「ワークライフバランス」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 文字どおり「仕事」と「生活」という二項対立する時間のバランスと考える方が多いかもしれません。仕事の時間は自分の人生が一時停止したように感じ、家族や友人と過ごしたり趣味に没頭したりする有意義な時間を待ちわびる。そんなイメージではないでしょうか。しかし多くの人は、仕事の時間にエネルギーと集中力を使い果たしてしまっているので、なかなか自分の時間を充実させることができないと感じています。
また現実問題として、仕事の時間と生活の時間は簡単に切り離せるものではありません。特に在宅で働く知識労働者にとっては、仕事が生活の一部となり、その境界線は曖昧だったり、時には存在しないことすらあります。四六時中オンラインで何かや誰かとつながっている現代では、仕事のメールや緊急のSlackメッセージが、プライベートの時間にも容易に侵入してきます。
そのような環境で健全なバランスを見つけるには、まず自分の脳の中に境界線を引く必要があります。そしてそれを日々の習慣に落とし込んでいくのです。そのために、Evernote を「第二の脳」として活用しましょう。第二の脳で情報を整理して境界線を明確にすれば、本物の脳のほうで常にあれこれ心配する必要がなくなります。
今回は Evernote を使って、毎日の仕事とプライベートで重要なことを可視化し、最適な境界線を見つけるためのヒントを 3 つご紹介します。その際に鍵となる機能がタスクです。早速読み進めて、毎日のワークフローに取り入れていきましょう。
1. 案件ごとにノートを作成し、各ノートにタスクを作成する
完全なワーカホリックでないかぎり、ワークライフバランスが崩れる根本原因は、意志の欠如ではないはずです。また、必ずしも「やることが多すぎるから」というわけでもありません。真の問題は、やるべきことを整理できていないことなのです。チームのプロジェクト、仕事の緊急案件、家族の用事、自分がやりたいことなど、日々対処すべき案件はあっという間に溜まっていきます。
では、コントロールを取り戻すためにはどうしたら良いのでしょう。最初のステップは、漠然としたやるべきことの山を、実行可能な個々のパーツに整理することです。案件やトピックごとに専用のノートを 1 つ作るか、必要ならノートブックを 1 つ作りましょう。そして、そのトピックに関連するアイデア、リサーチ内容、リンク、画像など、思いつくものをすべてそこに保存するようにします。取り組みたいことはすべて、書き留め、保存し、記録する習慣を身に付けましょう。仕事だけに限らず、個人的な案件でも同じようにしてください。すべて書き留めておけば、頭で覚えておく必要がないので注意力を削がれることもなく、一度に 1 つのことに集中して取り組めます。
案件ごとにノート(またはノートブック)が作成できたら、次にそれを小さなタスクへ落とし込んでいきます。Evernote のタスクはノート内に直接作成できるので、実行すべきタスクと関連する情報を一目で確認できます。何かしなければならないときに、必要な情報がそこにあれば、すぐに取りかかることができますよね。
すぐにすべてをタスク化できなくても問題ありません。まずは、その案件を一歩前に進めるためのアクションを 1 つ特定しましょう。それができたら次のステップを考えます。大きな案件でも、小さなステップに分けて取り組むようにすれば、先延ばしすることもなくなりますし、進捗も管理しやすくなります。
頭の中で漠然としていたやるべきことを書き出し、小さなタスクに分解して、必要な情報と一緒に管理できれば、あとは落ち着いてとりかかるだけです。
使いこなしのヒント: Evernote Personal、Professional、Teams をご利用の方は、タスクビューをご利用いただけます。異なるノートに作成したタスクをすべて一覧表示できるので、全体的な作業量を確認するのにとても便利。また、ホーム画面から優先すべきタスクの一覧や、重要なノートの一覧、保存した検索条件、カレンダーなども確認できます。
2. 優先順位を付ける
大切なことを忘れないで実行しようとするあまり、精神的なエネルギーを消耗してしまい、結局一日が台無しになってしまったという経験はありませんか。ここでの問題は、すべて頭の中で整理しようとしていることです。でも Evernote にその負担を肩代わりしてもらえば大丈夫。重要なことを忘れていないかどうか気を揉んだりせずに、今もっとも重要なことに集中できます。
そのためのコツは、タスクにすべてを書き出し、優先順位をつけること。巨大で分類されていない ToDo リストは、不安を煽るだけです。次に何をすべきか道筋が決まっていないと、行き当たりばったりで物事に対処する思考回路に陥ってしまいます。そうならないためには、その日に実行すべき重要事項を決めましょう。そうすれば、その日はそのタスクのことだけを考えればよくなるので、時間を有効に使い、今取り組んでいることに集中して、達成感をもって 1 日を終えることができます。どんなに小さなタスクであっても、やり遂げれば充実感がありますし、自信にもつながります。
では、どのような方法で優先順位をつければ良いのでしょうか。ベストな方法は一人ひとり異なりますが、個人の生産性向上の分野で人気のあるツールをこちらにまとめました (英語記事) ので、いくつか試して自分に合ったものを見つけてください。ここでは、役に立つ一般的な原則をご紹介します。
- 各タスクを評価する: そのタスクがどのくらい緊急で、どのくらいのインパクトがあるものか評価しましょう。今日やるべきタスクですか? それとも他に人生に違いをもたらすようなもっと重要なタスクがあるでしょうか?
