使い方と事例

心臓血管外科医に聞く、最新医療の現場で Evernote が注目の理由

人命に関わる医療の現場で使用されるデジタルツールには、高い信頼性が求められます。

そんな医療業界で注目されているのが Evernote です。実際に Evernote をご活用いただいている心臓血管外科医で、一般社団法人若手心臓外科医の会の理事長でもある荒川衛先生に、どのような場面で活用されているのかを伺いました。

「Evernote の使い勝手が気に入りました」

——荒川先生は心臓外科がご専門だとか。

荒川:はい。心臓血管外科を専門にしており、日本外科専門医と日本心臓血管外科専門医を取得しております。

——Evernote を知ったきっかけは何だったのでしょう。

荒川:2010 年ごろだったと思います。ノートの中にテキストや画像、PDF など何でも保存できるのが便利だなと思いました。インターフェースなど使い勝手も気に入って本格的に使い始めました。

——お仕事でもお使いいただいていると伺いました。ちなみに病院で電子機器を使うのは良くないという話がかつてはあったかと思うのですが……。

荒川:以前はそういったことが言われていましたが、ガイドラインが作成され、今はほとんどの場合、病院内でもスマートフォンを使って問題ありません。

治療方針や手術の報告などを Evernote にまとめて共有

——そうだったのですね! お仕事ではどのようにお使いいただいているのでしょうか。

荒川:まずは手術に関する情報共有です。手術をする際は、他の病院の先生とチームを組むこともあり、病院の内外の多くのスタッフと情報を共有しておく必要があります。どのような治療を行うのか、どのような薬を投薬するのかなどのプランを決め、多くの場合は PowerPoint にまとめます。それを、メールなどで指導医の先生や医療機器の販売業者さんにお送りするのです。Evernote には、その PowerPoint の元になる情報 (手術に関するスケッチなど) を保存しています。もちろん、患者さんの個人情報が特定できるような情報は Evernote には入れていません。

手術の所見や医療画像のスケッチなどは、紙のノートに書くこともあれば、iPad 用手書きアプリの Penultimate に書くこともあります。紙のノートの場合は、あとで Scannable を使って Evernote に保存しています。同じスケッチを二度描くのは大変ですからね。Evernote に入れておけば共有も簡単ですし、同時に記録用の保存にもなります。

——手術後はいかがでしょうか。

荒川:臓器の状態も手術の方法も患者さん一人ひとり異なりますから、その部分をしっかり記録しておくために手術後は報告書を作成します。その際、術前に描いたスケッチをコピーして使うこともあります。

また、術中の写真を報告書に貼り付けることも多いです。こうしたスケッチや写真はすべて Evernote に保存し、いつでも取り出せるようにしています。

論文や教科書を PDF 化して保存

——手術関連のお仕事以外ではどのようにお使いでしょうか。

荒川:手書きでメモを取ることも多いのですが、私はポケットにメモ帳を入れておく習慣がないので、手近なところにあるコピー用紙にサッとメモすることが多いです。そのままだとなくしてしまうことも多いので、書いたらすぐに Scanable で Evernote に保存しています。

それから、これは一般的な使い方だと思いますが、名刺や書類の管理にも Evernote を使っています。Evernote に保存すると検索で見つかるのでとても便利ですね。

——医療に関する論文や資料などは電子化されているのでしょうか。

荒川:そうですね。論文には医療の最新情報がまとまっているので私も日々目を通しているのですが、その PDF を Evernote に保存しています。ダウンロードした PDF にはコメントが付けられますし、タグを付けておけばあとで必要な論文を効率的に探すことができるのです。そのほか、分野ごとの診療指針などがまとめられたガイドラインも入れていますね。こうした情報は、ノート共有で知人にシェアすることもあります。

マルチデバイス対応で出張時に重宝

——ノートブックやタグの使い方についてはいかがですか。

荒川:ノートブックは一応分けてはいるのですが、最近は「inbox」という名前を付けたノートブックにまとめて入れておくことが多いですね。検索が非常に優秀なので、後から探す際も不便を感じないのです。ノート数が多いなら分けた方が良いかもしれませんが、私の場合は 900 とそこまでではないので、スクロールするだけでもわりと簡単に見つかります。

それができるのは Evernote のインターフェースが優れているからです。各ノートに入れてある手書きスケッチなどのイラストがサムネイルになって縦に並ぶので、パッと見て探しやすいのです。

——あらためて Evernote の良い点を教えてください。

荒川:インターフェースが見やすく、使いやすいこと。一つのノート内にイラストやテキスト、写真、PDF、PowerPoint などをまとめて入れられること。それから、マルチデバイス対応なのでいつでもどこでも利用できることですね。学会やセミナーなどで外出することも多いのですが、そうした時のメモも取りやすいです。

医療業界においても Evernote はとても可能性のあるツールだと思います。私の周囲にも Evernote を活用している医師はたくさんいますよ。

——ありがとうございました。

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