使い方と事例 • 生産性向上

変化する時代、変化する働き方

時代や環境の変化とともに、私たちの日々の生活や仕事にも少しずつ変化が生まれています。
例えば、自宅やコワーキングスペースなど会社以外の場所で仕事をするテレワークは、この数年で私たちにとても身近な存在になりました。

2021 年に発表されたテレワークに関する調査 [*1] によれば、 2020 年 6 月以降、実施率の全国平均は同じ水準を維持しており、テレワークが一定の割合で定着していることが示唆されています。
[*1] 出典元:大久保敏弘・NIRA 総合研究開発機構(2021)「第 4 回テレワークに関する就業者実態調査(速報)」

過去のブログ記事では、会社と自宅の二拠点で効率よく働くための仕事術をご紹介しましたが、社会状況の変化とともに「仕事を会社以外の場所や複数の拠点で行うこと」が、働き方の一つの形として今後ますます定着していくのかも知れません。
このような変化に対して、私たちは働き方をどう見直していけば良いのでしょうか。

自宅の作業環境の見直し

やむを得ず仕事を持ち帰って自宅で作業する場合や、期間を限定して在宅勤務するような場合、それらは“一時的なもの”であり、作業環境はそこまで重要ではありませんでした。

しかし、自宅で作業する頻度や時間が多くなれば、当然、環境を整えた方が生産性は上がります。もし、自宅での作業で効率が上がらないと感じるなら、作業を行う部屋や机・椅子などの設備、マウス・キーボードなどのアクセサリを、より使いやすいものに見直す必要があるかもしれません。

特に、作業効率に大きく影響すると言われるのが、PC のディスプレイです。
日本の大手メーカーが行った、ディスプレイと業務効率化の関係に関する研究 [*2] によれば、複数のディスプレイを使用すると作業コストが 13.5 %削減されるとの効果が示されています。「自宅ではノート PC 1 台で作業をしている」という方は、セカンドディスプレイを導入することで、生産性の向上が期待できます。
[*2] 出典元:大画面ディスプレイ・多画面ディスプレイの導入による業務効率化の測定|柴田 博仁・富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部|2009年 ※社名は論文発表当時のもの

Evernote は作業する環境(ウィンドウの大きさ)に合わせてノートの表示を調節することができます。

ノートの中身をウィンドウの横幅いっぱいにして、表示する情報を増やしたり、読みやすさを重視してウィンドウ中央に表示したりすることが可能です。ノートの右上にある“その他の操作”(3 点リーダーのアイコン)をクリックし、 “ノートの幅”をクリックして、オプションを選択することができます。

Windows・Mac の Evernote では、エディタの左上にある「ノートを展開」ボタンをクリックすると、サイドバーとノートリストを折りたたみエディタを画面いっぱいまで拡げることができます。集中して文章を執筆したいときなどに、余分な情報が目に入らないようにすることが可能です。

これまで、働く多くの人にとって自宅は「仕事と切り離されたプライベートな場所」であり、自宅に作業場所を持っているのは一部の職業に限られていました。

しかし、これからはより多くの職業において、自宅の作業環境が生産性を上げるための重要なポイントとなりそうです。

デジタルを前提にした業務フローの見直し

会社というリアルな場所に人々が集う前提であれば、紙の書類をやり取りしたり対面でコミュニケーションしたりすることも、取り立てて問題があるわけではありませんでした。

もちろん、これからもそうしたやり取りがなくなるわけではありませんが、働くメンバーの場所が必ずしも“同じでない”とするなら、前提を見直す必要があるのかもしれません。

場所によらずスムーズに業務を行えるようにするためには、例えば以下のように、デジタルで行うことを前提とした業務フローを組み立てることが重要です。

  • 業務に必要な資料は電子化して、どこからでも確認できるようにする
  • 業務の進捗は朝礼や定例会議の場で確認するのではなく、タスク管理ツール上でいつでも確認できるようにする。
  • 申請・承認は紙の書類で行うのではなく、ワークフローツールを使って電子的に行う

Evernote では、ドキュメントスキャナの ScanSnap と連携して今ある紙の書類をスキャンし、手軽に電子化することができます。Evernote に保存された資料は文字認識され、資料の中の文字で検索することも可能です。

ScanSnap との連携については、以下の記事もご参照ください。

新しいタスクの機能は、Evernote でノートを書いている延長上で、タスクを管理することができます。ノートとタスク管理アプリとを行き来することなく、やるべきことに集中することができます。

また、一部のプラン(Professional、Teams)では、他のユーザにタスクを割り当てることも可能です。“タスクビュー”では担当者ごとに割り当てられたタスクを一元管理でき、チームで業務に取り組むのに役立ちます。
参考: 他のユーザにタスクを割り当てる – Evernote ヘルプ&参考情報

