昨今、働き方改革がトレンドになっていることもあり、副業を推奨する企業も増えてきました。
副業といっても様々な仕事がありますが、中でも人気なのが Web ライターです。在宅で仕事ができ、働く時間に融通がききやすいことから、会社員でも続けられる副業として注目されています。
そんな副業 Web ライターとして活躍されているのが Magipapa さんです。本業とは別に Web ライティングを仕事として行っている Magipapa さんは、より業務効率を上げるために Evernote を活用されています。
Web ライターとしての Evernote 活用法について、Magipapa さんにお聞きしました。
※取材はオンラインで実施しました
<プロフィール>

もともとは会社員だったが、10 年前に早期退職し、雑貨の輸入ビジネスを開始。本業のかたわら、3 年前から副業として Web ライティングを行っている。YouTube (Magipapa channel) にも動画を投稿するなど、幅広い分野で活動中。
副業を始めたのは、収入の柱を増やして生活を安定させるため
――Magipapa さんが副業で Web ライターを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
Magipapa:私はもともと、電子部品関係を扱う会社に勤務していました。10 年ほど前に早期退職し、輸入雑貨を販売するビジネスを始めたのですが、なかなか収入が安定しませんでした。そこで、収入の柱をもう 1 つ作ろうと思って始めたのが Web ライターです。3 年前から始めて、現在はむしろ Web ライターの方が安定的に収入が得られるようになっています。
――副業にもいろいろな選択肢があったと思いますが、Web ライターを選んだのはなぜでしょう。
Magipapa:本業を継続しつつ新たに始めることが可能な副業を模索した結果、たどり着いたのが Web ライターの仕事だったのです。自宅で作業ができることや、自分で時間をやりくりできる仕事であることが私のスタイルに合っていました。
――書く仕事のご経験があったのでしょうか?
Magipapa:まったくありませんでした。ただ、昔から PC やテクノロジーが好きで知見を持っていたので、技術を解説するような記事なら書けると思いました。また、アウトドアにかなり熱中した時期があり、知識が生かせると考えました。たまたま、そういった私の得意分野でコンテンツを作りたい企業と出会えたことで、Web ライターの仕事を始められました。現在も PC 系とアウトドア系の 2 つのジャンルでライティングの仕事をしています。

クライアント確認に備えて、原稿のバックアップに Evernote を活用
―― Web ライターのお仕事に Evernote をご活用いただいているとお聞きしました。Evernote はいつ頃からお使いでしょうか。
Magipapa:Evernote を使い始めたのは 2011 年の 8 月頃からです。アプリストアか何かで Evernote が紹介されているのを見て、面白そうだなと思ってダウンロードしました。
――当時はまだ Web ライターを始める前ですよね。
Magipapa:そうですね。最初はどう使えばいいかよくわからず、日常で撮った写真を入れたり、読んだ本の記録をつけたりと、ライフログ的に使っていました。会社を退職して輸入ビジネスを始めてからは、海外から買い付けてきた商品のチェックリストや、出展する展示会のブース施工業者とのやりとりのまとめなどに活用していました。現在は主に Web ライターとしての業務に Evernote を使用しています。
―― Evernote を Web ライターの業務でどのように活用されているのか、具体的に教えていただけますか。
Magipapa:Web ライターとしての活用方法は大きく 2 つあります。まず、執筆した原稿のバックアップです。「ライティング」というノートブックに、過去に書いた原稿をバックアップしています。というのも、原稿はクライアントの WordPress に入力する形で納品するので、納品後は手元に残らないからです。

――テキストエディタで執筆して保存すると、そのファイルがバックアップになりませんか?
Magipapa:いえ、私は執筆の際、テキストエディタなどは使わず、直接 WordPress の入力画面に直書きするんです。ですから、バックアップをとらないと手元から原稿が消えてしまうんです。
――そういうことでしたか。バックアップをとるのは、後から見直すからですか?
Magipapa:はい。納品後にクライアントが原稿を確認して、問題がなければそれで完了ですが、疑問点があれば問い合わせがくることもあります。そのときに手元に原稿がないと、私としても確認の仕様がありませんからね。書いた内容をすべて記憶しておけるわけでもないですし。
――クライアントの確認以外に、ご自身で後から見返すことはありますか?
Magipapa:たまに見返すこともあります。近いテーマで原稿を書く場合、自分が過去に書いた内容が参考になることもあるからです。そのときは Evernote 内をキーワードで検索して、過去にどんなことを書いたかチェックします。その点でも、バックアップはとっておく必要があります。

後から検索することも考えて、参照元ページの内容を保存
―― Evernote のもう 1 つの使い方についても教えていただけますか。
Magipapa:もう 1 つは、記事を執筆する際に参考にした情報の記録です。これらは、「ライティング(参照情報)」というノートブックにまとめています。たとえば、PC の周辺機器を紹介する記事を書くとします。その場合、記事で紹介する周辺機器のスペックなどは、公式サイトの情報を参考にします。そうやって参照したページの URL を、Evernote にメモしておくのです。
記録しておく理由は、記事に書いた内容についてクライアントから確認を求められた際、根拠として提出するためです。提出といってもノートを共有するわけではなく、URL を提示するだけなので、Evernote に記録しているのは自分の備忘録としてですが。

