使い方と事例

【顧客管理 × Evernote】 検索機能の活用術

接客業で欠かせないのが、お客様の情報を適切に管理する顧客管理業務です。業界に特化した顧客管理ソフトを活用するのが一般的ですが、業種、お店の規模、営業スタイルによって、既存の顧客管理ソフトのみではサポートしきれない課題もあります。

スウェディッシュマッサージ iki オーナーであり Evernote ユーザーの秋山 妙子さんも、そんな悩みを抱えていた 1 人。

かつてどんな課題があり、Evernote でどう解決できたのかについて伺いました。

<プロフィール>

デザイン、建築、出版、医療など様々な業界を経て、スウェディッシュマッサージスクール「フォレスト・スパ」で技術を習得。ヘッドスパサロンや整体、スポーツジム内のサロンなどに勤務した後、スウェディッシュマッサージ iki(いき)をオープン。スウェディッシュマッサージ、グリーフマッサージ(光の雨)、腸もみを提供するほか、講師や福利厚生施術、大阪でのヘッドスパなど出張サービスも。

スウェディッシュマッサージサロンの顧客管理に Evernote を活用

――秋山様が経営されているサロン「スウェディッシュマッサージ iki(いき)」についてご紹介をお願いします。

秋山:スウェディッシュマッサージiki は、オイルを使って筋肉を的確にほぐす「スウェディッシュマッサージ」、超弱圧が深い悲しみを癒していく「グリーフマッサージ(光の雨)」、お身体を柔らかな明るさへ導く「腸もみ」の 3 つのメニューを基本に提供するサロンです。ヘッドスパやフェイシャルもしますが、お客様は女性だけでなく、3 割以上が男性で、研究職や教師、医療従事者といった方々が多いです。

――いつ頃から Evernote をお使いいただいているのでしょうか。

秋山:Evernote を知ったのは 2016 年頃だったと思います。当時、開業してすぐに通っていた経営塾で、「Evernote はすごく良いツールだから使ってみたら」とご紹介いただいたのがきっかけでした。

ただ、当時は特に使う用途が見当たらず、あらためて Evernote を使うようになったのは、顧客管理に課題が出てきたときです。

Evernote で PC とスマートフォンの情報を同期

――どのような課題が出てきたのでしょう。

秋山:以前から使っていた顧客管理ソフトがスマートフォンに対応していなかったんです。機能自体は充実しているので使い続けているのですが、スマートフォンに対応していないというのは私にとって大きな問題でした。何か良いツールがないか調べたところ、とある美容師さんのブログで Evernote を活用した顧客管理について紹介されているのを見つけました。経営塾でもおすすめされたこともあり、その方のブログを参考に使ってみることにしました。

――スマートフォンに対応していないと、具体的にどんな問題が起きるのでしょうか。

秋山:スウェディッシュマッサージiki は、私が 1 人で運営しているサロンです。施術も顧客管理も、すべて 1 人でこなさなければならないので、PC ではなくスマホで気軽に情報を入力したり確認したりしたいときも多いんです。

たとえば、今日ご予約のお客様について、今までの情報を確認したい場合、住所などの基本情報は不要です。今までの施術内容だけであれば、移動中などにサッと確認したい。顧客データがスマートフォンに対応していないと、思い立ったときに顧客チェックや振り返りができません。

――サロンに PC を置いて、常時開いているというわけにはいかないのでしょうか。

秋山:本当に小さな一室の個人サロンなので、ノート PC を開いて設置しておく場所がありません。PC は普段しまっておいて、施術終了後の入力時など、必要なときに立ち上げています。必要な情報だけを素早く取り出したいのに、PC を開いてソフトを立ち上げ、ログイン、顧客ページに行き、検索で呼び出して……という手順を踏むことになります。ちょっとした確認にそこまで手間はかけたくないんです。

顧客管理ソフトは専用のシステムですから、売上金額や顧客の解析など、機能は充実しています。でも、顧客情報にもいろいろありますよね。たまにしか見ない情報もあれば、頻繁に確認したい情報もあります。私にとって顧客管理ソフトは、頻繁に確認したい情報を入れておくには少し重いツールだったということです。

Evernote は機能と速度のバランスに優れたツール

――だからこそ、使い分けをされているわけですね。ちなみに、もし顧客管理ソフトがスマートフォンに対応されたら、どうされますか?