ホーム画面の“フィルタ済みのノート”のウィジェットでは、さまざまな条件を指定して、該当するノートを自動的に表示することができます。例えば、タグを使って申請された内容を表示することで、ワークフローを管理するのに便利です。
(”フィルタ済みのノート”のウィジェットは、Personal、Professional、Teams のプランでご利用いただけます。)
参考:複数のプロジェクトを簡単に見やすく管理する方法 | Evernote 日本語版ブログ

日本の大手調査会社のレポート [*3] によれば、「電子政府」の取り組みが進んでいるデンマークでは、市民の 96% が電子的な行政手続きを利用しており、誰もがすぐ使え、簡単・便利なサービスを利用できるようになっていると報告されています。
[*3] 出典元:特集 デジタルガバメントが切り拓く国・地方の未来設計図 デジタルガバメントの要諦|知的資産創造/2021 年 2 月号|水石 仁・株式会社野村総合研究所

行政手続きに代表されるように、これまで私たちの身の回りには、「デジタル上で提出した書類でも原本は紙で保存しておく」というようなアナログが正で、デジタルは副という前提に立った仕組みが多くありました。

しかし、時代が大きく変化し、テクノロジーが発展した現代においては、デジタルを正とし、デジタルで行うことを前提に、身の回りの仕組みを見直していくことが必要なのかもしれません。

時間のデザインの見直し

会社で仕事をする場合は定時が決まっており、上司や同僚の目もあるので時間の管理がしやすい側面がありますが、自宅で作業する場合は、自分のことは自分で管理しなければなりません。

日本の大手調査会社が行った、在宅勤務者のメンタルヘルスに関するレポート [*4] によれば、テレワークにより通勤時間が削減された分、かえって労働時間(実際に作業を行っている時間)は増加したとのデータが示されており、時間を管理する難しさが表れています。
[*4] 出典元:政策研究レポート 在宅勤務者のメンタルヘルスの現況 在宅勤務は何をもたらすのか③|森芳 竜太・三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部 共生・社会政策部|2021 年

過去のブログ記事(会社と自宅の二拠点で効率よく働くための仕事術)でもテレワークにおける時間管理についてご紹介しましたが、その重要性はますます高まっていると言えるかも知れません。

先ほども述べた「デジタルを前提に仕組みをつくる」のであれば、スケジュール管理は Google カレンダーが便利です。

Evernote のカレンダー連携機能を使えば、Google カレンダーの予定を Evernote のホーム画面から確認したり、予定とひも付けたノートを作成したりすることができます。カレンダーで作業スケジュールを立てておき、予定の時刻になったらスムーズに作業を始めることができます。

テレワークは通勤しなくて済むというメリットがありますが、一方で、自宅にずっとこもってしまい、運動不足になりがちというデメリットもあります。

日本の大手建設会社が、オフィスにおいて体を動かすことの知的生産性への効果について調べた研究 [*5] によれば、作業のあい間に階段を上り下りする程度の強度で体を動かすことで、脳の“集中力”を司る部位が刺激され、作業効率が上がることが報告されています。
[*5] 出典元:知的生産性が向上するウェルネスオフィスサービス|丸山 玄・大成建設株式会社 ライフサイクルケア推進部 FM 推進室|2019 年

もし、自宅での作業で効率が上がらないと感じたときは、リフレッシュのために、仕事の前後や休憩時間に散歩を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

例えば、普段から近所の気になるレストランの情報を ストックしておき、お昼休憩で散歩がてら、テイクアウトを利用してみるのもおすすめです。

情報をストックするための方法として、Web クリッパーの機能もぜひお試しください。
参考: Evernote Web クリッパー クイックスタートガイド – Evernote ヘルプ&参考情報

私たちは子どもの頃から、学校や会社など、時間の使い方が決められている場所で生活の大半を過ごしてきました。言い換えれば、自分の時間のデザインを「誰かに任せていた」とも言えます。

変わりゆく時代のなか、心と体の健康を保ちながら働いていくためには、時間の使い方を自分でデザインすることが必要なのではないでしょうか。

動物には、自らが生き残るために今の状況(縄張りや行動習慣など)を維持しようとする性質があると言われています。私たちも“ヒト”という動物である以上、現状を維持しようとする力が知らず知らずのうちに働いてしまいます。

しかし私たちには、さまざまな状況に対して知恵をしぼり、工夫を重ねて乗り越えていこうとする力もまたあるはずです。

小さな工夫を積み重ね、毎日の生活や仕事を丁寧に行うこと。変化の大きな時代にこそ、それが大切なのかもしれません。

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