- タスクの優先順位を決める: 各タスクの期日を決め、リマインダーを設定しましょう。そうすることで、やるべき時にやるべきタスクを実行できます。必ず実行しなければならない最重要タスクにはフラグを付けるようにすれば、見落とすこともありません。
- 繰り返しのタスクを使う: 週次売上報告書の提出や毎月の浄水器交換など、定期的に実行しなければならないことは、繰り返しのタスクで管理しましょう。そうすれば、毎回優先順位を見直す必要もなくなりますし、うっかり忘れてしまうこともなくなります。繰り返しのタスクは好きな間隔で繰り返すことができ、完了マークを付けると、Evernote が自動的にそのタスクの期日を次回の期日にリセットしてくれます。
- 他の人に頼む: 重要なタスクでも、常に自分一人でやらなければならないわけではありません。他の人にタスクを割り当てることで、自分が本当にすべき仕事に時間を割くことができます。他の人に任せたタスクは頭の中から追い出して自分の仕事に集中しましょう。他の人に割り当てたタスクは、必要に応じてタスクビューの「割り当て済み」タブから進捗を確認できます。
使いこなしのヒント: 毎日の始まり(または終わり)に今後の ToDo を見直すことを繰り返しのタスクとして設定しましょう。この時間を習慣にすることで、次の日のロードマップを作ることができるだけでなく、仕事とプライベートの境界線も確立できます。
3. 自分のための時間を作り、それを守る
プロジェクトやタスクを整理することはもちろん大切ですが、実行すると決めたタスクは、あなたのワークライフバランスへの決意を反映している必要があります。自分で自分のための時間を確保しなければ、時間はすぐに他の人に奪われてしまいます。
- タスクのリストには、仕事や人付き合いだけでなく、個人的な ToDo、趣味、夢のプロジェクトなども含めるようにしましょう。
- たとえば、毎日 10 分の瞑想や、週に一度のハイキングなど、自分のための時間を定期的なタスクとして設定します。
- また、期限の時刻を設定することで、プライベートと仕事のタスクを分けることができます。たとえば、仕事のタスクは午前中いっぱいだったり終業時を期限にすることが多いと思いますが、プライベートのタスクは夜を期限にすることができます。さらに、優先順位のフラグを設定したり、タイトルに絵文字を追加したりすれば、どれが何のタスクなのか一目でわかります。
プライベートの ToDo が、仕事の ToDo よりも重要度が低いということはありません。自分のための時間を作り、それを確保することは、ストレスに打ち勝ち、創造力を発揮し、視野を広げるための最良の方法です。プライベートが充実すれば気力も高まり、仕事の時間もより生産的に過ごせます。
使いこなしのヒント: バランスを維持するために、カレンダーに個人的な時間をスケジュールし、その予定を Evernote のノートとリンクしましょう。そしてノートには、毎日、毎週、または毎月、その時間帯に取り組みたい具体的な内容を定期的なタスクとして記入しておきます。予定された時間が来たら、Evernote からパソコンやモバイル端末にリマインダーが届くので、ワンクリックでそのノートを開き、そこに書かれたやりたいことにすぐに取りかかれます。
実践する
ワークライフバランスの実現は、魔法でもなければ、実現不可能なものでもありません。ただ、自分で考えて、決意して、自分自身を守る意思が必要です。小さなことにこだわりすぎず、生活が仕事に飲み込まれてしまわないようにすれば、プライベートの時間が充実し、ストレスも軽減されるはずです。
早速今から始めてみましょう。人生のバランスを整えることを自分自身に約束するノートを作ってください。なぜそれが自分にとって重要なのか、そこから何を得たいのかを書き出します。たとえば、心の平穏を得たい、ストレスを減らしたい、人生を楽しくするための時間をもう少し増やしたい、など。そして、このノートを毎月見直すことを、定期的なタスクとして設定しましょう。そうすれば、このノートがあなたの北極星となり、大切なことを定期的に思い出し、立ち返らせてくれるシンプルなガイドとなるはずです。
Evernote を使ってプロセスを合理化・効率化すれば、集中力が高まるとともに、忙しい毎日の中で仕事とプライベートの生産的なバランスを見つけられます。早速タスク機能を利用するには、Evernote の最新バージョンをダウンロードしてください。