――ノートには URL だけでなく、画像も入っていますね。
Magipapa:参照元ページの内容や使われている画像などを、URL と一緒に Evernote に入れています。これは、参照元ページに飛ばなくても Evernote を見るだけで参照した内容がわかるようにするためです。テキストだけでなく、画像も含めて 1 つのノートにまとめられるのは、Evernote ならではの良さだと思います。
また、ノートに画像を入れておくと、ノートを一覧表示したときにサムネイルに画像が表示されますよね。そうすると、ノート一覧をスクロールしてざっと見ていったときに、目当てのノートが見つけやすくなるというメリットもあります。文字と違って、画像は瞬時になんとなく判別できますからね。
――ノートのタイトルの付け方も工夫されています。
Magipapa:タイトルは後からの検索性を考えて付けています。1 つの単語だけでなく、他の言い回しや、スペース(空白)の有無など、いろいろなパターンを網羅しておくことで、将来自分がどんなパターンで検索しても表示されるようにしています。

検索性をより高めるためのタグ付けテクニック
――タグについてはどのように活用されていますか。
Magipapa:ノートブックを横断して、共通の内容で絞り込みたいときにタグを使います。たとえば CPU について書いたノートブックには「cpu」のタグをつけています。こうすることで、「ライティング」ノートブックと「ライティング(参照情報)」ノートブックを横断して CPU に関する情報を表示できるのです。
――「CPU」で検索するのではダメなのでしょうか。
Magipapa:検索でもいいのですが、CPU という単語は PC 関連の記事であればたいてい使われているので、検索結果が大量になってしまいます。CPU で検索したいときにほしいのは「CPU をメインテーマとして書かれた原稿か、CPU がメインテーマの参照情報」なので、単に CPU という単語が入っているだけのノートまで検索で出てくるとノイズになってしまうのです。そういった単語については、あらかじめタグにして付けておくと便利です。

YouTube 動画のアイデアや構成のまとめに Evernote を使用

――Magipapa さんは YouTube 活動もされています。その活動の中でも Evernote を活用されているそうですね。
Magipapa:はい。YouTube に投稿する動画のアイデアや構成を Evernote に保存しています。何かアイデアを思いついたら、とりあえずそのネタをタイトルに入れて、ノートを作っておきます。それから、改めて構成を練っていきます。構成は箇条書き機能を使ってまとめています。「台本」というタグを付けていますが、実際には台本ほどいうほど細かい内容は入れていません。

――構成を作るまでにどれくらいの時間をかけるのでしょう。
Magipapa:骨子は 20 ~ 30 分くらいで作成し、そこから空き時間を見て作り込んでいきます。Evernote は複数デバイスから使えるので、iPhone アプリから追記したり修正したりすることもあります。夕食時など Mac を開けないときに便利です。最終的な構成が完成するまで、トータルで 1 時間もかからないくらいだと思います。
その他に、YouTube で使う比較表も Evernote で作成しています。PC 系の動画が多いのですが、製品を比較する場合に表があるとわかりやすいですよね。そこで、比較表を Evernote で作成して、完成した表をスプレッドシートを介して Google スライドに貼り付け、収録に臨んでいます。最初からスプレッドシートで作成してもいいのですが、そうするとデータを1つの場所に残せません。どうせなら、すべてのデータを Evernote にまとめたかったので、まずは Evernote で作成することにしたのです。
情報を一元管理するのは重要だと考えています。情報がばらばらの場所にあると検索もできませんし、そもそも何をどの場所に入れたのかを思い出さないと探せません。「情報は Evernote に入れておく」ということさえ決めておけば、情報を探すときも迷わずに済みます。

――ちなみに、Magipapa さんが YouTube を始めたのはなぜですか?
Magipapa:自分自身が普段使っているガジェットなどを紹介する場があると面白いなと思ったからです。Web ライターとしての仕事はクライアントの依頼として行っていることなので、自分のことを書くわけではありませんから。ブログでもいいのですが、どうせならトレンドである動画で表現してみたいと思いました。
Web ライターという仕事柄、新しいことに好奇心を持って挑戦するのは大事だと考えています。挑戦から学ぶことは多いですからね。
――最後に、これから Evernote を使ってみたいと考えている方へメッセージをお願いします。
Magipapa:私も最初は Evernote をどう使えばいいかわからなかったのですが、使ってみると他のクラウドメモやオンラインストレージとは違う便利さに気づきました。画像やテキスト、動画、音声など異なる形式のファイルを 1 つのノートにまとめて管理したり、検索で簡単に情報が拾えたりするのは、Evernote ならではのメリットです。まだ使ったことがない方はぜひ試してみてください。
――ありがとうございました。