evernote に蓄積された情報を確認することでコミュニケーションがスムーズになります。何より、読み返すことで自分自身のモチベーションも高まります。

――「顧客管理」を Evernote で実践されているのですね。

生活を効率化するだけでなく、豊かにしてくれる Evernote 活用

本間:最後にご紹介するのは家庭での活用法です。コロナ禍で巣ごもり生活になったとき、私たち夫婦の楽しみは自宅で映画を見ることでした。自分の見たい映画を Evernote の共有ノートにお互いメモしておき、見たらチェックボックスにチェックをつけるようにしたんです。どんどんチェックがついていくと、「こんなに見たんだな」と後から二人で振り返ったりもできますし、何だか充実感があるんです。

また、Evernote はノート内にリンクも張れるので、タイトルが地味で良さが伝わりにくい作品については、ちょっとしたプレゼンのつもりで予告編の URL を張ったりしています。

私たち夫婦は映画の共有で使っていますが、他にもいろいろな趣味で活用すると楽しいですよ。たとえば、行きたいレストランを共有したり、夫婦だけじゃなくお友だちと一緒に使ってみたりすると、すごく生活が充実すると思います。

Evernote は生活を効率化してくれるツールではありますが、それだけではなく、生活を豊かにしてくれるツールだと私は思っています。

――ありがとうございました。

Evernote であらゆる情報をスッキリ整理

無料で新規登録