秋山:仮にスマートフォンに対応しても、Evernote との使い分けは今まで通り続けると思います。先ほど言ったように、Evernote は起動も早いし、ほしい情報にすぐアクセスできます。顧客管理ソフトがスマートフォンで使えるようになっても、Evernote ほどの手軽さで使うのは難しいでしょう。

――ソフトが軽いという点では、スマートフォンのメモアプリなどもあります。

秋山:たしかにメモアプリはシンプルで動作が軽いのですが、検索精度などに不満があります。Evernote は何よりも検索機能が優秀です。私は主にお客様の情報を検索で呼び出すのですが、Evernote は検索速度が非常に速く、精度も高くて満足しています。顧客管理ソフトもメモアプリもそれぞれ良いところはありますが、機能と速度の両方をバランス良く備えているのはやはり Evernote なんです。

こちらは秋山さんから伺った情報をもとに再現した Evernote の再現画像。タイトルにはお客様のお名前をひらがなで記載し、それぞれのノートの中に漢字も記載することで検索時の簡便化を工夫されているそう。

情報をすぐ引き出せることでサービスのクオリティも上がる

――Evernote に入れているのは、どんな情報ですか。

秋山:お客様のお名前と誕生日、ご紹介者や禁忌事項、来店された日付、前回の施術内容、その日の様子や体調、来店時のお話の中で出てきた重要なエピソードやキーワードなど、身体のことだけではなくいろいろな情報を記録しています。体調の変化は、メンタルの状態や出来事などの要因が身体に与える影響も大きいからです。来店された際は、Evernote の情報を確認した上で、身体以外の情報も踏まえて施術に取り組んでいます。

――クオリティの高いサービスを提供するには情報が大事なのですね。

秋山:特に接客業はそうだと思います。だからこそ、顧客管理ソフトを導入している業種も多いですよね。ペットの名前やお子さんのことなど、情報が多ければ、よりパーソナライズされたサービスが可能になりますから。ただ、そういった細かい個人情報を敢えて記録しないタイプのセラピストさんもいますし、お客様にもそういったスタンスを好む方もいらっしゃいます。

――検索をよく使われるとのことですが、検索しやすいような工夫もされているのでしょうか。

秋山:そうですね。たとえば、来店された日付が 2020 年 6 月 19 日なら「200619」のようにフォーマットを決めて入力しています。すると、後日 200619 で検索すれば、2020 年 6 月 19 日に来店されたお客様が一覧で出てくるので便利です。

また、ノートのタイトルにはお客様のお名前をひらがなで入力するようにしています。漢字での表記は本文の最初に入力しています。お名前を漢字でしか入れていないと、お客様の漢字がうろ覚えの時に、検索がきかなくなってしまいますからね。

こちらも秋山さんから伺った情報をもとに再現した Evernote の再現画像。お客様ひとりひとりとのコミュニケーションを大切に記録されているとのこと。

待ち時間の短さも魅力の一つ

――顧客管理以外の Evernote の活用法や、これから活用したいと思っていることがあれば教えてください。

秋山:今後も「後から見返したい情報」を入れていきたいと思っています。レシートを入れたり、家電のマニュアルを入れたり、自宅やお店に置いている物の在り処を入れたりしてみたいですね。

――あらためて、Evernote を顧客管理に活用してみて思うところを教えてください。

秋山:起動や検索が速いというのは、本当にストレスがなくて助かっています。今の若い人はWebサイトにアクセスした際、数秒待たされるだけで離脱してしまうそうです。それと同じで、Evernote の速さというのはとても大事なポイントです。頻繁に使うわけですから、毎回 1 秒遅れるだけでも、積み重なるとけっこうなストレスになります。

もちろん、業界に特化した顧客管理ソフトが不要というわけではありませんが、一方で軽快に動くためのサブツールとして Evernote を活用するやり方は本当におすすめです。

――ありがとうございました。

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