使い方と事例

美術鑑賞記録のススメーー好きなものがたまっていくうちにいつのまにか意味が生まれる

美術鑑賞が趣味で、収集したパンフレットなどを保管するのに Evernote を使っているという岡部美沙子さん。鑑賞記録としてだけでなく、好きなものを集めるツールとしての Evernote 利用法を伺いました。

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氏名:岡部 美沙子(おかべみさこ)

「パンフレットの束を捨ててすっきりしました」

——Evernote を美術鑑賞の記録に使われているそうですね。もともと美術鑑賞がお好きなのですか?

岡部「以前はあまり興味がなかったのですが、若冲という江戸時代の画家の展示を友人に連れられて見に行ったらハマってしまって。いろいろな美術展を回るようになりました。若冲の他にはミュシャやクリムトが好きでよく見に行っています」

——Evernote を美術鑑賞の記録に使われ始めたのはいつ頃からですか?

岡部「昨年の 4 月くらいからですね。最初はまとめ記事でも書いた通り、美術館めぐりで収集したパンフレットをまとめる目的で始めたのですが、それから使い方の幅が広がっていった感じです」

——ということは、もともと Evernote を使っていて美術鑑賞に使い出したわけではなく、最初からその目的で始められたのですね。

岡部「そうなんです。Evernote ってよくオススメアプリで紹介されるので、気にはなっていたんです。ただ、正直どう使っていいのかわからなくて(笑)。日記みたいなものかなと何となく思っていたのですが、美術館めぐりで溜まりに溜まったパンフレット類を何とかしたいなと思ったのがきっかけでしたね」

——ということはパンフレット類は……。

岡部「紙類はスキャンした後、捨ててさっぱりしました(笑)」

いつのまにか好きなものがたまって新しい視点や価値が生まれてくる

——そうやって保存したパンフレットって、後から見返すのでしょうか。

岡部「見直しますね。ここ行ったなぁとか振り返るのが好きなんですよ。でも紙のパンフレットのときはさすがに多くなりすぎて、途中から開くのが億劫になっていました。だったら検索もできるんだから、デジタル化した方がいいのかなと思ったんです」

——整理はタグやキーワードで分類を?

岡部「タイトルに『2008 年 3 月◯◯展』みたいな感じで書き入れていますね。タグで整理してもいいのかもしれませんが、タイトルにつけておくと題名順に並べたときにちゃんと時系列順に並んでくれるんですよ。それが便利ですね。美術展のパンフレットって綺麗なデザインのものが多くて、サムネイルがずらっと並ぶのを見るだけでも楽しかったりします」

——たしかに色合いも綺麗ですね! パンフレットをスキャンしたノートに何か書き込んだりもするのでしょうか。

岡部「感想を書き込んだりしますね。その場では Evernote に感想やメモをとって、帰宅してからスキャナでパンフレットを取り込んで保存。それからメモした感想をつぎはぎして一つのノートにしています」

——綺麗にまとめられていますね。これは後から見るのも楽しそうです。

岡部「見返すことで新しい視点や価値が生まれてくるのかなと思います。いいもの作ろうと思わずに使っているうちに、いつのまにか好きなものがたまって意味が生まれるという感覚です。ノートを消すこともあまりないですね。残っていれば、それはそれで何かを考えるきっかけになったりしますから。中には一行で終わっているノートなんかもありますよ(笑)。そういうノートは『自由』というノートブックに入れています」

ノートブックは大まかな分類、タグは気軽かつ横断的に。

——ノートブックやタグの使い分けについて教えていただけますか。

岡部「ノートブックは大まかなくくりですね。ノートブックって一旦作ると私は心理的に消しづらいので、こう使おうという見通しが立っていれば作ります。

タグは一度作っても、これはもういらないなと思ったら簡単に消せますから、気軽につけていますね。美術館の名前とか、アーティストの名前とか。特定のキーワードで抽出できるのはとても便利です。あと、ノートブックを横断してつけられるのもタグの利点ですよね。

例えば『お酒』というノートブックと、同じく『お酒』というタグがあるのですが、ノートブックの『お酒』は自分が飲んだお酒を記録したノートを分類しています。タグの『お酒』はそれに限らず、お酒にかかわるノートすべてにつけていますね。たとえば私は本が好きなのですが、おいしそうなお酒の描写がある本には『お酒』タグをつけています」

——なるほど。ノートブックとタグで整理の軸を分けているわけですか。

岡部「そうですね。私は舞台もよく見に行くのですが、たとえば渋谷の文化村という施設には劇場もあるし美術館もあるんです。劇場と美術館は違うジャンルですけど、文化村という点では共通しているので『文化村』タグをつけることで整理しています。他にも『銀座』タグなら銀座にあるバーの記録ですとか、銀座で開催されたイベントに参加したときの記録、銀座に関係する本の記録などにタグづけしていますね」

——多趣味なところをタグでうまく整理されているのですね。他に Evernote はどんな使い方をされていますか?

岡部「これは Evernote の解説本とかによく載っているやり方なのですが、持っている衣服の写真を撮ってワードローブみたいにしています。服を買うときに、これと同じようなものを持っていなかったっけって探したり、この服とあの服は合うかなって考えたりするのに使えますね」

——美術鑑賞以外にも色々な場面で Evernote をお使いいただいているのですね。岡部さんにとって Evernote の一番のメリットはどこにあったのでしょう。

岡部「紙の束がなくなってすっきりしたのもそうなんですが、やっぱり、外にデータを持って行って人に見せられることですね。見ている途中で他のパンフレットを見たくなったら、ノートを検索したりもできますし。ファイルでアナログに管理していたときは持ち出すことは絶対にできなかったことですから」

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